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朝青龍も小沢 一郎 氏も、引退・辞任のゴールに向かって猛烈に追い立てるスポーツ紙やワイド ショーのヒステリーの犠牲者である。新聞離れ・テレビ離れにつき、過剰なことをやって客の引き付けんとする連中の餌食。 ただのゲンコツ問題など、示談も成ったら、内輪で収めればいいし、マスコミが「前科・前科」というなら現役力士全員の前科を洗って並べてみることだ。かと言えば、場所中の未明の飲酒についてはそれでも優勝したから口実ない、追求しない。マイナス材料を探し出し、口実を立てて寄って集って倒すまで叩いて、一人の人間をスポイルするテレビを筆頭とする巨大マスコミ。一体どっちが犯罪者か? 日本相撲協会の理事諸氏、外野が騒いだら判決がドンドン変わるこの判事ぶりの何が信用できる?! この理事一人一人にマイクを突きつけて“横綱の品格”とやらを聞いてみたいものだ。 新理事になった貴乃花みたいな重々しげな装いが“品格”? いつ何を聞かれても、茫漠・無内容な小学生並の応えしか出来ない、上昇志向だけの部類だが(森田 健作・ディエゴ=マラドーナ・・・)。横綱の条件「心技体」に「智」も加えんか。 やく みつるが品格を語る? 有名人の使った割り箸やらタバコの吸い殻やら、棄てた先から拾ってコレクションしている御仁だが。 今や消滅して想像さえ難しい双葉山的な理想像を、異文化で生まれ育った外国人力士に被せて測る滑稽、と言ったらない。幕内上位の過半数が外国人の international の状態で、高砂親方は朝青龍に対して“高見山”を求めずに天性をまっすぐ伸ばすことをよしとしたし、他方、相撲協会はモンゴル人の気風を棄てない男を横綱に推したわけだ。多少のはみ出しは折り込み済みで然るべきを、批判を止めたいだけから引退を迫った理事会はド田舎議会もいいところだ。 最も重要な点で、どの分野でもそうだが、日本社会は革命者を嫌う。閉塞状況を破って、新しいフィールドと前進の活力をもたらす者を摘んでしまう。小さい理屈を並べて、皆して潰してしまう。上の例では、品格に喧しい狭っこい連中。よって、大きなブレークがなかなか起こらない。 おそらく、この自分もそれをやっている・・・。
咎が有るか無いかを聞きたいところに、爻辭には「害に交ることなし、匪咎、无咎」の判断辞が示されている。卦は「大いに有(タモ)つ」の【火天大有】。 ところが、歴代単独3位の25回優勝・最多7場所連続優勝の実績を上げたこの大いに有つ者に対してこの卦が出たとなると、読み筋は違って来る。【火天大有】には、仁田 丸久 氏の表現を借りれば「豪華絢爛に咲き誇っている大樹が唸りを立てて倒れて行く」・・・そういった卦象がある。大いに有てる者、あるいは、全く有たざる者に対して【火天大有】が示された場合には、この倒木あるいは「有つ」ということの観卦でもって、且つ、爻は爻位で程度数量を測る、という読み方を疑うことになる。 2年ちょっと前に祖母が亡くなり、「今、あちらで祖母はどんな心境でいるか」と一筮して、この卦の上爻を得た。子供を8人もうけ、戦後 早くに寡婦となり、96歳で逝った明治女の大往生の姿である。それと、数日間も気の毒な肺炎の壮絶な呼吸困難に苦しんで亡くなったが、上爻につき、有(モ)ち過ぎ = 待たされ過ぎで、「まったく長かったな」といったところ。【火天大有】と爻位取りについては最近「青山 倫子 サン、2010 年の仕事の増減如何」にも書いた。 それで、どうもそっちだろうと思いながら、引退如何を占的にして、再び質してみた。
この「復る」は大相撲の世界に入る以前の状態に復る。伏卦【坤爲地】のモンゴルの大草原の地に復るのだ。【火天大有】で言うと、何も有たざる初九の状態になる。この復り方はこういう性格の占事では繰り返し経験している。引退が決まるまで初九から上六までの6日前後だね、と身内には言っておいた。 それから、朝青龍は引退して大相撲を離れても、19【地澤臨】||→ 11【地天泰】|||と再び大いに花 開ける人生が待っているだろう、と。おそらく、日本においてではなく、【坤爲地】のモンゴルの地で陽が伸びて行く。 確認に、彼我を変えて、「日本相撲協会の理事会は朝青龍をどう処分するか」の占的で再び質せば、47【澤水困】|||初六。 決まりだ。内卦【坎】難の底。爻辭は、座れる場所とてなく、幽谷に消えて行く、の処分というのである。 果たして、朝青龍は引退に追い込まれ、筮から7日目の 2/ 4 発表となった。敢えて1日をズレとするなら、序卦となる 25【天雷无妄】||||の初九「无妄なり。往けば吉なり」の方を引退日に取るべきだったか。无妄の孚に復る、のである。 大喝采を受けるヒーローはまた不況下の鬱積ばらしの的にもされる。ちから漲る傑作な一代力士だった。高砂親方「朝勝龍らしい引退だったね。ガッハッハ」、旧びた鋳型にはめず、素地を枉げずに伸ばして大成させたあなたは名伯楽。 警察が朝青龍を呼んで事情聴取かも知れぬ? 一昨年、吉本興業の女性社員を楽屋内で“半殺し”のめに遭わせた島田 紳介の件ではノー タッチだった筈だ。島田 紳介は女性が反抗的だとして、髪の毛を掴んで室内を引きづり廻して、泣き叫ぶ女性を壁に押し付けて気が済むまで殴る蹴るしており、島田本人も認めている(被告となっている民事裁判では計算ずくをやっているようだが)。これに触れたワイド ショーなりのコメンテイターがいたか? 「麻布署は朝青龍の出国を止めなかった」の「法律が犯されている」のと勇ましい勝谷 誠也のごときも御身大事でいた。 叩いていい者は叩く、己が罪は隠す、語らず、これが今の巨大マスコミとその眷属の普通の風景。 |
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