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USA大統領への各党の予備選挙、民主党はこちらの占ではヒラリー=クリントン(60)が勝ち残るかな、と。他方、共和党はジョン=マケイン(71)が党内での指名を確実にしている。それではやってみますか。
互卦【水山蹇】||で、進みたくても足萎えにて進めない。その理由は選挙資金が尽きることかな? この【火地晉】の五爻を得たのだから、従来の三変筮法の読みなら十人が十人ヒラリーは当選すると見るだろうが、違うだろう。 尚、之卦の爻辞も吉意。だから、之卦の爻は採れないわけで。 (後記:この頃は[規則 2007]に忠実にやっている)
【水地比】はこの場合 本卦の状態からの成り行きであり、7【地水師】|の長かった戦争がようやく終わって人と人が比(シタ)しむ時。水が土に浸透する如く。この卦も君と民との関係で説明され、【水地比】|は天下の人々が五爻の一人の君主を仰ぎなついている象だ。天下統一の卦。戦乱の世の苦渋を堪え忍び、競争を勝ち抜き、人心を集めて江戸幕府の基礎を築いた徳川 家康にしばしば例えられる卦。最後にマケインが君の地位に残ったというわけだ。 前稿「ヒラリーが逆転で予備選挙を制する?」で書いた通り、ヒラリーの方の読みに訂正を要す。 本選挙の戦いで、マケインは君子ではなかった。劣勢に立つと、ネガティヴ キャンペーンに走った。爻辞の通り、君子に非ず咎を受けた。 |
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さて、2000/11 から4ヵ月間 2000−2036 年の出来事などをUSAのBBSに書いて話題になった未来人ジョン=タイターなる人物は 2009 年にUSA初の女性大統領が誕生する、としている。21世紀の世が開けて今の crazy ブッシュが就任演説をした頃、ヒラリー=クリントン(60)は“次”を醸していたっけ? そんな“先行発表”があるなら、バラク=オバマ(46)との民主党予備選挙の帰趨を易の上でも確かめたいもの。メガ チューズデー(2/ 5、民主党は22州で選挙)でヒラリーが大票田のカリフォルニア州などを抑えてオバマを僅かにリードしたことが明らかになった 2/ 6、これを問うてみた。
初爻、龍はまだ地に潜んで天に昇る時を待っている状態で、爻辭「用ひらるる勿れ」で、今回はダメ。晉の干 宝はこの初爻の辞を周代の文王が羑里に囚われている時のことを述べた句、と見ている。 この占の主意である【乾爲天】は問いに相応しく【乾】の【乾】で公も公の職を示す、正に大統領を象る卦。全陽なので画象から【乾】で力強く進み来て党の全ての意思を占める、と取れる。 それと、4年後に予備選挙を制する、では問いに対してスッキリしない。 或いは、「飛龍 天に在り」の五爻にあたる4ヵ月後の6月にヒラリーは民主党の大統領指名候補者に決まる、とも読める。 ヒラリーはメガ チューズデーの後は党員集会・予備選挙で9連敗して、獲得代議員数も逆転されて、その差は開くばかり。選挙資金も枯渇してもう瀬戸際と報じられている・・・ここから本当に逆転するかな? 伏卦【天風姤】で、人気獲得の上手いオバマと出くわしてしまって、大勢の決着が終盤までもつれることになるわけだ。党の指名候補者が正式に決定される夏の党の全国大会の前ぐらいになるかな。この占では【天風姤】は【乾爲天】の周辺状況に過ぎず、主意は【乾爲天】にあり、となるやら。
【山天大畜】は大いに票を集める意味だし、裏の錯卦【澤地萃】||はオバマ支持に人・物あらゆるものが糾合していることを示している。強いのだ。だが、この場合の【山天大畜】は、初爻であり、爻辞「已むに利あり」からしても“畜止”。成り行きを示す之卦が【山風蠱】だから、残念ながら行き行きて破れが待っている・・・。【山風蠱】だから何か腐敗・スキャンダルごとが露わになる? この爻の意味もまたヒラリーに示された【乾爲天】初爻とよく似ていて、進んで為すことあらんとしながら、結局はまだその時ではない。爻辞の通り、そもそも打って出る時ではなかったのに出てしまった。互卦 54【雷澤歸妹】|||の顛倒齟齬を蔵している。 つまり、両者、爻辞ではどちらもダメと出て優劣がつかない。画象を採る。 3/ 4、オハイオ、テキサス、ロードアイランド、バーモント4州の予備選挙が投開票され、焦点だった大票田のオハイオ・テキサス両州でヒラリー=クリントンがバラク=オバマに勝利した。ヒラリーはこのいずれかの大票田を落とせば敗北が決定的だったし、また、ヒラリーの票田とされて来たテキサス州の事前調査ではどちらに転んでもおかしくなかったからちょっとヒヤヒヤ。ヒラリーはロード アイランド州でも勝利し、オバマはバーモント州を制した。ヒラリーの復活。CNNによれば、獲得代議員はオバマが 1,477 人、クリントンが 1,391 人。ただ、テキサス州では党員集会での投票で最終結果が決まる。それから、代議員の数はまだ 600 人あまりも残しているが、この状況ではどちらも党の過半数の 2,025 人には達しない。そのため、800 人いる特別代議員の投票が雌雄を決し、こちらではヒラリーがリードしていると観測されている。全体では拮抗状態。 また、共和党はジョン=マケインが4州で完勝し、過半数の代議員を獲得して、党での指名が確定した。マイク=ハッカビー前アーカンソー州知事(52)は選挙戦からの撤退を表明。 あら、まるでボケていた。ヒラリーの占、来卦から本卦への推移に加えて、爻位による推移まで、二重に時の動きを読んでいた。占法をあれこれ使い散らかしているからこうなる。当然、爻位の方は採らない(この占は来卦から本卦への推移だから課題を残すが)。辞「飛龍 天に在り」の五爻にあたる4ヵ月後の〜はなし。 もう一つ。ヒラリーとオバマの画象による比較について。共に本卦を比べたが、ヒラリーのは来卦から推移して来ているのに対して、オバマのはその先 之卦へ変化する。この方向の異なる本卦同士を比較すること是か非か、以前からぽんやり疑問にあって、それであらためて過去の占を見返してみた。結論を言うと、一つの選挙のような共通のイベントおいてそれが是と確信できる事例が見当たらないことと、占例数が乏しい。この比較の形が是か非かの結論は保留だが、比較占に類した形の上に確証的な例が一つもないでは危険。読みが雑だった。 比較をなしとすると、勢いそれぞれの卦の変化がポイントになる。時制を定かにしなくてはならない。一番に引っ掛かるのはオバマの占に之卦の“先”があること。本卦【山天大畜】をここで予備選挙での「畜止」と採ると、その先の【山風蠱】が何に当たるの?と。撤退後に醜聞でも発覚するのかと思ったが、占的からして弱い。つまり、【山天大畜】は「大量得票」だけの意味で、続く【山風蠱】は本選挙の行方が示されたものでは・・・その読みに大きく傾いている。初筮というものは最終結論から来るものだ。その【山風蠱】も「腐敗の建て直し」なんてことではないだろう。 すると、他方、ヒラリーの占は爻を使った時間の推移もなく、本卦【乾爲天】は「柔の剛に遇う」の【天風姤】から来ていて、何と言っても、爻辞の「用い(られ)ること勿れ」・・・。普通に爻辞を採る。何れにしてもヒラリーが最終勝者にならないだろうことは先の占の通り。ヒラリーの占は来卦からの推移・・・ん〜、4年後、あるかも。 2009 年に就任するUSA大統領、予知夢のジュセリーノは元副大統領のアル=ゴアとしたが、これは出馬をしなかった。また、2037 年からやって来たとするジョン=タイターはあちらの世界線(timeline)では初の女性大統領が誕生としたが、こちらの世界ではそうならないだろう。 というわけで、ヒラリー劣勢の状況で判断に訂正を入れるのは気が咎めるが、結論はこうなる。 オバマの占は腑に落ちない。大票を得て“父の跡を継ぐ”か・・・自分の占例を含めてそんな順境になる例は初めて。 |
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