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鑑定例を書くのは久し振り。鑑定でやり取りしてもそのままになることが殆どということと、あとで成り行きを窺うのも気が引ける。たまに同様の性格の占例がある時に、どなたかなどは伏せて、絡めて書いていたり。 下、ご要望等により幾つかの角度から徹底して筮を執って、確認の占も執って、現状と成り行きと事の進め方を浮かび上がらせた恋愛占をご紹介。依頼の内容としてはよくあるパターン。
男としてボンクラではいかんだろうと。 尚、一時の浮気・継続的な不倫に関するデータでは、現在進行形で不倫している男性は26.9%、女性は16.3%。一生の間の不倫経験率は男性は74.0%、女性は29.6%。NHK「日本人の性行動・性意識」、相模ゴム工業「ニッポンのセックス」による。 以下の掲載の順序は、実際の執筮の通りではなく、確認のためにあとから執った筮が加わっている。
Bさんの離婚前の交際なら不倫を問うことにもなるが、AさんもBさんの離婚周りのことについては承知していない。また、不倫を悪しきことと決め付けるのは早計で、多くは夫婦間に問題を抱えているなど事情は様々だし、不倫で新しい命が誕生することもある。“易神さま” はこんなことでは善だ悪だとして関知しない。
定卦主の九五に当たるAさんと、内卦【坤】の “民衆” ・ “女性” に直に接してより多く信用の萃まる九四のBさんの夫が並び立つ。 なので、九五の応位の六二に当たるだろうBさんにとっては、Aさんは思いの他キープ君のポジションにあるだろう。Aさんが感じる以上にBさんはAさんのことを意識しているかも知れない。意識していなければ、この占的でこの示され方はない。Aさんが努めれば、交際もあり得るだろう。 九五を陰変すると【雷地豫】|(← 左を上に。以下 同じ)で、豫(タノシ)む、気が緩む、怠る。【震】が【坤】地の上に出て来て、調子づく画。要注意。禁断の不倫の匂いがする。 Bさんももし離婚が頭にあるなら、次の人を描いていてもおかしくない。 ちなみに、AさんもBさんも血液型はA型とのこと。A型は男女ともに次の人との関係がまま被ることは故・能見 正比古 先生が指摘していたが、実際 離婚しても一両年ほどで結婚というケースが目に付く。 尚、この卦の彖辭は「豫(ヨ)は侯(キミ)を建て師(イクサ)を行(ヤ)るに利し」。勝負に出る象あり。 ただ、占題の来年も、Bさんが頼ったり日常生活といったことではまだ九四の夫との関係がより大きい筈。九四を陰変すると8【水地比】|で、比(シタ)しむ。ニュー ボーイと比べられる身。 よって、この後の占とも関係するが、Aさんは既に頑張りどころ。象傳「志 未だ光いならざる也」とあるのはそこが求められる。
しかし、AさんはBさんとは何年も同じ職場にいるが、関係が更に一段二段 深まるイメージが湧かないと言う。あちらの性格なのか、ずっと一定の距離感があるようだ。確認に一筮。
この卦の睽(ソム)くと言うか、AさんはBさんとは心理的な距離のある関係だったが、傷心の彼女に意識して近づいてみることで、爻辭「交 孚あり」。この爻は少なくても一時はそんな機会がある筈。「孚」は、上の占の爻辭にもあったが、そもそもの俘虜の意味が被る。とりこ。 卦も、外卦【離】の “美女” に、内卦【兌】で “話し掛ける” 様。 ただ、初九から相背いて離れるようになり、外卦では互いに和順に向かうと言っても、九四はその入り口。他の爻と違って応位の初九とは陽爻同士の不応で、陽爻でも陰位に居て、まだ立場が弱い。 それが次の六五に至ると、発展が期待できる。象傳「厥(ソ)の宗[九二]膚[六五]を噬むとは、(九二へ)往きて慶び有る也」。その陰陽 相応ずる九二は爻辭「主[六五]に巷(= 路が隅々まで行き届いている所)に遇ふ(= 期せずして会う)。咎 无し」。好い感じ。関係が深まることになる何かきっかけがあるかも知れない。実際の様子からすると、占時の翌年。 兎に角、宜しき占示を得ても、その意味することと現実と、よく考えながら行動に移さなければ、好運も水疱に帰する。
続いて、お相手の内情を探る。 これは占事が結婚後と交際中の違いはあるが、2015 年の浅田 舞さんの結婚占で書いた卦読みが使えるので、まずご参照を。 また、この占以下の占事・占的は現在。
六二を陽変すると【地天泰】|||で、【坤】の “女” が上、【乾】の “男” が下…男性があちらの方に熱心ではないのかな。 得卦も内卦のBさんが【離】で “火照って” いても、外卦【坤】の夫は “やる気なし” 。【坎】にならない。それで、子供が出来ない問題か。焦りの出る30代後半のBさんの年齢を考え合わせると、不和の理由はその辺りかも知れない。 この爻辭は3人の関係性と物ごとのプロセスが示されている。 まず、六二の応位の六五の「左股」という自分には重要ではない方、即ち、夫を誅(ソコナ)ふ。その時期は外卦【坤】に移る1年ちょい先か、次の六四の爻辭「明夷の心を獲て、于(ユ)きて門庭を出づ」を採って遅くとも2年と後に半年ほど。ここでBさんが現実を悟り、今の住まいを去って、(実質)離婚となることを察する。 この六二の意味するところは本来は、下手な殺し方、殺し損ね、理想とする決着を欠く様、とも云う。 次に、その間には傷心の彼女を拯ふ「壯んなる馬」が現れれば良し、と。現れるタイミングは離婚後かも知れないし、その前からの交際になるかも知れない。兎も角、その馬がAさんであれば宜しい。
占的を先にずらして、確認の占。
まさに感情を表す卦で、この卦は爻を上るに従って内なる咸応が消えてゆき、上六では口舌だけになる。恋は足先から消えるらしい。相手に対して脚が重くなる。 「咸股」の九三。浮気の象。ここではBさんは夫への気持ちがフラついていて、既に関心が外へ向いている様子が拾える。 九三を陰変すると【澤地萃】||で、九四の夫の他に九五の男が1人なのか、(気持ちの)浮気相手の存在がそこに示されたものか、その存在が九三の言動の裏にある。夫は既に九五の位地かも知れない。 次の九四は、九三との間の川を渡り、また一歩 気持ちが後退して、目は先に移る。 爻辭「貞(タダ)しければ吉にして悔 亡ぶ。憧憧(= 心 定まらぬ様)として往來すれば、朋[初六]爾[九四](ナンジ)の思ひに從ふ」で、まず、ここでBさんの夫との間での迷いと、実質的な破綻が窺える。やはり、次の年かな。 九四は伏卦 39【水山蹇】||で、夫との関係を前に進めたくても進めない事情がそこに潜む。2【坤爲地】の【大坤】中の三〜五爻の互体【離】、六四はその主爻で、やはり子供のことがあるかな。 次に、そこに九四と陰陽 相応ずる初六の「朋」がやって来て、意気投合…。すぐ上の占の展開とよく重なる。
今度は関係の俯瞰ではなくて、Bさんの脳裏を質す。
では、この卦をもってどういうことが示されているか、九四を見る。 まず、この爻辭でも3人の関係性と物ごとのプロセスが示されていて、九四の「而」のBさんと下に比する六三の「拇」の腐れ縁の夫あり。共に爻と位の陰陽が合わない不正。他の占でも同様だが、Bさんの方に強く振れる気持ちがある。で、象傳も併せると、Bさんはこの未だ正当な位地にない相手を解き去れ、と云う。即ち、離婚せよ、と。 そして、その関係を解く前後、ここでも陰陽 相応ずる初六か同じ陽爻の九二の「朋」がやって来るので、これがBさんが孚を結ぶ相手だ、と。 以上はすぐ上の占の展開によく付合する。その「朋」がAさんであれば宜しい。 次の六五になると、ここはどの爻がどの爻を使って等については諸説あるが、艱難を解くと小子が退く、と。Bさんの関心がAさんに移る。ただ、それまでにAさんが努めるべきを努めていることが条件。 尚、この九四の「朋」を九四と同じ陽爻の九二に当てるという先哲の説だが、初六の象傳には応か比かで「剛[九四? 九二?]柔[初六]の際(マジワリ = 交際)」とある。あとに出で来る九二の爻辭を見ても、九二を採るのはどうだか。
占的を多少 具体化して、結婚相手としてもボンヤリ考えたりしてもいるか、と。これまでのこと。
それと、勿論「小(スコ)しく過ごす」で、低空飛行の意味合い。考えていたよりも少なく得る。 この爻辭でもまた3人の関係性が描かれている。 要するに、この卦・爻は、爻辭で言うと、六二のBさんは、best の人の筈だった九四の「祖」の夫のもとを過ぎて、六五の「妣」のAさんと…ということも何とはなく考えたことはあるだろう、と。 或いは、BさんにとってAさんは、理想的な本命ではなくて滑り止め、今後の保険ぐらいのところで思われている。この「本命」とは夫の他にも誰かがいて、というワケではなくて。 もし何かしらの選択肢を質す占だと、却ってその方が結果良しになりそうだ、という判断になる。 六二を陽変すると【雷風恆】|||で、結婚が占示の背景にあることを見逃せない。 兎も角、Aさんのことは彼女の念頭にはあるようだから、本命となるように頑張ろうということ。 以上、ここまででも御神明と卦読みは矛盾なく一貫したものがあることが分かるだろう。
Bさんの候補は既に他にも居るのか、という疑念も質したいということで。
人物がたくさん登場…Bさんの頭の中には、下に比する初爻、上に比する六三(ドボンの夫?)、上六の「狐」も。六五も陰爻だが、九二のBさんと陰陽 相応ずる関係。つまり、彼女の目は四方に向いているだろう。 Bさんはこれらとの間の事を解決整理することになる。この中で、初六は容易くハンドル出来る。職場内ならAさんよりも上の立場かも知れない上六は解決されないままここまで来た国の特別会計のような爻で、応位の六三を排除。それらしき人物らは居るとのこと。 Bさんに当たる九二を陰変すると【雷地豫】|で、一番上の占でも伏卦のこの卦で「禁断の不倫の匂い」と書いたが、気持ちの弾みがあり、これらの課題の解決の過程には楽しみも気の緩みもあるだろう。美女の裏には色々あるのが普通なのです。 そして、爻辭には「黃矢[九二]を得」とある。これが六五だとこの占では彼女に最後に選ばれる人に当たるものとスンナリ理解されるのだが…。 九二は内卦【坎】の主爻であり、二〜四爻の互体【離】の一部で、色々なご説はあるが…今後の離婚の慰謝料のことかな。 易占をやっていると、先哲の御説には多々 疑問。今後じっくり取り組みたい。 【雷水解】九四を獲た上の上の「Bさんは先々のことでAさんが念頭にあるのか」の占を観て頂きたい。この九四のBさんから観た「朋」は九二か初六かだが、Bさんにとってはどちらも望ましいものらしい。
最後に、具体的な行動として、今、積極的に出るはどうか、と。
この卦は 49【澤火革】||||ほど急激にではないが、風化と云うように、物ごとの変化もまた意味する。特に九五では、爻辭の通り、旧習を改める所を書いている。 九五を陰変した【山風蠱】|||を観ても、二人の関わり方としてはやはりただ淡々と倦んでいたのだろう。2番目の占となる疑問の通りで。 なので、進退とすれば、積極的に出て上手くゆく。次の上九になると【巽】の “柔順” 極って、凶。 重卦なので、特に二度目のアタックは宜しいと判断されるところ。 但し、雜卦傳に「(隠れ)伏する也」とあるように、この卦はやり方として密やかに、特に序盤は丁寧に進める必要がある。そもそもが風の騒々しさのある卦。 爻辭からすると、初めは面白くないが、徐々に功を奏するようになる筈。 それには、チャンスに臨機応変に投ずること。行動しなければ始まらない。万事、ただ待ってばかりいて運が転がり込んで来るものか。 |
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