山 風 蠱

地元に戻らない住民への支援策が法制化
2012/ 3/26
 民主党は22日、東京電力福島第一原発事故で避難中の被災者を対象に、放射線による健康不安の解消など国が講じるべき生活支援策の基本事項を定めた「原子力事故被災者生活支援施策推進法案」をまとめた。国の避難指示解除後も帰還せず、別の地域への転居を選択した住民に対しても、移動先での住宅確保や就職などに関する支援を行うのが特徴だ。
 法案は被災者の生活支援策の実施を国の責務と明記した。放射線量が政府の定めた避難指示の基準値を下回るが、一定量以上の地域を「支援対象地域」に指定。同地域で生活する被災者に医療、子どもの教育、食の安全などの面で必要な施策を講じる。同地域に戻らない場合でも移動先で不便がないよう適切な支援策を提供する。 ただし、具体的な財政支援措置は盛り込まれていない。
 3/22 時事通信

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120322-00000144-jij-pol



文部科学省の電話対応
2012/ 3/24
 霞ヶ関ほかの国の機関に手当たり次第に電話を入れても、どこも公聴係が対応して「お話はお伺いしておきます」。重要な話だからと担当者に繋ぐように求めても、「お尋ねの件はただ今 聞いて参ります」の繰り返しで話が通らないまま、携帯の電池が切れる。

 昨日のこと、文部科学省の原子力災害対策支援本部でたまたま担当者に繋がった。この事故の放射性核種のモニタリングをやっている部署で、担当者らとは何度もやり合っている。
 少なくても福島第一原発から数十km圏ではα線物質が舞い飛んでいること・・・当地では、スレートの屋根を除染することで専用器で測定してα線物質の反応が消えても、暫くするとまた反応。また、野っ原に放置してある鉄板などの表面が数十 cpm 反応するのに、引っ繰り返した裏の面には反応しない。つまり、浜通りの地表一面に落ちているα線物質は福一原発から来たものであることは明らかで、霞ヶ関や御用学者が言うような半世紀前の大気圏内核実験の降下物や天然ウランが反応したのではない。当地ではα線物質が地表一面に落ちており、その殆どが半減期が長大にも拘わらず12×5 cm 程度のセンサーにパンパン反応するだけの量がある。これが風で舞い飛んでいる。ということ。
 それと、南相馬市の“黒い物質”の現状 等々、ここに書いている事実を切々と伝えた。いちいち役人のゴマカシ トークをかわしながら。
 「そちらの昨年 11/20 の調査で、南会津でプルトニウム 239+240 が63.8Bq/m² なんですよ。本当は 241 もちゃんと調べていて、凄まじい数値なんでしょ? 福島にはもう人が住める状況じゃないこと、あなたもよく解っているでしょ?」
 「毎日、吸入被曝しているんですよ! 間違いなく家の中にも入っている。このいわき市だって、双葉郡の避難者が集まって36万人も居るのに、子供だって大勢 居るのに、こんな放置状態が許されるんですか!」
 噛み付くが、WEBの文書と同様、スリーマイル島原発事故 以降の国内調査での最高値 220 Bq/m²(濃縮が進んでいる)を持ち出して、検出している数値はそれ以下だから、と呆れたことを言って来る。大気圏内核実験の降下物で大勢 死んでいる事実も知りながら。
 「それ、何で最高値が比較対象になるんです? それなら、過去の平均値でしょ?」
 平均値が出し難い云々と理屈を言うが、最高値を持ち出すインチキには答えない。
 とにかく、役人らは重犯的なインチキ・ゴマカシをやっている自覚は重々ある。電話口からもよく判る。しかし、国の放射能汚染の“眼”の役割でありながら、現実感覚がまるでない。堆積調査のような現実に合わない手法を続けて、238 と 239+240 の比率などどいう適当に過ぎる判断でもって事足れりをやっている。
 「これだけ重要な問題で白黒 判らないようなことを言うなら、予防原則で動かないでどうするの!」
 「おたくら、こんな大勢の住民を犠牲にしてまで守らなくちゃならないものって何なの?」
 「一体、誰の判断でこんな寝ぼけたことを続けているの? 御用学者? 枝野? 細野?」
 
 人生で初めて全人格をぶつけて怒り倒した。ふて寝。
 「毎日これだけやって、結果、報われるのか?」と易に質すと、
 56【火山旅】|||(← 左を上に。以下 同じ)九三
 49【澤火革】||||初九
 やってられない。さっさと荷物を纏めて避難するか。こちら、この震災で、世の中に、他人に、愛想を尽かしている。
 だが、感情が大揺れしている時、易は問うた占的には応じずに警句を示して来るもの。占示の言うところは「怒るな、人心が去る、敗れを取る」だ。
 この道は 11【地天泰】|||九二。こちらは肝心要で最短距離所をやっている筈。火の玉になってやれば、現状を引っ繰り返せる。

 そして、先の文科省の担当者に「あなた、妻も子も居るでしょう。あなたなら、妻子をこんな場所に置いておけるか?」とぶつけた時、相手が言葉を返して来なかったのを思い出した。話し方からして頭の脆弱な三文役人ではない。プルトニウム 241 を含めて、これから第2次調査(12月以降)をやって、その結果を見てみる、などど冗漫を垂れていたが、ピンと来た。


占 題
 放射能汚染についての指摘に対して文部科学省の動き如何(3/23)

三 遍 筮 法
得 卦

8 水地比
伏卦 3 水雷屯
互卦 23 山地剥
錯卦 14 火天大有
綜卦 7 地水師
 初六、孚(マコト)有りて之[九五]に比すれば、咎(トガ)无(ナ)し。孚 有りて缶(ホトギ= 素焼きの質素な陶器)に盈(ミツ)るごとくなれば、終に來たりて它[九五](タ = 他)の吉 有り。
 象に曰く、比の初六は、它[九五]の吉 有る也。
 
 口と行動はやはり別。
 文科省はすぐさま調査にすっ飛んでやって来る。おそらく、ひとまず二〜四爻の互体【坤】の3人で。内卦には【震】の主爻が伏していて、発憤して、知らざる土地へ行くの爻。
 対する外卦【坎】は問題の“α線物質”。
 そして、こちらの指摘した幾つかの問題について真剣に調査等をやり、認識を改め、少し時間は掛かるが地元への対応を変えて来るだろう。
 つまり、互卦【山地剥】で、問題を片付けられるか来るが、爻辭「碩果 食はれず」で、不可。「君子は輿(ヨ)を得」で避難しかないと判断する。他方、「小人は廬(ロ)を剥す」で家々の除染に拘るが、結局は手の施しようがない。

 真芯なれば、卦は明直に事実を告げる。



デタラメ政府の住民放置を何としても動かす!
2012/ 3/23
 福島第一原発から少なくても数十km圏はα線物質(ウラン・超ウラン物質)が一面に降下。現在まで最大 343 万 Bq/kg の超高濃縮セシウムの“黒い物質”がそこかしこに発生。風によりこれらの吸入被曝が日々 進む。地面からはセシウム2核種だけで毎秒数十万 Bq/m² が放射し、居るだけで 100 万 Bq/m² が身体を貫く。大騒ぎしている「セシウム・セシウム!」の2核種も原発からの放出量の18%もない・・・
 今、たくさんの子供を含めて、福一原発の北側の南相馬市には4万人余、南側の広野町やいわき市には36万人余が居ます。今後 大勢の死傷は必至との認識が拡がっています。
 ところが、南相馬市で除染指導を進める東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授は公の場では空間線量で安危を言うような始末。

 国のこの住民放置の状態を引っ繰り返して遠方避難を執らせるべく、文部科学省に、原子力災害対策本部・支援本部に、経済産業省に、原子力安全・保安院に、環境省に、復興対策本部 福島現地対策本部に、原子力損害賠償紛争審査会に、福島県に、周辺の市町村自治体に、新聞・雑誌・テレビに、国会議員に、関係弁護士に、著名人に対して、対応を求めて大山 弘一 市議会議員らと孤軍奮闘。地元でもしっかり立ち上がる人は数えるほど。
 そして、肝心の状況は全く動かず、永田町も霞ヶ関も少し勉強すれば分かるようなインチキとゴマカシと逃げばかり(書き切れません)。今の政府の放置政策が先にあるワケです。
 皆が声を挙げないと終わりです!(ご連絡


福島原発告訴団が発足
2012/ 3/15、3/18
 福島原発事故の責任をただそう!福島原発告訴団 結成集会
●日 時:3/16(金)18:30〜20:30
●会 場:いわき市労働福祉会館大会議室(いわき市平字堂ノ前22番地)
●弁護団からの報告と提起:保田 行雄 弁護士、河合 弘之 弁護士
●よびかけ:脱原発福島ネットワーク、ハイロアクション福島原発40年実行委員会
●H P:いわき市議会議員 佐藤 かずよし



 福島原発告訴団が発足した。
 これは、東京電力が福島県民を始め千万人規模の住民を被曝させた。その後、政府も福島県も被曝を避けるための対応を執らない。御用学者らが汚染の実態と健康被害を過小評価してインチキな安全・安心をふれ回っている。しかし、驚くべきことに発災から1年 経っても検察が起訴に動いている様子がない・・・そこで、被害を被った福島県民が中心になって団結し、福島地検に対して被曝加害者の告訴・告発を求めよう、というもの。

 よって、市町村自治体の首長の不作為の責任も問うことになる。広野町は福一原発から22kmにあって、3号機(燃料プールだけで、使用済み燃料 514 体、新燃料52体の97.9t)の放射性プルームを直接 被り、地表一面にα線物質が落ちている。ところが、山田 基星 町長は、当地の汚染の実態をロクに検討せず、国が一切 安全保証をしないにも拘わらず、今月末に住民の地元への帰還を求めるとし、遠方避難の措置を執ることをせず、住民の被曝を進める、というのだから、十分に犯罪の構成要件が揃う。こちらもやるべきことをやることになる。
 復旧・復興しか頭にない南相馬市の桜井 勝延も川内村の遠藤 雄幸も同じ。

 今回の事故で被害を被った者は告訴団に参加できるので、一人でも多く陳述書を揃えて、腰抜けの検察を動かそう!
 第1次集団告訴は 6/11 を予定。詳細は福島原発告訴団ブログ

 こちらは、陳述書を纏めることは勿論、福島第一原発からの放出量と放射性核種、文部科学省の対応、それから、汚染の実態を整理して提出する予定。


河合 弘之 弁護士(浜岡原発差止訴訟弁護団長)


保田 行雄 弁護士



福島県からの人口流出を止めるための作為
2012/ 3/13
 3/13、文部科学省は今回の事故の影響範囲はチェルノブイリ原発事故の1/8と発表した、と毎日jpが報じている。元資料不明。

 「文部科学省は13日、東京電力福島第一原発事故で生じたセシウム 137 の土壌への蓄積分布を、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986 年)と比較した結果を公表した。福島事故の影響範囲は、チェルノブイリ事故の8分の1程度だった。
 チェルノブイリ事故では1平方メートル当たり 148 万 Bq 以上の高濃度地域が、原発から半径30キロ圏内と、北北東 160〜250 km圏内に分布。福島事故では最も遠いのが北西32.5kmの浪江町だった。
 同4万 Bq の低濃度地域は、チェルノブイリ事故では 1,700 kmのノルウェーまで達した。福島事故では同3万 Bq の地域が、遠いところでも千葉県柏市など 250 km圏内だった。分布面積は比較できていない」


 新年度を前にして、転校など、国は福島県からの人口流出を何とか止めようと安全・安心誘導の印象操作に余念がない。とにかく、「チェルノブイリの1/8」のイカサマを刷り込みたいらしい。まったく、畜省のやることは! セシウム 137 の降下範囲と土壌濃度はこれまでの資料を見れば判ることで、新しい情報は何もない。
 この記事も問題で、書くなら「陸上の影響範囲は」だろう。日本原子力学会の汚染学者らは福島第一原発から出た放射性核種の98%は海に落ちたとこっ恥ずかし気もなく言っていたが、それならCTBTO[包括的核実験禁止条約機構]のモニタリング データでも使って海の降下範囲も描いたら、チェルノブイリ原発事故より遥かに広いことになる。
 そもそもこの記事の「影響範囲」とは何と作為的か。プルトニウム・ウランはアメリカ西海岸にも落ちている状況で、我々はどうなる? セシウム2核種の3倍も放出して放射性ヨウ素に変わりつつあるテルルの問題はどうした?

 文科省はこんなイカサマ情報を流しながら、肝心な放出総量や被曝人口については何も言わない。プルトニウム 241 やウラン 235 などの拡散情報については一切 隠したまま。
 汚染濃度も、こちらが幼少時に暮らして祖父母も妹も眠っている浪江町の地区の汚染濃度はチェルノブイリの比ではないようだ。福島市辺りにかけてかなり集中して降下した、と。
 住民詐欺を続ける文科省。当事者能力もない国の言うことを聞いていたら必ず後悔する。当地では、人体では、本当は何が起きているのか? 第三者的に自分を観ても、「まだ逃げなくて大丈夫だろう」があるのが怖い。

 それから、放射線安全フォーラムという天下りの原発推進派のNPOが福島県産の食材を使った場合と県外産の食材を使った場合の放射線の影響に違いはないとPRし、日本テレビ系はせっせと報じている。



一 年
2012/ 3/13
 (未 稿)



広野町の実家の趾で。
地震の時、ここにあった部屋でこうして左右の棚を押さえていた。
目の前にいたのは子猫の Buru ♂。ドアを開けたら一目散に飛び出して行って、それっきり・・・。



プルトニウム 241 はなぜ検査結果を公表しないのか
2012/ 3/ 9(改 3/11)
 3/ 8 付けの朝日新聞より。

*     *     *

 「(独)放射線医学総合研究所[放医研]などのグループが東京電力福島第一原発から20〜30km付近の土壌からプルトニウム 241 を検出した。この核種は半減期が14.4年であることなどから、1960 年代を中心に行われた大気圏内での核実験ではなく、昨年の事故で原発の原子炉から放出されたと考えられるという。8日付の科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版で報告した。
 放医研の鄭 建(ツン=ジェン)主任研究員らは、福島県葛尾村(原発の西北西25km)と浪江町(北西26km)、飯舘村(北西32km)、楢葉町のJヴィレッジ(南20km)、水戸市(南西 130 km)、千葉県鎌ケ谷市(南西 230 km)、千葉市(南西 220 km)で土壌を採取し分析した。
 その結果、浪江町と飯舘村の落葉の層から1kg当たりそれぞれ34.8 Bq と20.2 Bq、Jヴィレッジの表土から1kg当たり4.52 Bq のプルトニウム 241 を検出した。プルトニウム 241 は、α線やγ線を出すアメリシウム 241(半減期432.7年)に変わる。
 研究グループの田上 恵子・放医研主任研究員は『大気圏内核実験が盛んに行われていた 1963 年当時の放射性降下物のデータから推定すると、今回のプルトニウム 241 の検出量は当時と同程度かそれ以下。特別な対策は必要ない』と話す」

*     *     *

 これが学者か? 流石は大御用の放医研。仮にこのプルトニウム 241 の検出方法に問題ないとしても、大気圏内核実験の当時の降下量と同程度かそれ以下だから対策無用などとどうして言えるのか? 大気圏内核実験の降下物による死者は面積と時間とを広げれば膨大な数になる。プルトニウム 241 の降下について木村 真三はこちらの指摘を受けて目が点になっていたが、ゲノム解明以前のこれまでは降下物による汚染と死亡との因果関係が証明できなかったに過ぎない。
 上の見解では、被曝リスクを質量(= 拡散した放射性核種の量)に求めているようだが、放射性核種自体の放射能の毒性、即ち、比放射能(= 単位質量・単位時間当たりの放射能力)によるハイ リスクを無視している。こういう学者は取り込む量が問題になるセシウムと僅かな微粒子でも癌に繋がるプルトニウムとをどう比較判断しているやら。
 戦後に発癌数が右肩上がりに進んで、今では2人に1人が生涯に一度は癌になり、3人に1人が癌で亡くなるが、これが 1960 年以降の大気圏内核実験と原発の乱立(日常的に放射性核種を排気)と医療被曝とは無関係と強弁する“汚染学者”は今後 厳しい立場に置かれるだろう。こちらは東京で企業PRの仕事をしていたが、現場感覚からすると、戦後の発癌の増加の主原因が食生活の欧米化などと言うのは“原子力村”などによるサブマリンPRであることが極めて疑わしい。

 それでは、文部科学省の犯罪的なゴマカシを明らかにしたい。
 プルトニウム 241 半減期が 238・239・240 … と比べて極めて短く、ために、同じ質量のこれら同位体より遥かに高い頻度で放出線を放つ史上最悪とされる毒物。原子力安全・保安院が昨年 6/ 6 付けで発表した資料には、最初の3日間で、1〜3号機の炉心から大気中に出た分だけで1.2兆 Bq が放出となっている。
 だが、文科省の担当者は 241 は被曝リスクを評価をするほどではなく、拡散の調査をする必要がないと常に逃げる。要するに、放出した 241 は、全体でベクレル量としては2・3桁違いに大きくても、放出した量(= 原子の総量としての質量)として見ると大したことはない、と言いたいらしい。この言説は当たっているだろうか?

A = λ × N 即ち、
放射能 = 0.693(壊変定数)/ 半減期 × 放出された原子数

 放射能とは、単位時間に崩壊する原子核の数。放射性核種は電子を含む原子の状態だから、「原子核の数」は「原子数」と言うのも同じ。

 この式で今回の事故で放出された原子数、即ち、放射性核種の数を計算すると、

 プルトニウム 238 … 7.5 × 10の19乗(1.9垓)
 プルトニウム 239 … 3.5 × 10の21乗(350 垓)
 プルトニウム 240 … 9.5 × 10の20乗(95垓)
 プルトニウム 241 … 7.8 × 10の20乗(78垓)
 セシウム 137 … 2 × 10の25乗(200 𥝱)
 ストロンチウム90 … 1.85 × 10の23乗
(85𥝱

 ※ 垓とは京の上、𥝱とは垓の上の位。
 
 よって、今回、放出されたプルトニウム 241 の原子数は78,0000,0000,0000,0000,0000、78垓(京の上の単位)で、同位体とそう変わらない。実際にはこの数倍。

 それならば、なぜ、同じぐらいの量がバラ撒かれた同位体は全県で土壌調査をやって結果を公表するのに、241 についてだけは頑なに知らぬ存ぜぬをやるのか?
 何のことはない、241 は 239+240 と同じ質量または同じ時間で比べた時にマシンガンのように放射線を放つ極めつけに強力な同位体であり、顕微鏡で漸く観られる微粒子であっても肺に取り込んだら致命的だから。森 雅子 議員[自由民主党]もこちらに言ったが、実際には 241 も土壌調査から一緒に数値を出している筈。公表を求められるから、やっていないと言っているフシ。とにかく、何度 問い合わせをしても文科省はゴマカシばかり。
 11/29 付けの資料では、福一原発から 100 km 離れた南会津で 239+240 が63.8 Bq/m² が検出、と。この検査の過程が妥当なら、今回これとのベクレル比で 187.5 倍(239+240 が6.4×109、241 が1.2×1012)ほどある 241 も同時に見付かっているとすれば、12,000 Bq/m² ぐらいの値になる。国の調査は始まったばかりも同然で、この調査箇所も55足らずであり、これまでも調査ポイントを増やせば増やすだけ高い数値のポイントが見付かっていることでも50,000万 Bq/m² ぐらいの地域は間違いなく出て来る。この数値はプルトニウムの基準で見た場合にベラルーシ・ウクライナの強制避難区域のレベル(あちらは検査のやり方が不明で、プルトニウムについての基準は机上に過ぎる)。
 そもそも、プルトニウムが地表一面に落ちているような場所に人は住めない! 且つ、当地にはウランもその他の超ウラン物質も凄まじい量がバラ撒かれている。
 つまり、プルトニウム 241 の調査結果を公にすれば、政府が画策するより遥かに広大な領域が住めないことが明らかになるからだろう。警戒区域の見直しの作業を部内でやっている経済産業相の枝野 幸男ほかのバカ者どもがそれを嫌っている。始めに汚染地域の過小化と復興ありきだから、それの障碍が見付かれば、官僚レベルなのか閣内なのか、その隠蔽と過小化をやらかす。
 文科省は危険な核種から先に人前から隠そうとすることがここでも判るだろう。これは未必の故意よる殺人。この問題を何としても公にする。

 猶、上の 11/29 付けの資料の評価付けには呆れる果てる。
 1978 年からの30年余の間の全国範囲で見付かった濃縮された最大値を持ち出して、今回の僅か55ヵ所の結果がこれの範囲内だから福一原発由来ではない? もし比較するなら過去の平均値だろう。おそらく最大値の1/10〜1/20以下になる。今度も、最大値は調査の度に桁が上がっている。
 また、238 ÷(239+240)の割合の過去平均値とは平均値であって、238 と 239+240 との割合は当然これまでも時・場所によりそれなりに幅があるのであって、それを平均した数値と今回の数値との比較がどれだけ意味がある? しかも、この比率は「238 と 239+240 が共に検出された地点のみ算出」としているが、どちらかが検出されない場合もあって、こんな比較に何ほどの根拠がある。
 何が目的か、事態を小さく見せようと、その都度その都度、都合の好い比較材料を動員して、御用学者のやることは!



広野町〜いわき市、地面くまなくα線物質が降下!
2012/ 3/ 9、3/10
 3/ 1、南相馬市に対して市民の避難を訴えて続けている大山 弘一 市議会議員が福島第一原発から南の方面のα線物質の降下の状況を確認しに、中通りをグルッと大回わりで訪ねて来た。いわき市の同志H氏と3人で、広野町からいわき市までα線専用測定器で各所を測定した。
 測定場所は、広野町役場の庁舎の北側、桜田の国道6号線沿いの某鉄工所の敷地内、国道6号線の桜田交差点付近、桜田の某工場跡の敷地内、JR広野町の駅舎の北側、JR久ノ浜駅舎の前、JR草野駅舎の前、いわき市役所の庁舎の北西側で、それぞれ野っ原ら側溝などの鉄板の上などを測った。


広野町役場の庁舎の北側で、大山 弘一 市議。除染が済んでいる場所。
α線は紙1枚で遮断されるので、まず鉄板の上を測って反応を観、
次に鉄板とセンサーの間に紙を挟んで反応がないことをデモ。
時定数は3秒と30秒で。

桜田の国道6号線沿いの某鉄工所の敷地に立て掛けられていたネコ車を測る。
単位を秒単位の cps にすると、パンパンと不規則にα線が放出されているのが分かる。
空間中のα線の飛程は数mm〜数cmなので、センサーを対象に近付ければ反応は上がる。

JR広野駅の駅舎の北側で。
まず鉄板を測り、次に鉄板を裏返して測る。どの場所でも裏返すと反応しないので、
このα線の線源となっている放射性核種は福島第一原発からのもの
だと分かる。
文部科学省や御用学者が言いたがる大気圏内核実験時代の降下物ではない。
「プルトニウムは 238 が検出されなければそのプルトニウムは福一原発由来とは言えない」とか、
「ウラン鉱石が混じっている可能性がある」と言う者は土壌の定量検査だけやっている。
 こうして、とっくに陽が暮れた中、転々と場所を移して測定しながら、いわき市役所まで移動して調査を終了。
 大山 市議は議会の準備があるのでと数時間の滞在で南相馬市へ帰った。南相馬市民だったら選対部長でも買って出たい。

 さて、測定器のセンサー部分は対物面積が僅か12×5cmぐらいしかない。広野町でも、いわき市でも、それをどこに当てても、α線がパンパンと計測される事実にはゾッとした。α線は紙一枚で遮られるから、僅かにでも土埃などを被った微粒子は反応しない。
 プルトニウム、ウラン、キュリウム、ネプツニウム、アメリシウム・・・これらの危険 極まりない微粒子が木々や屋根や地面やくまなく落ちている。これは風で舞い上がる。そして、人は毎日 小部屋ほどの大気を吸い込んでいる。α線物質は、体内に入ると、電離作用でDNAを傷付ける。就中、プルトニウムは高倍率の顕微鏡でやっと見えるほどの微粒子を吸い込めば高い確率で肺癌になる。これが少なくても 100 km圏の一面をくまなく被っているのだ。このバラ撒かれたα線物質を「無視してよい」と言う学者や官僚はどういう根拠で言っているのか聞きたいものだ。
 問題は内部被曝! 特に当地では吸入被曝! 御用学者は質量が大きい[量が多い]放射性核種が危険かのように言い、「セシウム・セシウム」言うが、セシウムだけを強調するのは学者の犯罪! 核燃料ウラン然り、最も危険な放射性核種の拡散を何としても隠そうとするのは異状だ。

日立アロカメディカル(株)TCS-232B
アルファ線用 ZnS (Ag) シンチレーションサーベイメータ 
機器効率(計数効率):30%/2π以上(15%以上/4π以上)(241 Am、10×15cm、距離5mmにて)
測定レンジ:0〜100,300,1k,3k,10k,30k,100kmin-1(7段切換 リニア目盛)
デジタル表示 計数率:0〜999min-1、1.00〜9.99kmin-1、10.0〜99.9kmin-1
       計数:0〜999999counts
時定数: 3、10、30秒



 有志のH氏がこの日 撮ったビデオをアップ。JRは民間の施設なので、場所は伏せてある。
 鉄板を裏返した時に、ごくたまに反応することがあったが、その鉄板に穴が開いていて外気に触れていることと、センサーの表面にごく僅かに土埃が付着していた。



告知:フジテレビも“黒い物質”に注目
2012/ 3/ 7、3/ 8、4/24
 明日 3/ 7(木)、8:00 〜のフジテレビ「とくダネ!」で南相馬市内のそこかしこで見付かっている放射性核種が高濃縮した“黒い物質”の特集 レポートをやります。放送時間は 9:10 頃からとのこと。

 この“黒い物質”はセシウムがバラ撒かれた福島県を中心に広範囲で増殖している筈です。福島第一原発から見て南相馬市と同距離にあるうちの広野町でも確認できます(含有内容は未確認)。これは風で飛散します。
 全国の自治体で受け入れを拒否されている原子炉等規制法の安全基準 100 Bq/kg のガレキの 10,800 倍、飯舘村の中心街の数十倍という高濃縮セシウムが拡がっている場所に、国と市町村自治体は見ざる聞かざるの態で、住民を戻そうというわけです。
 それ以前に、プルトニウム・ウラン・キュリウム・アメリシウムといったごく僅かにも吸引が許されないα線物質が全域にくまなく降下している土地にどうして人が住めますか?



 神戸大学大学院 海事科学研究科の山内 知也 教授の調査によれば、南相馬市の鹿島区(同市の北側で警戒区域ではない)で採取した検体は 343 万 Bq/kg あったと! 全国でガレキの受け入れを拒否されている数値の実に 34,300 倍!
 これで、南相馬市は妊婦の被曝線量の情報開示に応じないとか。
 大山 弘一 市議が日頃 言うように、桜井 勝延 市長以下、南相馬市の市政は全く異状と言うしかない。復興第一、健康二の次。



 最新の情報では、今度は 500 cps の場所で 420 万 Bq/kg だったと。700 cps の場所もあるとのこと。



住民への危険周知にご協力ください!
2012/ 3/ 3
 政府・経済産業省は今月末に20km圏の警戒区域ほかの避難区域の見直しを行います。これによってやがて多くの避難住民が地元に戻ることになるでしょう。
 しかし、確認調査の結果、緊急時避難準備区域だったうちの広野町にもセシウムなどが濃縮した“黒い物質”がそこかしこに見付かっており、また、福島第一原発 由来のプルトニウム 238〜241、ウラン 235・238、キュリウム 242、アメリシウム 242 などと思われるα線物質が町内全域に降り注いでいることが明らかになっています。特にウラン・プルトニウムの微粒子は肺への吸入が許されない物質ですが、これが山にも草木にも家屋にも道路にも被っているわけです。
 他方、国や福島県や市町村は、帰村宣言をした川内村に代表される通り、復旧・復興にひた走っており、空間線量(= γ線量 ≒ セシウム 134)が低ければ居住できると強弁して、汚染の実態を顧みることがありません。驚くことに、双葉郡の町村には放射性核種の問題を把握する担当者がおらず、確認した限りでは、どの役場の除染担当の部署にもウラン・プルトニウム等についての認識が殆どありません。国側も放射性ヨウ素・セシウムのこと以外は役場に情報を提供していません。「空間線量」とは何線のことを言っているかも知らない各首長が住民の帰還の旗振りをやっていますが、プルトニウムほかの超ウラン元素の汚染の事態を追及するつもりもないのだから、これは明らかに不作為による首長の犯罪です。

 昨年夏、ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]科学議長のクリストファー=バズビー博士が来日して、「今後1年間 居住を続けた場合、今後50年間に、福島第一原発から 100 km圏内でおよそ20万人、100〜200 km圏内で22万人以上が癌を発症するだろう」と発表しました。そして、先月、スリーマイル島原発事故の調査に当たったアーニー=ガンダーセン博士が来日して、スリーマイル島原発事故後の疫学調査の結果から「今後20年間に福島県を中心に 100 万人が被曝によって癌を発症するという結論になる」と語っています。「福島第一原発 ― 真相と展望」。
 学者らの見解の枝葉末節の問題は兎も角、チェルノブイリ原発事故後にヨーロッパ全域で増加した癌・白血病ほかの疾病による死亡率の割合を集計した結果から言っても、福島県民の発癌リスクはそれぐらいのものだと思って間違いないでしょう。少なくとも、福島県の東半分は人間が生活できるような状況ではありません。見えないだけ。

 こうした事実についての情報(チラシ類)を製作し、避難住民・帰還住民に広くに配布するには手足が足りません。そこで、地元の方でも遠方の方でも、他にPRアイディアを含めてご協力を頂ける方、是非こちらまでご連絡ください(クリック)!


“黒い物質”。3/ 1 広野町の国道6号線の桜田交差点付近で。
α線専用測定器にはあまり反応しないが、セシウムについて広域に正式に調査の要あり。



「不安を煽るな」の腐れ病
2012/ 3/ 1
 安全・安心を感じさせる情報があると、国も県もホイホイと発表する。あるいは、常套手段で、都合の好い数字を探して来て並べて、「ホラ、(汚染は、被害は、)こんなに小さいでしょう」とトリックをやる。ところが、この福島県でも、安心を揺さぶる情報は全くと言えるほど見聞きしない。これが高じたのが、国はより危険な情報から先に隠す、ということ。
 何度も書くが、原子力安全・保安院は昨年 6/ 6 付けでプルトニウムは 238〜241 が放出されたことを公表しながら、ベクレル比で他の同位体の2つも3つも桁が上の 241 についてだけは土壌調査の結果を出さないが、241 は原子1個当たりの放射能が桁違いに高く、吸引したら致命的。何らかの核爆発があった3号機(3/14)からの放射性プルームは南へ流れている。おぞましき使用済み棒のウラン・プルトニウム等は1・3号機の使用済み燃料プール(使用済み燃料・新燃料 計 958 本の 165.7t)が爆発して雲散霧消し、4号機が炎上を続けたのに、国は放出自体を認めず、このエアロゾル状になった粒子はどこまでも風で飛ぶが、粒子が大きいだけ福島第一原発から近距離に落ちる。
 こうした危険至極の事実を隠しながら、緊急時避難準備区域や警戒区域を解除? 町に戻れ? 国はあらゆる事柄、あらゆる段階で「隠す、誤魔化す、嘘を吐く」をやっている、というのが私のこれまでの実感だ。国民の前に出て来たものは実態とは似ても似つかないものになっている。この調子だから、他にどんな危険な事実を隠しているか分からない。

 国や県や御用学者などがそうブレーキを掛ける理由は何か? 対被災者で言えば、しつこく存在するのが「不安を煽るな」の意識だ。
 連中が「不安を煽るな」と言うのは何のためか? ある者は住民のメンタル面のケアが大切だと言って、ストレスが身体に与える影響を言う。それならと、その者に上のような放射性核種問題についての認識を質すと、“専門家”を含めてどいつもまともな認識がない。津波来襲の可能性が高いのに「住民を不安にさせるから公言するな」と言うか? 私は国のその態度のために実家を失い、知人を亡くした。
 また、福島県が国に対して県民の健康を言うのは県民のためなどではない。お金を落とさせるのが目的。福一原発からの放出総量、ウラン、プルトニウム、高濃度の“黒い物質”、我々が何を訴えてもやる気のない県が住民のことを考えているなどチャンチャラおかしい。
 正確に言うと、県行政では、県民の安寧福祉のための手段である復旧・復興が最大目的化していて、この流れが何か犯し難いものになっている。行政の間に“空気”の支配がある。

 地元の住民の間でも「不安を煽るな」の言いを聞く。
 それでは「不安を煽るな」を言う者は、福島第一原発が爆発して逃げなかったのか? 情報を求めてテレビ・新聞に集まらなかったか?
 それが、ロクに事実の認識もないまま地元に戻ることを決めると、見ざる聞かざるになって、「余計なことを言うな」「不安を煽るな」の態になる。
 これがメディアの報道のブレーキになっているようで、全くもって迷惑だ。言っておくが、地元で「不安を煽るな」を言う者は僅か。それが証拠に、対話集会でもフォーラムでも、放出量爆弾・ウラン爆弾・プルトニウム爆弾を落とすと、皆、情報を求めて来る。「不安を煽るな」を言う者は目を覚ましたようになる。

 リスクはリスク、危険な事実は危険な事実。行政やメディアはリスク情報もキチンと報じること! 住民はしっかり認識する態度を持つこと!



南相馬市のそちこちに 7,000 万 Bq/m² の“黒い物質”!
2012/ 2/29、3/ 1、3/ 9
 先週、南相馬市の大山 弘一 市議よりピンチだと連絡があり、同市の地面のそこかしこに砂鉄状の“黒い物質”が発生していて、神戸大学大学院や同位体研究所による調査の結果、kg当たり最大 108 万 Bq のセシウム2核種を含んでいることが分かった、とのこと。この数値は、全国で受け入れを拒否されている原子炉等規制法の安全基準(どこでどう使ってもいい)100 Bq/kg 以下のガレキの 10,800 倍!
 この検体の採取方法が分からないが、平方メートル当たりに換算すると、セシウム2核種だけで 7,082 万 Bq/m²(飯舘村の中心街の数十倍)という凄まじい数値になる(通常の地表5cmの採取とする)。シーベルトに換算すると 251.15 μSv/h になり、実際の表面放射線量はもっと低いが(後記:大山 市議によれば、α・β・γ線の表面放射線量の合計が 103.3 μSv/h で、α線を遮断すると、77.09μSv/h)、これが密生している場所にはとてもじゃないが近づけたものではない。場所が違えば含有する核種も変わる可能性があり、簡易測定でβ線・α線が大きく計測される場合もあるとのこと。
“黒い物質”は藍藻が媒介になっていて、軽くて風で飛散し、胞子を出してそれも飛ぶと言う。セシウム花粉どころの怖さではない。南相馬市には4万人がいる。セシウムの濃度が 10,000 Bq/kg を超えるか、総量で 10,000 Bq を超えると、放射線妨害防止法の関連基準により放射性同位元素と扱われて、コンクリートで固めて地下に埋めることも出来ない。

 ところが、この事態に対して、いつのも通り、行政機関がどこも取り合わないのだ。市議らが会見を開いても、南相馬市の警察署も。大山 市議に言わせれば、連中は復旧・復興にひた走っていて、危険情報は邪魔だという態度。
 それで、こちらが終日 方々のメディアに連絡を取ると、翌 2/21 テレビ朝日の「報道ステーション」のクルーが駆け付けて、雨の中 取材をして行った。この模様は 2/24 同局の「モーニング バード」でも取り上げられた。テレ朝、製作部門はちょっとひどい印象があったが、報道部門は好印象。
 対して、福島民報、福島民友、県内テレビ4局は事実を伝えても無視。

報道ステーションがトップで報じた(YouTube)

 このテレ朝のレポートではこの“黒い物質”が水溜まりにだけ発生しているかのような解説になっているが、そうではなくて、南相馬市ではアスファルトの上など街中の至るところで眼にする。これを通学の児童らも踏んで行くのだ。
 そして、重大なことは、この“黒い物質”は、南相馬市に限ったことでなくて、汚染地域のそこかしこで発生している筈だということ。一躍 注目されたいわき市の志田名地区の数 μSv/h の汚染どころの話ではない。こちら、この冬3度目の風邪だかインフルエンザでクタって、探しに出られないでいるが。

 このテレビ朝日の報道について、東京大学の児玉 龍彦 教授の取材を続けているNHKの鳥居 よしきというディレクターがそのブログに「不安を煽る『報道ステーション』」と題して、今回の事態を真新しい事実ではないとか、誤認だらけの酷いことを書いている。「およそ馬鹿げた話である。人体に害をなすほどの量のプルトニウムが、南相馬で検出されることなどまずあり得ない」と書いている通り、兎に角、知識がないし、問題意識が浅い。学者の言いを即ありがたがるばかりで。独りよがりに、福島県民には安全・安心が必要だと思っているフシ。
 こんな者は我々には害悪でしかない。県内を続けて取材するというから、除染対象者に認定する。

 ご覧あれ、南相馬市の態度はこうだ。
 大山 弘一 市議のブログ「100万 Bq、見ざる 聞かざる 調べざる御用学者と南相馬市」。



 この原発事故と被害を小さく描くことに余念のない「週刊ポスト」が“御用”の(独)放射線医学総合研究所[放医研]の緊急被ばく医療研究センターの杉浦 紳之センター長のコメントを出した。
 「藻にセシウムが吸着されやすいのは事実ですが、周囲の2倍くらい線量率が高い場所は幾らでも存在する。もしその藻が空中に舞い上がって拡散しても、2.6μSv/h という数値は医療放射線や自然放射線と比較しても問題ないものです。それをあたかも危険性が高いもののように扱い、不安を煽るように仕立てあげたという印象です」

 悪質 極まりない。「印象」というのだから、番組(ビデオ)は観ただろう。“黒い物質”は中には 343 万 Bq/などという凄まじいセシウム濃縮の状況があり、これの飛散が問題なのであって、それに比べて表面線量は問題ではない。
 いわき市の同志H氏に言われて思い出したが、杉浦 紳之は原発爆発後に首都圏にストロンチウムは飛んでいないと言った輩。飯舘村の全村避難指示が出た前の日には村で安全・安心の講演をしたとのこと。



今では放出量はチェルノブイリの何倍か?
2012/ 2/27、3/ 3
 2/13 19:00〜20:00、フジテレビ系の福島テレビは「チェルノブイリと福島 〜似て非なる現実と未来〜」と題した特番で、京都大学の今中 哲二 助教が当初に言っていた数字を持ち出して、ヨウ素 131・セシウム 137 だけの比較で、チェルノブイリ原発事故での放出総量が 520 万 tera Bq(確定)、福島第一原発からは48万 tera Bq(期間不明)だから、今回の汚染規模はチェルノブイリ原発事故の9%に過ぎないと報じた。
 今中 氏、この9%を最近 言ったのだとすれば、文部科学省のデータを見ているものか怪しい。地方のテレビ局の取材力など小学生並。
 そして、放出量が問題だというなら、テルルは4核種でセシウム2核種の3倍 出ていて、全国で放射性ヨウ素に壊変しつつある。こんな明白なことを大手メディアは無視。メディアが被曝に荷担している。

 また、福島県が県内各地で開いている「安全・安心フォーラム 〜除染の推進に向けて〜」の第4回いわき市開催(2/19 13:00〜17:00 明星大学)に出向いた。ハッキリ言って、これは住民にひたすら安全を刷り込もうとする酷いものだ。
 第1部の講演。日本原子力学会 理事(東芝電力システム)の藤田 玲子によると、何と福一原発から放出された放射性核種の内、陸地に落ちたのは僅か2%で、98%は海に落ちたそうな。講演なので質問できず、あとで日本原子力学会員で東大 准教授の飯本 武志にその2%説の理屈を質したが、いつもの安全・安心路線に沿った悪質な数字いじりで、年間放射線量を1mSv に抑え込むのに屋外線量は下げようないから室内線量を下げようと遮蔽効果0.4を掛けるとするのと同じ。
 また、藤田はチェルノブイリ原発事故によるセシウム 137 の汚染範囲の地図と福一原発事故によるそれとを同じ縮尺で比べて“こんなに小規模でしょ”とばかりに見せた。たった今、98%は海へ落ちたと言ったばかりではないか。その降下領域を加えたら、汚染規模はチェルノブイリの比どころではない筈だが、そんなことは言わない。実際には海洋に降下した領域は遥かに狭いのだから、と言うことは、福島県などの汚染の濃度はチェルノブイリの比ではないのだ。
 加えて、肝心の人口密度の違いも言わない。日本の平均人口密度はウクライナの4.3倍、ベラルーシの6.8倍、ロシアの48.4倍。
 悪意のインチキづくし。東京電力の安全神話が終わったら、国と県の安全神話づくりだ。福島県民は本当にまずいことになっていることをよく自覚すべし。

 第2部の対話フォーラムは、3ヵ所に別れた内の健康影響対話フォーラムに参加。
 御用学者が2時間も一方的にセシウム問題ばかりしゃべくる。安全・安心の刷り込みと、問題点の指摘に対しては取り繕いばかり。
 先の飯本は空間線量に注意していれば好いというが、文科省でも各自治体でも「空間線量」とはγ線量のことを言っており、γ線物質は文科省発表の放出量でも僅か18%もないことをこちらが指摘すると、β・α線も含めた線量だと言うが、そんな数値、どこで発表しているというのか? 連中は住民が誤認することを承知でこんなことを言って回っている。
 そして、こちらが福一原発からの放出量は今ではチェルノブイリの何倍になっているのか分からない理由を滔々と説明すると、彼らも当然 承知しており、会場騒然。県側の代表として来ている福島県健康管理調査室 主幹の小谷 尚克に、福一原発からの放出核種の数と放出量、及びウラン 235・プルトニウム 241 の土壌調査のデータの開示を福島県として国に対して求めるように迫ると、無視の挙げ句、「77万 tera Bq でチェルノブイリ事故での放出量の1/7と承知しています」とヨウ素換算の中身も知らずにご立派に言う。どこまでも棒で鼻を括った態度に会場の怒号を受けると、人の話をロクに聞いていないのに「そういうご意見があったことは伝えておきます」とぬかす。こやつは医者のようだが、他のイベントでも福島医大の山下 俊一・神谷 研二とつるんでいる。こんな人間が福島県民の健康管理事業を担当しているのだ。
 このイベントは福島県による県民催眠フォーラム。

*     *     *

事 実 は

 原子力安全・保安院は福島第一原発から放出された放射性核種の量を 1,134 京 Bq(内、不活性ガスのキセノン 133 が 1,100 京 Bq)と発表している(昨年 6/ 6 付けの資料同 10/20 付けの訂正資料)。これはチェルノブイリ原発事故(ウクライナ・ベラルーシ・ロシアとIAEA・WHOなど8つの関係機関が参加した「チェルノブイリ フォーラム 2005」で 1,365 京 Bq と確定)で放出された量の83%に相当。
 ところが、この 1,134 京 Bq とは 3/11 の地震の数時間後から 3/14 22:50(最長計測の2号機)までの正味6日間だけの数字。その後、3/15 に2号機の握力抑制プールが爆発して本格的な漏洩が始まり、浪江町・飯舘村〜福島市〜郡山市〜東京都の高濃度汚染エリアを作り、続いて4号機も爆発・炎上して、それらは3月中はモクモクと煙を上げて大量放出が続き、その後もしばしば大きな噴煙を上げている。
 しかも、この 1,134 京 Bq とは国が選んだ31核種だけの合計。実際には数百〜千種類の放射性核種が環境中に飛び出したと指摘されている。しかも、ウラン・トリチウムの例の通り、未発表の核種は少量とは限らない。
 しかも、これは1〜3号機から放出された分であり、新燃料が炎上した4号機からの放出分を含まない。
 しかも、これは大気中へ放出された分であり、太平洋への流出分、及びベントの分を含まない。2号機から放出された高濃度汚染水を含む放射性核種の量は、東京電力 発表の水量と濃度に基づけば、330 京 Bq。
 しかも、1,134 京 Bq とは炉心から放出された分であり、それぞれの使用済み燃料プールから放出された分を含まない。
 つまり、福一原発からの放射性核種の放出は 3/14 頃にはチェルノブイリ原発事故の規模になっている筈であり、現在ではその2倍以上になっている可能性がある。ウラン・プルトニウム類は例外とする証拠はない。史上最悪の原発事故、複合汚染であることは動かない。

 1・3号機は燃料プール(使用済み燃料・新燃料 計 958 本の 165.7 t)が爆発で吹き飛んで大熊町では燃料ペレットの破片が確認され、4号機の燃料プール(使用済み燃料 1,331 本・新燃料 204 本 の 255.5 t)は炎上していたが、文科省は生体に極めて有害なウラン類の放出を認めていない。調査だけはしている(昨年 4/ 1 付け5/19 付け)。大きな粒子は近郊に、小さな粒子は地球の裏まで。また、膨大に放出された筈の水溶性のトリチウムも数字を出していないが、これは4月上旬に低濃度汚染水の大量放出をやって海洋汚染の騒ぎになったので、関係各国からの巨額の国際賠償請求を避けるため、と見られる。
 そして、原子1個当たりの放射能が桁違いに高く、肺に取り込んだら癌を覚悟することになるプルトニウム 241 について文科省は飛散状況の調査をしていないと言う。放出されたベクレルの量の桁が2つ3つも小さい 238〜240 だけ土壌調査をし昨年 9/30 付けで発表広野町の3ヵ所で2.5〜4.8を検出 Bq/m² 。文科省はプルトニウムも実効線量で安危を語る)、241 は汚染の程度は評価に値しないとゴマカシをやっている。11/29 付けの資料で南会津で 239+240 が63.8 Bq/m² が検出されているから、実際には今回これとのベクレル比で 187.5 倍ほどある 241 は 11,962.5 Bq/m² ぐらいの場所がある筈。こういうのは詳細に調べれば数倍の検出が出るから、それはベラルーシの立ち入り禁止区域の数値に当たる。

 ところが、福島県もどの市町村も政府に対して、放出された全核種の種類と各放出量、及びウラン・プルトニウム汚染の詳細な調査資料の開示を求めようともしない。県は住民が流出すれば税収が減って公務員が維持できないから。
 また、立地町の大熊町 企画調整課に問い合わせると、ウラン類の降下については国から何も伝えられていない。プルトニウムについては、昨年5月に採取した土壌検査から降下は微量との認識だったが、先の通り、その後の文科省の全県対象の調査ではもっと大きな数値が各地で検出されている。
 つまり、言われていることだが、より広い範囲を細かに調べればより数値の高いポイントが次々 見付かり、また、土壌採取と検査とはやり方次第で結果がかなり変わる、ということ。検体を5本 採取して、数値の最も高いものと最も低いものを除いた上に、3本の数値の平均を取る、やり方というのは高い数値を出さないため。

 福島県民は、国と県およびIAEAのそれぞれの思惑による安全・安心PRによって、殺されようとしている。重要な事実の認識がないまま、住民が次々 地元に戻って来ている。



 福島第一原発から放出された放射性セシウムは3京〜4京 Bq との試算を 2/29 気象庁気象研究所や電力中央研究所などのチームが纏めた、と。昨年4〜5月に北太平洋の79ヵ所で採取した海水のセシウムの量を分析し、そのデータを基に、事故後に福一原発から放射性核種がどのように大気や海に拡散したかを示すモデルを使って逆算する形で、4月上旬までの放射性セシウム 134・137 とを合わせた放出量を推定した、という。
 文部科学省が 3/14 夜までの3日間の数値として出した2核種で3.3京 Bq と同等の数字になっており、過小化している。電力中央研究所とは電力会社系の財団法人。
 国は世界 270 ヵ所に探知観測所を持つCTBTO[包括的核実験禁止条約機構]から提供されたデータから放出核種の種類と量を承知している筈だが、公表しようとしないから、大分 都合が悪いのだろう。
 オーストリア中央気象・地球力学研究所はこのデータを使って、最初の3日間に放出された放射性ヨウ素はチェルノブイリの放出総量の30%、セシウムは60%に当たる、としている。

 兎に角、日本政府の連中とこれを取り囲んでいる御用学者の頭だけは信じられない。



国の常套手段:隠し、黙り、数値が下がれば公表
2012/ 2/ 4
 福島県のいわき市水道局では水道水について「1歳未満の乳児を含めすべての方に飲んでいただいて問題ありません。」と相変わらずデマを書いている。根拠は厚生労働省が示した乳児の放射性ヨウ素の摂取指標だけ。一つ一つの放射性核種は微量でも、福島第一原発からは数百〜千も出ていれば、日々それらを飲み続けるということだが、「ただちに健康に影響はありません」? 同様に、食物・大気からの取り込みを合わせて、一体、年間で、全核種では何ベクレルになるか想像もつかない。広島原爆の“死の灰”の数百倍で、チェルノブイリ原発事故を遥かに超える量の放射性核種がばら撒かれている。見えないだけ。

 それで、問題中の問題プルトニウム、ストロンチウム、トリチウム等について現在は含有検査をしているか再び問い合わせをした。
 すると、前回と同じく、(いわき市水道局ではなく)国の原子力災害現地対策本部が検査の主体で、福島県 策定の「飲料水の放射性核種モニタリング検査実施計画」に基づき、水道局水質管理センターのゲルマニウム半導体検出器で定期検査をしている、と。採水は蛇口からではなくいずれも12ヵ所の浄水場。
 検査項目は以前と同じ、クロム51、マンガン54、コバルト58、テツ59、コバルト60、ジルコニウム95、ニオブ95、 ルテニウム 106、セシウム 134・137、セリウム 144、ヨウ素 131・132 の13核種のみ。
 プルトニウム、ストロンチウム、トリチウムはゲルマニウム半導体検出器で測定できないので、定期検査をやっていない。ただ、ストロンチウムについては、昨年 12/13 に外部の民間の検査機関(不詳)に出して、検出下限値0.2ベクレル/kg で検査しても不検出だった、とのこと。ストロンチウムは、なぜ9ヵ月に経ってもやっと数字を出したかと言えば、それ以前には問題のある数値が続いたからだろう。文部科学省の検査官らは爆発直後から相双地区を走り回っていた(後記:12/13 のストロンチウムの検査はいわき市が独自に行ったもので、これ以前のデータはないとのこと)。

 国は、不都合な事実はずっと隠し続けて、黙りをやり、数値が下がれば出して来る。厄介な数値であれば、理由を付けて公表を無期限に保留するか、何かゴマカシをやる。これは常套手段。食材のセシウムの摂取指標も検出値が概ね下がって来たので、補償費用が僅かで済むようになったと下げただけのことであって、食糧不足になる危惧は最初からない。連中は常に業界の保護の方に走る。
 しかも、米も野菜も肉も、セシウム 134 のγ値が下がっても、その化学的毒性はそのまま。また、セシウム 134 の数値が下がってもストロンチウムほかの放射性核種の含有の話はまた別で、上がることだってあるわけだが、無視同然。


 国も東電も、圧力容器底部の温度が上昇したとか、低濃度の汚染水が漏れたとか、小さい問題はわざと公表して、目が行き届いているかのように、危険性は小さいかのような印象操作をやっている。我々が想像もしていないことの隠蔽は更に怖い。
 それで、今後、何があっても自分の命でもって償う者などいない。それならば、こちらも世の中との関わり方を変えるしかない。

 放射性核種でも、生体に最悪の物質でありながら数兆ベクレルもばら撒かれているプルトニウム 241 について、国は降下データの公表をどこまでも拒む。ストロンチウム以上の量が出ているとされるトリチウムについては、福島第一原発から出た事実も伏せたまま。
 内部被曝については一番 研究していることを自認する東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授はこちらがトリチウムについては水道水の検査項目に入っていないことを言うと、絶句されていた。トリチウムも、ストロンチウムも、そういう扱いの物質である。

 放射線に関する詳しい問い合わせは、こちらへ、とのこと。
●原子力災害対策本部:024-521-7837
●厚生労働省 健康局水道課:03-3593-2368



放出核種は数百以上。それを日々 吸い込んでいる
2012/ 1/24(改 1/27)、1/27
 福島第一原発から数十km圏の大気の状態は実際どうなのか?
 東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授は南相馬市などでダスト メーターで測定して放射性核種は「殆ど飛んでいない」と言う。
 しかし、いわき市 中央台の仮設住宅では北から西からの風が吹き付けると、空間γ線量が0.18μSv/h → 0.25μSv/h 程度に上がるし、先生にも話したことは前に書いた。鼻孔の上皮皮質がやられたか、鼻血が止まらない子供を連れた母親も先生に盛んに相談していた。昨年の夏〜年末頃にはセシウムの3倍も出ているテルル4物質が放射性ヨウ素に変わって、東日本ではノドが酷く絡んだり軟便を訴える声が相次いだ。先生、やはり大気の検査体制が要るだろう、と。地表面では凪でも、上空では気流が異なり、落ちて来る。
 それから、聞いた話では、食材は全て北海道や九州から取り寄せ、学校給食を断って弁当持参にし、極力 室内で生活し、外出時には必ずマスク、という徹底ぶりを続けている母親が、子供にホール ボディ カウンターを受けさせたら、それなりの数値だったとか。或いは、ベラルーシの被爆地で同様に暮らしている上流家庭の医学者が日本でなにげにホール ボディ カウンターを受けたら驚く数値だったとか。

 食物からではないとすると、それなりの量の放射性核種がどうして体内に入るのか?
 やはり日常の呼吸から、ということになるだろう。放射性核種は「殆ど飛んでいない」と言っても、人間は日に1.5万〜2万ℓぐらいの空気を吸い込んでいるから、例えば、呼吸1ℓ中に諸々の核種が合計で0.1Bq 含まれるとすれば、毎日 1,500 〜 2,000 Bq を取り込むことになる。一年にすれば55万〜73万 Bq。ゲルマニウム半導体検出器なら検出限界値はセシウム1核種で 0.005 Bq/ℓぐらいということだから、0.1 Bq の1/20ということで、この当たりが順当か。勿論、排気で幾らかは出て行くし、室内では異なるだろうが、汚染源に近い地域では、呼吸による放射性核種の取り込みは食物からの比ではないという説はよく頷ける。
 この中に 1/1000 ミクロンの微粒子でも肺に入れば高い確率で癌を発症するプルトニウムが含まれていないと言えるか? 原子力安全・保安院が昨年 6/ 6 付けで公表した資料同 10/20 付けの訂正によればプルトニウム4核種は1.2兆 Bq 強で、特にこの 241 は原子1個当たりの放射能が凄まじい。
 なにせ、流出した核種は、他にも、燃料のウラン 235、水溶性のトリチウムがあり、全ての核種は低量のものなど数百とも千を超えるとも指摘されていて、その種類と総量は全く不明。

 年明けに、福島市のγ線測定器が一時 高い数値を示して騒ぎになって、これは粘土質の土と馴染むとされるセシウムの 134 だが、様々な放射性核種が風で飛んでいることはハッキリした。特に、福島第一原発〜福島市あたりの広大なエリアにはとてつもない量の放射性核種が降り積もっていて、児玉 先生もこちらの質問に、どうするかこれからの課題だ、と言っていた通りアイディアが見えないし、福一原発の地元の大熊町にも空間線量γ線量が 100 μSv/h 超えのエリアがある。うちの広野町までは僅か20km。
 しかも、何度も書くが、γ線物質(ヨウ素・セシウム・イットリウムの計5核種)のベクレル量は発表されている核種群(不活性ガスのキセノン 133 を除く)の34京 Bq の18%もない。国は、放出分の大部分を占めるβ線物質(ストロンチウムほか)とステルスのα線物質(プルトニウムほか)を無視して、空間γ線量が下がれば安全かのような迷信の流布をずっと続けている。
 花粉に含まれる核種も当然セシウムだけではない。「大気中には元々 色んな病原体もウジャウジャ飛んでいるじゃないか(だから、今更)」と言うが、日本列島の半分の面積を放射性核種が被ったなどという状況は考え得る公害の最たるものだ。政府がまともなら、統計的手法で低線量被曝によるものも拾って、何十年後には癌ほかによって何十万人が死亡というシミュレーションを当然 持っている筈だ。USAやドイツの研究者らが言うように、汚染規模が大き過ぎて人の移動が出来ないから、対処的に医療対応とするしかなくて、国は様々なリスクをどこまでもゴマカシ続けようという腹である。文部科学省の役人連中のゴマカシの態度は一貫している。リスクを喚起すれば、誰も補償に拘わらず逃げるから、大勢が助かるものを。

 また、それぞれの放射性核種がどこにどんな固まりとなって落ちているか分からない怖い問題がある。
 千葉県や東京都でストロンチウム90が見付かっているが、セシウムとの放出量比に等しい量が検出、というわけではないようだ。つまり、飛来の過程で拡散が進まずに、それなりの濃度・固まりで落ちているということ。どこに落ちているか計りようもないプルトニウムも例外ではない。
 それなら、福一原発から20kmの広野町の状況はどうなのか? 3/15 の夜にはそのプルトニウム混合のMOX燃料を焚いていた3号機からの放射性プルームが南へ地表を舐めて、これは茨城県を経て東京に達した。そのためか、広野から国道6号線を車で南へ走ると、小山の北側の面やトンネルの直前ではγ線測定器が大きく反応する。町内にはホット スポットがそちこちあるし、3ヵ月間 行方不明だったうちの猫は重度の白内障になっていた。

 だのに、呆れ果てることに、こういう汚染・リスクの議論が町役場でも議会でも全くやられていない。幼稚園児まで町に戻そうとしておりながら。双葉郡の町村長会・議長会での話のレベルなど推して知るべし。プルサーマル計画については、自民党県連は原子力安全・保安院のお墨付きが出ているといったように手続き論だけで推し進めたというが、この史上最大の放射能汚染を経験しながら福島のまつりごとの現場は何も変わらない。オメデタイとしか言いようがない。



占 題
 いわき市に居たまま、吸入被曝の危険性如何(1/26)

三 遍 筮 法
得 卦

29 坎爲水
伏卦 59 風水渙
互卦 27 山雷頥
錯卦 30 離爲火
綜卦 29 坎爲水
 上六、係(ツナ)ぐに徽纆(キボク = 三筋・二筋を寄り合わせた縄)を用ひ、叢棘(ソウキョク = 牢獄)に香iオ)く。三歲まで得ず。凶。
 象に曰く、上六は道を失ふ。凶なること三歲 也。
 
 習坎。「習」は重なるで、【坎】の“毒”が二つ重なって示された。内卦の【坎】はそのまま“水”による毒であり、“食物”であり、生活の糧であり。外卦の【坎】は、上六を裏返した【巽】から来ており、“風”による毒。御神明はこの二つに警戒すべきことを云っており、上六の外卦が示されたのだから、特に風で飛来する放射性核種に注意せよ、と。純卦だから繰り返しの意を汲む。
 そう言えるのは、上六には【風水渙】|||(← 左を上に。以下 同じ)が伏しており、これは福島第一原発や堆積地帯から放射性核種が渙散する様。
 【巽】は“隠れ伏していること”であり、また、意味の強い最上位の爻が示されたのだから、現状にはいよいよ気を抜けない。
 或いは、風による毒と飲食の毒から飲食による毒の方がまずくなる意にも採れる。
 爻辭は、艱難あり、ここに係がれるままグズグズして、凶を見る、と。3年までは危険なレベルに放射性核種を得ない。厳しめに採って、爆発から3年の内は。
 【坎】は“下へ流れ”、“血管”であり“腎臓”であり“膀胱”であり、大量に出ているセシウムの関わる部位とよく重なる。
 その風や水よる毒と汚染地帯の住民との間には、互卦の【山雷頥】||があるから、これは口・鼻孔からの取り込み。或いは、他所に移って休養すべきことにも取れる。

 これまでも御神明は一貫して汚染源に近い所に長居をするのは禁物であることを示している。



人でなしの福島県は健康より復興
2012/ 1/23
 福島県知事の佐藤 雄平のスカスカの無能ぶりは今更 言うまでもない。
 国にこんなマヌケな要求をして、「福島県が災害に便乗している。厚かましい」と国民の間に反感情を作っただけ。なぜ県民の被曝検査と治療の全面無料化と補償というまともな要求をしない? 先日は双葉郡の町長・議長らが県の復興計画にJR常磐線のミニ新幹線化や国際的な大型娯楽施設の誘致を要望したが、少なくても4町1村は移住が不可避の状況で、数万の住民の問題がありながら、老人連中のボケっぷりは犯罪的だ。
 前の佐藤 栄佐久 知事が受け入れの拒否を続けた問題ずくめのプルサーマル計画を安全議論もなく状況に飲まれるまま承認したのもこのボンクラ知事(執拗に導入を要求して来たのは自民党福島県連の連中)。その3号機が爆発して、こちらもプルトニウムいっぱいの放射性プルームをいわき市 四倉の体育館で被った。県では放射性プルームが福島市に流れ来るのを一日以上前に経済産業省からの SPEEDI 情報で知っていたが、何の手も打たなかった。兎に角、佐藤 雄平は知事職にいるというだけで、働きと言う働きがない。
 そして、こやつの子供の医療費無料化には子供らを福島県内に縛り付けようという大きな意図がある。つまり、福島県の目的は、収税の維持であり、公務員の給与・雇用の維持である。クサレと言うほかはない。
 これまでの責任の一片でも感じるところがあるなら、無能無策を自覚するなら、佐藤は一日も早く辞任すること。誰が後任になっても、このバカタレよりはマシだ。しかし、リコールの動きは立ち消え。



住民の帰還を促すために空間γ線量をごまかす
2012/ 1/17、1/20、1/30
 広野町役場ではそれまで空間γ線量がずっと0.4μSv/h 前後だったのを、1/14、測定器の周囲の除染を進めたために半分の0.19μSv/h となったものなら、そのまま地域の数値のように公表を始めた。広野町役場の測定の実施者はいつからか文部科学省になった。


福島県放射能測定マップ

 役場の数値を地域の実態とかけ離れたものにしてどうする! 県内のどのテレビ局の線量情報コーナーでも「広野町は0.19μSv/h」だ。国も大手メディアも、ただでさえ放出核種はセシウムだけのように問題を矮小化しておきながら。文部科学省にも広野町にも、避難中の住民を少しでも町に戻したいという意図がある。
 窮極の毒物プルトニウムほかストロンチウム・トリチウム等の飛散の実態が殆ど知れず、土壌汚染濃度が最も低いエリアでも10万〜30万 Bq/m²(セシウム2核種のみ)などという土地にどうして暮らしてゆける? 国は民家 一軒々々の除染と評価をやるのか知らないが、α線物質などによる不都合な問題はどこまでも誤魔化して来るだろう。
 広野町はリスク情報は国の言うのを鵜呑み。何度も書くが、住民の多くが町に戻らない成り行きであるのに、その不動産等の国への買い取り要請といったサポートは全くしようとしない。地域人口の回復と収税しか頭にないようだ。
 それでは、こちらもちょいとチカラワザをやらせて頂きましょうか。



 県内のテレビ各局に是正を要請。どちらでも広野町の空間線量の表示をやめるようになった。
 あとは行政。諸々の問題について。



 大気中のダストを測定する技術系の職員が全国から集められている。しかし、福島県への滞在は僅か2ヵ月間。

 福島では、幼稚園や学校でマスクの着用が奨励されていない。昨年、お母さん方から聞くところによれば、「皆がマスクをしていると危険に映るから」との理由。ここ いわき市でマスクをしているのは大人ばかりで、インフルエンザも大流行しているのに、子供はまずしていない。
 それで、全県に関わることなので、福島県教育委員会に意見すれば、「それぞれの学校が独自に判断すること」とのこと。プルトニウム吸引の可能性も高いのに、いつまで寝ぼけているつもりかね? 福島の教育行政はまるで犯罪的である。
 福島県教育委員会への意見はこちらへ!



福島第二原発の行方
2012/ 1/15、1/23、7/ 4
 福島第一原発より南に10km、警戒区域になっている富岡町と楢葉町とに跨って福島第二原発がある。隣町であるうちの広野町の町境から丁度10km。昨年の震災では構内全体に津波が流れ込んで、4機の原子炉建屋の内部は今も海水漬けの状態とのこと。
 この富岡・楢葉両町の町長などは、チェルノブイリ原発事故を上回る放射性核種を振りまかれて猶 第2原発の再稼動を求めている。双葉郡の6町2村の首長連中は、放射性核種は目に見えず、健康被害もまだ顕在化していないものだから、放射性核種などもう意識の外で、空間γ線量が下がれば問題が解決するかのようだ。双葉町の井戸川 町長を除けば、ひたすら地域の復興に逸っている。放射性核種問題に無知同然で、役場職員も同じで、専門家集団の国とどんな交渉が出来るの? 無能も程度問題だ。
 そして、自由民主党の幹事長の石原 伸晃のボウズは、オヤジ同様、安全チェックをやって全国の原発を再稼動すべしとぬかしている。福二原発の再稼動を言うなら、安全に暮らせるというのだろうから、妻子の住まいを両町に移したらどうか。自民党はとうに【水火旣濟】となって変化発展なく硬直して、劣化の坂を転げ落ちている。


占 題
 福島第二原発の今後十年の成り行き如何(1/ 7)

中 筮 法
本 卦

之 卦
36 地火明夷 24 地雷復
爻卦:巽・離・兌・乾・離・艮
互卦:40 雷水解 → 2 坤爲地
錯卦:35 火地晉 → 44 天風姤
綜卦: 6 天水訟 → 23 山地剥
< 本 卦 >
 九三、明 夷(ヤブ)る。于(ユ)きて南[上六]に狩して、其の大首[上六]を得たり。疾(ト)くす可からず。貞(タダ)しくあれ。
 象に曰く、南[上六]狩の志は、乃ち大いに得る也。
< 之 卦 >
 六三、頻(シキ)りに復る。q(アヤ)うけれども咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、頻りに復るのqうきは、義(= 条理)として咎 无き也。
 
 【地火明夷】は【離】の“太陽”が【坤】の“地平”の下に沈んでいる、即ち、稼動停止にある状態。
 問題は之卦【地雷復】で、これは元の状態に戻ることだが、それは震災以前の稼働状態のことか、原発のなかった元々の状態か? こういう例では後者になることが多い。だが、内卦【震】の“電気”を外卦【坤】の“貯蔵”する、或いは、【坤】の“大衆”に対して【震】の“振るう”で、再開とする。
 また、もしこれがそのまま廃炉になるのなら、福1・福二原発が共に停止・廃炉となる画の 52【艮爲山】||など、意味のハッキリした卦が示されてよいと思う。


 念のために、直接「福島第二原発は再稼動するか」と三変筮法で副卦を出してみると、60【水澤節】|||六三。
 【水澤節】は勿論 節制するの意。だが、六三は本来【艮】止の位だが、陽爻陰位の不正で意思が弱く、爻辭「節若たらざれば、嗟若(サジャク)たり。(さもなくば)咎 无し」。稼動を節することなくば、やがて嘆くことになる、と云っている。正確にはifが示されているから、国なりの意思次第ということになるが、爻意としては凶が表に来ている。【水澤節】は竹のフシで、細くあとに続く。
 伏卦は再稼動を待つの5【水天需】||||。


 日本人というのは意志薄弱な成り行き任せのメダカばかりで、喉元 過ぎれば熱さ忘るる。論理的に全原子炉の廃炉を決めたドイツ国民の民度には遠く及ばない。



 いや、自民党の党勢はダメだね。少なくても今年の前半は 33【天山遯】||||九三で、全くの退勢。昨年までの状況とは明らかに変わっている。
 政局づくめで、この卦には民主党の法案には何でも反対する態度がピタリ重なる。復興事業がロクに進まないのはこれがため。
 下野してからというもの、総裁の谷垣 正和は民主党の negative キャンペーンに狂っているが、あれで党政拡大になるとでも思っているのかね? 今やヒステリーに映る。あんな様を誰も糺そうとしないのだから、自民党の劣化ぶりが判る。



 13市町村回りをやっている東京電力の新社長の広瀬 直己が福島第一原発5・6号機と福島第二原発の廃炉についてメディアに問われたが、明言せず。
 それで、この占を思い出したが、やはり読みがしっくり来ない。こういう場合は読み違えているもの。
 ん〜、これは、外卦【坤】の“土地”を内卦【震】でブルなどの“機械”で均している様の画でないかな。廃炉だ。



結 果



再びの震災を憂ふ
2012/ 1/ 4(改 1/14)
 昨年、東京の震災を易に質して 46【地風升】||(← 左を上に。以下 同じ)上六の「冥升」。
 上爻なら一両年、即ち、昨年中に起こらなかった故、今年の前半の発災に備うべし。
 この卦は外卦【坤】の“地”の下で内卦【巽】の“伏した、木の芽”が成長している象。【巽】は始めは下へ曲がって芽を伸ばしたが、跳ね返るように上を向いて地面を穿って出ようとする。旧暦8月の卦で、冬の霜にやられれば腐るということだが。

 ここで占的傍証として国内経済を観ると、今年の前半は中筮法で3【水雷屯】|→ 24【地雷復】|。
 六五の陽爻の障碍が消えて、震災・タイの洪水・円高からの回復の兆しが見える。爻辭「膏(メグミ)を屯(トドコオ)らす」状態から、再びへ。
 ここで発想を拡げれば、之卦【地雷復】は【大震】の似卦であり、外卦【坤】地の下の【震】動で、ここに震災のことが重なる。

 また、今年の後半の国内経済を観ると、同じく中筮法で 42【風雷Y】|||不変。
 衰運の卦。上を損して下を益すの卦で、通常とは逆に公けから民衆への支出を観るのであり、これはまた【大乾】の“公け”が六二〜六四の【坤】の“民衆”を抱擁する形。
 不変で、この状況一色の景色が窺える。勿論、前半も昨年からの震災復興の持ち出しはあるが。


 そこで、年が替わったので、再び広く年内の震災の有無を質す。


占 題
 2012 年、国内で震災如何(1/ 3)

三 遍 筮 法
得 卦

61 風澤中孚
伏卦 10 天澤履
互卦 27 山雷頥
錯卦 62 雷山小過
綜卦 61 風澤中孚
 六四、月(= 陰なるもの、妻、臣下)望に幾(チカ)し(= 満月の九五に対する)。馬の匹[六三](タグイ)を亡(ウシナ)ふ(= 馬の仲間を無くして独り進む)。咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、馬の匹[六三]を亡ふとは、類を絕ちて(九五へ)上(ノボ)る也。
 
 この卦・爻は爻辭「月、望に幾し。馬匹[初九]亡ふ」で、何事かが間近に迫っている、と云っている。我々がその上に乗る「馬」におかまいなく。
 この卦は上九を変じると、60【水澤節】|||(← 左を上に。以下 同じ)になり、これは竹のフシ、即ち、長く続きながら一定間隔で存在するもの。よって、上爻の3月にまず備える。


 それならと、今年の前半を建前に、地元の福島県に大きな地震ありやを質すと、25【天雷无妄】||||上九。
眚(ワザワイ)有り。利(ヨロ)しき攸(トコロ)无(ナ)し」。象傳には「无妄の行くは、竆まるの災ある也」とあり、「眚」は人による禍、「災」は天災のことで、何かが窮まることによる天変地異なりありそうだ。
 六四には 17【澤雷隨】|||が伏しており、随する、即ち、本震に対する余震のことが拾える。また、錯卦は先の【地風升】で、現状 地下でこれがある。
 得爻は上九で、月単位なら年の前半とは言い切れない。兎に角、状況が迫りつつある。
 ただ、易では物ごとの程度がなかなか判じ難いので、どれだけの災害となるか・・・。
 重要な事柄なので、引き続き考えてみる。



結 果



平成24年 元旦、広野
2012/ 1/ 2
 夜明け前、猫のマー ♀を連れて車で広野町へ。2ヵ月ぶり。
 浅見川に沿って坊田橋まで来ると、遠く木々越しに実家の二階が覗けたものが、西隣の根本さんの母屋もない。
 一年前、日常の中に観ていた初日の出。いつも堤防の下ではまだ真っ暗な内から火を焚いて酒肴を交わす人々があった。こちらも堤防の上で日の出を拝むと、「寒い寒い」と百歩も歩いて実家に戻り、テレビを観ながら母の雑煮、ひと眠りだった。それが、堤防から後ろを振り返ると、何もない。本町の家々が消えつつある。北海道の東のはずれの納沙布岬に立っているような。
 堤防を下りようとして、滑って、左の手の平と腰を思いっ切り擦り剥く。一年の厄払いになったか。合わせられない手で、裏の小さな鹿嶋神社で鐘を鳴らして手を合わせる。ここは我が本殿。
 日の出を観に来ている何台かの車を除けば、この本町に人影はない。

 町中は家々の前に車が止まっていて、自宅で年越しをした人が多いよう。
 国道6号線の車の往来は以前と何ら変わらない。

 広野町役場の横のみかんの丘に登って、町を臨む。ここに登ったのは子供の時 以来。
 こういう落ち着いた時間・空間の中にいると、事実の認識はある一方で、目に見えて何事か身に起こっているわけではないし、これは思った以上の数の住民が割と早く町に戻るな、と。北隣の楢葉町が警戒区域の指定解除になったら尚のことで、町議会議員などは警戒区域の住民が広野に移り住むのを期待している。
 頭で考えろ。頭で。




 その前、福島のスタジオから中継の「朝まで生テレビ 元旦スペシャル」を拝見。
 高校3年時の担任の関根 シツ子 先生がスタジオに。懐かしいね。もう70歳ぐらいの筈だが、お変わりなく。富岡町 在住だったことを思い出した。津波に追われるようにして内陸の方に逃げて、今は大玉村の仮設住宅におられる、と。
 パネリストには自民党の森 雅子 議員。「移住を望んで補償を求めている人もいる」と言ってくれたから、この前、クドクドと話した甲斐があった。番組中、県外移住について言及があったのはこれだけだから。野党、議員立法はなかなか通らない。国会は立法機関かね? 今年 政権党になったら、原発を推進して来た責任をもって、子供の被曝対策だけでなくあらゆる補償をキチンとして貰うし、こちらもそこを詰める。

 この福島では、汚染・被曝がどうでも地元に残ってやってゆくという者は格好イイとされて、子供連れだろうが非難は受けず、他方、福島を離れようとする者は軽々しく非難の声を受ける。テレビのコメントでも、安全側に走るビビリが如何に多いか。居残りを言う者は、長期の低線量被曝の問題や国の数々の隠蔽には無頓着。ハイリスク物質の飛散の実態を追及するでもない。どいつも雑。頭から居残りを言う者は理屈ではないから議論をしても始まらない。誰しも色んな問題を抱えて、我が家も例外ではないが、健康・生命と取り引きしますかね?
 それどころか、移住・疎開には県も市町村も全く協力をしない。やる気がない。公務員は税金が減って行けば身が危うくなる。単なる業界エゴ。広野町は高齢者ばかり戻っても支えられないので、その下の世代を戻そうというのか、広野幼稚園から除染を始めた。これでは、戻る者はあるものの、地域として行き詰まり、多くの住民が国・東電からの補償を得ないまま町を去ることになる。町が先の非協力の言い訳にしているコミュニティもバラバラになるのだが。地域の復興のことばかりで住民らの成り行きを考えていないから、こちらもそちこちでクドクド説くことになる。その内、どこが悪いここが悪いという者も目立って来る。その経済負担をどうするつもりか! 皆、一度、以前の生活に戻ってみて、そこで生活の限界や異変を感じてみないと分からないようだ。

 「朝生」では肝心の放射性核種の議論をやらない。始めからそうなっていたフシ。郡山市の開成山大神宮の初詣風景を中継したり、住み続けても問題なさそうな印象づくりに貢献。司会の田原 総一朗 氏は現実の問題に対して物事 白黒を付けるということを知らないし、ああいう偏屈な人は好きではない。
 土壌汚染濃度から年間被曝線量を求めるのも、IAEA[国際原子力機関]なりの係数を使って強弁したら、地球のどこにだって住めることになり兼ねない。居住不可の範囲を極力 小さくするように国に働きかけている被害無視の連中がいるから、国もバカな基準を出して来る。
 今、足元の空間線量が0.1μSv/h を超える場所、即ち、これまでの倍の数値の場所には暮らせない。

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