ナンシー=ペローシ、終了

ペローシの台湾訪問の占で
2022/11/14
 1年程このサイトの更新を休んでいた間、日本列島に迫る最大の軍事リスクは 8/ 2〜3 のナンシー=ペローシ下院議長(82)の台湾訪問だろう。緊急時、大統領の継承順位が副大統領に次いで第2位の大物。ドナルド=トランプ大統領の貶めしかりで、自分は目的のためには何でも利用するようなモラルもへったくれもないクセに、中共政府の野蛮については毛嫌いしている。
 下院議長の訪台は 1997 年のニュート=ギングリッチ[共和党]があるが、当時はビル=クリントン[民主党]政権で野党の立場であり、同時に中国にも訪問して、米・中関係の重要性も強調。
 そもそも「二つの中国」は、1979 年 大統領のジミー=カーター[民主党]が中共政府を承認し、台湾政府の承認の取りやめに合意して決定的になった。カーターは 1994 年クリントンが北朝鮮を爆撃しようとした時、訪朝して金 日成と会談、北の核開発凍結と査察受け入れの態度に騙される大失態を演じた。今では米本土が北のICBMに狙われる事態。これが「人権外交」。

Nancy PELOSI
  ナンシー=ペローシ下院議長。
今月の中間選挙でカリフォルニア州11区を制し、19回目の当選。
 
 さて、ペローシと民主党議員5人の訪台計画に、何よりメンツを重んじる中国人の中共政府は猛反発。8/ 1、戦狼外交で有名な目付きの悪い報道官の趙 立堅は「解放軍も座視してはいない」「我々は刮目して待つ」と述べ、翌日には外交部が「火遊びをするものは自らを焼く」「一切の責任は米国と台湾独立派分裂勢力の責任だ」と声明。その翌日朝には中国外務省が「必ず頭が割られて血が流れる」と外相の王 毅の声明を出した。
 中共の対外向けの機関誌「環球時報」の前編集長の胡 錫進は、ペローシが米軍の護衛で訪台するのなら、それは「侵略」であり「もし排除できなければ撃ち落とせ」とツイートし、削除された。

 対して、USAは日本駐留の空母ロナルド=レーガンと強襲揚陸艦アメリカ、インド洋までの支援戦力として遠征して来た最新の強襲揚陸艦トリポリほかによる打撃群を台湾東方海域に配備するなど、ペローシ搭乗機のために台湾近海の制空権を確保。空母エイブラハム=リンカーンの空母打撃群も春頃から極東海域に展開している。
 ペンタゴンがペローシ搭乗機の 115 マイル以内に中国軍機が接近したら容赦なく撃墜と宣言した云々は、情報ソースが不明なので、デマらしい。


占 題
 ペローシ下院議長の訪台で米・中の軍事衝突如何(8/ 3)

 この時オンタイムでニュースを追い掛けておらず、状況を知らず、ペローシらが台北湾に到着した翌日の早朝に一筮していた。

三 遍 筮 法
本 卦

26 山天大畜
伏卦 11 地天泰
互卦 54 雷澤歸妹
錯卦 45 澤地萃
綜卦 25 天雷无妄
 上九、天の衢(チマタ = 四通の大きい道)を何(ニナ)ふ。亨(トオ)る。
 象に曰く、天の衢を何ふとは、道 大いに行はるる也。
 
 御神明は明快だった。この上九は爻辭から、ペローシらの搭乗機の運航が敵の妨げなく確保されるところを示している。というのだから、少なくとも目立つような軍事衝突は起こらないだろう、と判断した。現場での丁々発止はあったという。的占
 小成卦の彼我の関係で観ると、占の主である内卦のUSAが【乾】で “前進する” “胸壁” に対して、外卦の中共の【艮 = 倒震】は振るふだが、上九はその主爻で動じることはない。これはまた3:1の戦力差と観てもよい。
 この占で面白かったのは、外卦【艮】なので、ペローシらの搭乗機は最初の訪問先のシンガポールから “北東” に飛ぶものと何の気なしに思っていたら、大勢が釘付けになっていたフライトレーダー24によれば、真東へカリマンタン島上空を突っ切り、北へ、フィリピンの東を回って、8/ 2 夜に台北松山空港の滑走路に着陸した。人民解放軍はこちら方面へ空母を展開させなければ戦闘機の飛行範囲は限られるというワケで、ペローシらの搭乗機は東方に大きく迂回した。象傳の「天の衢を何ふとは、道 大いに行はるる也」の「大」にはこんな大きさの含意もあるのか、と。
 82歳のペローシは上下ピンクのスーツで現れた。

 この卦・爻では、筮が不応に思えるサッカー日本代表の長友 佑都のFCバルセロナ[ESP]移籍の占がある。

 この張り合い、USAの勝利。もしバイデン政権が中共の脅迫に屈してペローシらの訪台をやめさせていれば、USAにも台湾にも大きな打撃になった。



 中共はペローシらが台湾を離れた 8/ 3 から勢いづいた。中国軍機27機が防空識別圏[ADIZ]に侵入。内、22機が台湾海峡の事実上の停戦ラインの中間線を、台北に近い北側で越えた。記録的な数。
 8/ 4 には人民解放軍による史上最大規模の「重要軍事演習」を開始。8/ 7 まで海と空とで台湾を6つの演習エリアで取り囲み(日本最西端の与那国島は演習エリアに挟まれる)、台湾を封鎖。あらゆる実戦的な演習を行い、弾道ミサイル9発を発射して、内5発を波照間島(日本最南端)に近い日本の排他的経済水域[EEZ]内に落とした(初の記録)。内4発は台湾上空を通過して落下。中共の駐日大使の孔 鉉佑(朝鮮族)は外務省事務次官の抗議の呼び出しに応じなかった。
 以後、中国軍機の中間線超えが当たり前になった。

 台湾民意基金会のリサーチによれば、人民解放軍の軍事演習への恐怖感については、「怖かった」17.2%、「怖くなかった」78.3%。台湾国民の多くは根拠の乏しい認識による正常性バイアスに陥っている。

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