右翼の着ぐるみ、石原 慎太郎

石原 慎太郎のラスト ゲーム2
2012/10/30(改 11/ 5)、2020/10/ 1
占 題
 石原 慎太郎 氏はいづれ首相になるか(10/30)

三 遍 筮 法
本 卦

63 水火旣濟
伏卦 5 水天需
互卦 64 火水未濟
錯卦 64 火水未濟
綜卦 64 火水未濟
 六二、婦(ツマ)其の茀(フツ = 女の車の蔽い)を喪(ウシナ)ふ。逐(オ)ふ勿れ。七日にして得ん。
 象に曰く、七日にして得んとは、中道を以て也。
 
 済(トトノ)う。陰陽 相応ずる九五の爻辞の牛を殺す「東鄰」とはこの九五のことで、六二の「西鄰」の「禴祭」、即ち、大阪都構想の府・市の合理化に如かず。
 錯卦【火水未濟】|||(← 左を上に。以下 同じ)で、現在状況は未だ濟(トトノ)わず。【水天需】||||が伏していて、今、スタンバイ状態。
 その時は、九五の時、即ち、年明けの1月末から前後に半月の間ぐらい。六二の【旣濟】中の【未濟】が【旣濟】中の【旣濟】に君位に。
 ただ、そんな理屈をかっ飛ばせば、普通に得卦で判断して、【旣濟】中の内卦【未濟】、ない。

 この占では氏の気運を質したものの、ライバルとの勝ち負けの性質を含んでいて示されようが変わり兼ねないので、あくまで単純成否を質すと共に、彼の都知事再選の時の占他の首相就任の占のような爻辞読みを避けて、それを離れた実占的な判断が要る。
 選挙占では【水火旣濟】・【火水未濟】がよく示される。濟(ナ)る・濟らない。今回のように一者について一筮してそれで終わりとする場合と、複数者の比較としてやる場合(当初 念頭になかった対立候補も観てみようとあとで追加する場合もこちら)とでは、サンプル数として十分とは言えないが、前者に目立つ。後者は明らかに示され方が違う。
 数者の候補の中で一者が席を占める占で【水火旣濟】・【火水未濟】を得た場合にはやはり過去占をよく見ないと。呑象・燗 嘉右衛門 翁の手持ちの39年版「増補 燗易斷」には【水火旣濟】に関して爻による推移を観ている例がなく、こちらも未整理ながら占例を纏めた資料を津波で流してしまった。今、諸々を再建中。



結 果
 現役を退き、齢80を過ぎて認知症になっている石原 慎太郎の首相就任はなし。的占



石原 慎太郎のラスト ゲーム
2012/10/29
●石原 慎太郎 氏は新党構想如何(1/27)
 45【澤地萃】||六二

 「石原新党」いよいよ結党に動くか、と観測が流れて一筮。
 萃(アツ)まる。爻辞「引けば吉にして、咎(トガ)无(ナ)し。孚(マコト)あれば乃ち禴(ヤク)を用ふるに利(ヨロ)し」で、顧問をやっている初六の たちあがれ日本や六三のグループを率いて禴(= 薄祭)の小党・連合をやろうという気運にある。
 これは初筮なので成り行きとして無視できない。
 その後、下り坂を転がっている国民新党の亀井 静香が5月中旬に石原新党を立ち上げると突如ブチ上げたので、また同様の占をやると(4/ 8)、33【天山遯】||||(← 左を上に。以下 同じ)上九と来た。「肥(ユタ)かに遯す」で、これは近くストーンと立ち消えになるぞ、と思ったら、4/12、石原 氏、USAに遊説に行く成田空港で「一回 仕切り直しする。白紙に戻す」と言ってしまった。まことに占示の通り。的占。
 これは亀井が独りでペラペラとやり過ぎてマイナス ムードにしたのと、衆議院の解散もなかなか見通しが立たないためだろう。ただ、あとで思えば、USAで都が尖閣諸島を買うとブチ上げたのは国政復帰用のハク付けとして用意していたのだろうし、石原 氏、新党についてやっぱりやる気はあるんだワイ、と。


●石原 慎太郎 氏は今の都知事の任期を全うするか(1/29)
 21【火雷噬嗑】|||上九

 辞職する。しかも、上爻により年内から来年の前半ぐらいまでに。
 先哲に諸説あっても、この上九は刑罰を受ける側。爻辞「校(クビカセ)を何(ニナ)ひて耳を滅(ヤブ)る。凶」で、耳を塞がれるような首カセを受けている様。即ち、耳が悪い= 言うことを聞かない、そして、(自ら)クビの意。
 結果は、10/25 に辞意を表明。キレイに的占。毎度これぐらい端的明瞭な示され方だとありがたい。

 さて、これからのこと。


●都知事を辞して国政に再び臨む石原 慎太郎 氏の勢力如何(10/26)
 15【地山謙】|六五

 卦は都知事の座から降りて平民になった様。これまでは 39【水山蹇】||で動こうも動けなかった。
 そうして大きく踏み切ると、「富めりとせずして其の鄰[六四・上六]と以(トモ)にす」の爻辞の通り、第三極の結集を目指して国政に臨むが、パッとせず、隣の六四・上六のみんなの党や日本維新の会その他との連携に努める。困難にある者を憐れんで救ふの意もあったり。爻辞「用て侵伐するに利(ヨロ)し。利しからざる无し」。「象 伝」は「服せざるを征する也」で、まことに勇ましくて、悪くない。
 但し、これはこの卦の【謙】に過ぎて下手・妥協に流れるキライがあって、強く果断に進むことが支持拡大の条件。“橋下 徹”になってしまうと力を失う。


●実際、石原 慎太郎 氏は第三極をよく結集できるか(10/28)
 49【澤火革】||||初九

 伏卦 31【澤山咸】|||の皆の共感あり、ここに、バラバラ状態のマシな党派を纏めて大きな勢力にしよう、霞ヶ関改革をやろうとする。爻辞「鞏(カタ)むるに黃牛の革を用ふ」で、今は足場を固結する時。日本維新の会などの比する六二の力をアテにするところあり。
 今は為す所 成らずだが、三爻先に大変革の時あり。早ければあと2ヵ月半。それまで九三の爻辞「革言 三たび就れば、孚 有り」で、組むべき党派とよく大同の方針や政策の擦り合わせを詰め、少し間が空きそうなので日本維新の会のように正味切れにならずに期待を堅持できれば、これは上手くゆく。
 この人は、例えば、原発推進を言っていても、記者に道理を吐いて脱原発にも変われる。そういう特異な柔軟性があるから、政策の違いは割とどうにでもなる。小理屈を並べて連携は無理と言う評論家の類にはアクビが出る。大目的がある時、勢いあれば、右も左もない。

 政治の行方を読むのは厄介。どうしても政局を読むことになり、すると、都度々々の筮は似たようになって再筮の性格が強くなり、その時々の状態が示されがちになるか、或いは、卦を得ない。
 だから、こういう中央参戦のような予期せざるサプライズが入ると、それまで成り行きと断じていた展開が全く変わる。例えば、東日本大地震がなかったら、菅 直人 政権は、在日韓国人から韓国籍と知りつつ政治献金を受け取っていた件で、43【澤天夬】|||||上六ほかにより、遅くとも昨年4月には終わっていた筈。



結 果
 



都知事 石原 慎太郎 氏の去就
2011/ 1/23、2/ 9、2/15、3/11、2012/10/25
 都知事の石原 慎太郎 氏(78)。
 正直 言って、昔は、口先で人の気を衒ってばかりの、違和感そのもののニーチャンだった。内より湧き出でる拠り所がないが、思想信条のカッコウは付けたい、で “右翼”をまとったエセのようだった。エセに対しては殊の外うるさい朝日新聞の本多 勝一 氏には、ことある毎に、身の置き所もないほどに切り刻まれていた。もしこちらを毒舌と言うのであれば、本多 氏は「サリン舌」と言うべきそれはキツイ御仁だが。

石原 慎太郎
  「二重顎だから晩年は良い」と八木喜三朗 先生が昔 書いていた。
 
 しかし、大正生まれ以前の真っ当な人達が次々と鬼籍に入ってしまって、時代が移ってゆくと、こんな石原 氏でさえ、現状分析の才や自己イメージ作りの巧さに恵まれて、何だかまともな部類に映るようになった。日本人のものを観る眼がどれだけ退化したか、の証左だ。ものを言わない、考えない、ただお金を追うことしかないから、こんなお笑いの様になった。お金の方を向くことに皆がどこか罪悪感さえ持っていた、人々の襟元に清いものがあった頃の日本が愛しい。
 勿論、この人も変わったし、ものを視る眼はこの年齢にして益々 確かだ。イギリスの歴史学者アーノルド=トインビーを「あんなもの、大したことはないですよ。江戸は当時は世界に冠たる大都市だったんだから」と言っていたが、スペインの思想家オルテガ=イ=ガセドがトインビーを「所詮、(上っ面しか観ていない)旅行者だ」と軽く切り捨てていたのを思い出した。こういう確かな眼を持っているから、あとは行動があれば政治は光る。政治家に必要なのは結果だから、その意味では向いていた人。大衆の扇動は上手かった。

 その石原 氏、本日のテレビ朝日の「サンデー・フロントライン」に出演して、長く知事をやるのは良くないと言い、望むべき後継者の在り方の話をしたり、しかし、4選となる再出馬の可能性を否定していない。告示日までには態度を決める、とのこと。
 当落を占うのはやめておこう。妙な易理が働くことになるA者・B者・C者・・・と卦を並べるやり方でなくても、勝ち負けの占に限っては、当たる場合には爻辞にも沿って細部まで実に見事に合致するが、そうでなければまるで意味不明の結果となる。繰り返しここで書いて来た。占も研究のためのデータ集めでしかない。
 そもそも卜筮はそれを頭から是として行うのでなければ、易を掌る御神靈なるものに対して背信というものだ。示された卦・爻にも疑いを持つことになって、堂々と読むことが出来ない。宜しくない。

 それと、東国原 英夫の選挙占でチョロッと書いたものをこちらに引き取ります:
 「4年前、石原 氏の当選如何を質して 63【水火旣濟】|||(← 左を上に。以下 同じ)上爻を得たのをどこかで見掛けた。卦は済(トトノ)うだが、今やその極みを得て、爻辞は「其首(コウベ)を濡らす。qし」で、可能性は微塵もない。しかし、結果は3選を果たした。これで打ち止めというなら【水火旣濟】の時の終わりであって、当選と採るだろうが。
 こちらも選挙等の占で【水火旣濟】上爻を得たことが何度かあるが、何れも、当選しても、次回は落選するか、あるいは、次の出馬はない


占 題
 石原 慎太郎 氏は来たる都知事選挙に出馬するか

三 遍 筮 法
本 卦

64 火水未濟
伏卦 40 雷水解
互卦 63 水火旣濟
錯卦 63 水火旣濟
綜卦 63 水火旣濟
 上九、酒を飮むに孚(マコト)有り[孚 有り于(ココ)に酒を飮む]。咎(トガ)无(ナ)し。其の首(コウベ)を濡らせば、孚 有れども是を失ふ。
 象に曰く、酒を飮みて首を濡らすとは、(節するを知らざることが色々あるがこれも)亦 節することを知らざる也。
 
 面白い。今回は裏の【火水未濟】上爻。それなら、結局、出馬はしないのではないかな。
 この上爻には解くの意の【雷水解】が伏して、陽爻にして陰の位に居る。爻辞は、悠然と酒でも呑んで自適しておれ、しかし、呑み過ぎて頭までズブ濡れにはなるな、自分としての是非を失うな、と。「象 伝」も、己が節度を知れ、と云っている。
 錯卦や互卦に【水火旣濟】の完成があるが、この上爻は自分としてやるべき大きな仕事はもうない。ここに執着を捨て去るべきことを観る。
 爻辞はここでの態度についてifを書いているが、云うところは、これにて身を退くのが賢明、と。今回は事の成否を質したのだから、出馬はしない、とするのが穏当だろう。適当な過去の占例が見当たらない。
 しかし、もし出馬すれば、当選は固い。だが、そうなったら、この爻意からして、その4年の間には今度は何か失政か、途中辞任か、一身上 宜しくないことが待っている筈だ。

 まあ、この人も戦後日本のお茶の間の一つの絵だった人だから、ノスタルジーを感じないでもない。

 また、この上爻で面白いのは、この卦は上爻に至って今や【水火旣濟】に変わらんとする時である、などとは説いていないこと。【火水未濟】は五爻で既に【水火旣濟】の情態になったとしている。



 報道によれば、ワタミの会長の渡邉 渡辺 美樹さんが都知事選挙に出馬を検討とのこと。
 39【水山蹇】||三爻。

 爻辞「九三、往けば蹇(ナヤ)み、來(キタ)れば反(カエ)る」
 象伝「象に曰く、往けば蹇み來れば反るとは、内、之を喜ぶ也」
 これなら出馬はしないだろう。内卦【艮】止の主爻。出馬しないことで「象 伝」の「内」、即ち、ワタミの社員らはホッと胸を撫で下ろす。



結 果
 渡邉 美樹さんは出馬するとのこと。
 どうしてそうなるかね。爻辞「來れば」で、外から、政党から担ぐ話でもあったならそんな解釈も可能だが、みんなの党からの推薦はない、とのことだった。物ごとの成否を質したのだから、この卦・爻は、止まって進まない、引き返す象を素直に採るところ。真逆の結果だ。これで、無所属で出馬ということだったら、何か見えないところの事情なりが前面に示されたものか、気の入っていない不応卦か。勝ち負けの占の性格を帯びてしまったか。
 いずれにしても、この人の当選はない。



結 果
 3/11、石原 氏は不出馬を決めていたのを翻意した。

 【火水未濟】上爻で出馬か。こういう出るか出ないかといった類の占で、出るとなった例は初めてかな。爻象としてもこの結果は出て来ない。これまた勝ち負けの占の類か・・・。ただ、五爻で【水火旣濟】を観ないといけないのだな。



 2012/10/25 の本日、石原 氏は、期日未定の衆議院選挙に出るべく、都知事の職を突然 辞した。
 上の占はやはり勝ち負けの占として捉えるべきだろう。通常の判断の逆となる例ばかり。



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