山 風 蠱

児玉 龍彦 先生の篤志を潰す動きを察す
2011/12/25、2012/ 1/ 1、2/ 1
児玉 龍彦
Nature's 10 − Ten people who mattered this year(12/21)

Tatsuhiko Kodama: Fukushima's gadfly
S. SHINDO
The emotional academic who challenged his government and took nuclear clean-up into his own hands.
By David Cyranoski
Tatsuhiko Kodama began his testimony calmly. But a few minutes into his speech before the Japanese parliament's health and welfare committee on 27 July, the biologist's tone grew sharp — and then downright angry — as he blasted the Japanese government for not accurately reporting the amount of radiation that had leaked from the Fukushima Daiichi nuclear power plant after the earthquake on 11 March. “This is clear negligence on the part of the government,” he shouted. “With 70,000 people wandering around, unable to go home, what is the government doing?”
The 16-minute rant has since been viewed around one million times on YouTube, and Kodama, who is head of the Radioisotope Center of the University of Tokyo, quickly became known as the 'emotional scientist' spokesman for the victims of the Fukushima disaster. Journalists and local governments sought his advice on how to deal with the ongoing nuclear crisis, and he helped local governments to initiate some evacuation and decontamination efforts — all while the central government dawdled.
“He's been a real driving force,” says Kaname Tajima, a ruling-party politician in charge of nuclear-disaster measures, who was stationed in Fukushima from June to September.
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Sitting in his office in October, Kodama quietly recounts what led to his impassioned rant. He says that the information breakdown started in the first days after the disaster, when the government decided not to release data from an ¥11-billion (US$141-million) system created to forecast how radiation spreads after a nuclear accident. The government claimed that because data were sparse, the system might cause unwarranted panic. That suggestion angers Kodama, who says that the Nuclear Safety Commission “should not be worried about confusion or panic. The specialist committee's major mistake was trying to act as politicians rather than scientists.” Without the simulation results, which turned out to match later reports of a plume of radiation stretching to the northwest of the plant, evacuees from one high-radiation area fled to another.
Ones to watch in 2012: Nature predicts next year’s newsmakers
Then, the Nuclear Safety Commission and the parliament bickered over whether safety levels should be set at 20 millisieverts or 1 millisievert, delaying decontamination efforts and further confusing citizens. “While these committees were arguing, the situation was getting worse and worse. That's another thing that makes me mad,” says Kodama.
The academic eventually got the government's ear. The week after his rant, Tajima visited him. The following week, Kodama met then prime minister Naoto Kan, and advised him to get more data from the worst-affected areas.
Kodama, who is responsible for the safe operation and maintenance of the University of Tokyo's 27 isotope facilities, was already advising local officials about contamination. In late May, he started working in Minamisoma, a coastal city with around 70,000 inhabitants that straddles the border of the 20-kilometre mandatory evacuation zone. On his counsel, the local government encouraged pregnant women and children, who face an increased risk from radiation exposure, to evacuate from those areas outside the exclusion zone that had elevated radiation. Later, such advisories became common in the wider affected region. Kodama also started emergency decontamination efforts in Minamisoma, teaching town administrators how to measure radiation and look for micro-hot-spots.
“You can't just measure, you have to look for the source,” says Yoshiaki Yokota, a member of the local school board whom Kodama taught. “Before he showed me, I knew nothing about radiation.”
Kodama's frustration continues. He says that the government is still not doing enough to help the victims, and he opposes plans to build a state-of-the-art ¥100-billion hospital in Fukushima city, arguing that support should be spread out more widely.
He also says that the government is still not releasing enough information. A ban on entry to the exclusion zone has kept scientists from sizing up the true situation in the area and has hampered the work of journalists. Kodama calls it a “censorship that is quite unusual in democratic countries”.
“The lesson from Chernobyl for the Japanese government is that there is so much psychological scarring, so we can never put too much information out there,” he adds.

 本題はここから。



 これは占としては、国の方と県の方と、少し状況が動いてから読んだ方が面白いかも知れない。



 4月に環境省の外局として原子力規制庁を発足させることが昨日 閣議決定した。初代長官には民間人を登用する方針、とのこと。
 そちらの道があったかと、児玉 先生がこの初代長官になるかを易に質すと、44【天風姤】|||||(← 左を上に。以下 同じ)九四。

 就任することはないだろう。象傳に「包(ツト)に魚 无(ナ)きの凶とは、民に遠ざかれば也」とある。
 この卦が示されたということは、候補者の一人に挙げられるが、九二の者にその座を持って行かれる。
 実際、先生には現場の方で振るって頂きたい。

 ちなみに、京都大学 原子炉実験所の小出 裕章 助教の就任を質すと、35【火地晉】||初六。
 こちらも、卦は良いが、「晉如摧如」だからないだろう。ご本人の希望もない筈。ただ、やがて40年の反原発の一貫した姿勢が報われるだろう何か慶事あり。



東電批判を始めた県内メディア ← 福島県が廃炉宣言
2011/12/20、12/21、12/28
 11/30、福島県知事の佐藤 雄平が県内の原子炉 全10基の廃炉を宣言した。認可の点から福島県で原発が再稼動することはないだろう。

 すると、日本テレビ系列の福島中央テレビまでがアナウンサーが東電批判を始め、被曝リスクを語り出した。こうまで掌を返して変わるものかね? セシウムの3倍も出ているテルルがヨウ素に壊変して、夏頃からノドがおかしいの訴えが出ていたのに、一切 扱わず。癌・白血病に直結するプルトニウムやストロンチウムの飛散の実態を問うことなど皆無。まともに安否の両論を語ることもない。除染の現場に東電の姿が全くない、と言うが、今頃ですかい?
 NHK福島を始め、この県内の新聞・テレビ・ラジオ各社が、この長い間、国・東電側に遠慮するように、被曝リスクに関わる情報を一切 扱わず、県民に爆発事故も被曝も忘れさせるかのように盛んに除染・復興事業・被災支援ばかりを採り上げて、多くの人に逃げ時を失わせ、被曝増進をやらかしたこと、こちらは決して忘れない。
 連中の上層部には大衆伝達という社会機能を担っている自覚がない。民報が何を報じようが報ずまいが自由だという見方があるだろうが、県内の“空気”を作って来たのは何よりも地元のテレビであり新聞。特に、「福島民報」・「福島民友」未だには絵に描いたような御用ぶり。こちらも当初は安全を疑うことなく、一人 広野町の自宅に戻って津波後の片付けを続けた。

 この県内メディアの人でなしの行為、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 先生にも話の流れで話した。福島県と広野町と、住民80人の前で問題を並べ上げた。



占 題
 県内のテレビ局は被曝リスクを正当に扱うようになるか(12/21)

三 遍 筮 法
得 卦

51 震爲雷
伏卦 54 雷澤歸妹
互卦 39 水山蹇
錯卦 57 巽爲風
綜卦 52 艮爲山
 六二、震 來たるときq(アヤ)うし。億(ハカ)りて(= 事の成り行きを思い度って|≒ 噫で、ああ)貝(バイ = 財貨)を喪ひ、九陵(= 高い丘)に躋(ノボ)る。(貝を)逐(オ)ふ勿れ。七日にして得ん。
 象に曰く、震 來たるときqうしとは、剛[初九]に乘れば也。
 
 原発爆発 → 広告料が減ってしまうと畏れる外卦【震】が行き、廃炉宣言 → 広告料の激減という次の内卦【震】が来た、と。得たのは六二。爻辭「七日にして得ん」で、7ヵ月ほどすれぱ元の状態に戻る、と。陰爻陰位の正位。
 
爻辭「億(ハカ)りて貝(バイ)を喪ひ」とは、思案して財貨を打ち棄てて、というより、現実に沿えば、原発事故により広告収入を喪うことを怖れて、と読むか。これが伏卦の【雷澤歸妹】|||(← 左を上に。以下 同じ)の不意の災、それによる錯誤。
 その後の「七日にして得る」とは、代替エネルギー設備のものやら別の広告収入がやって来る、とも取れるが、占意からして、正常な元の状態に戻る、を取る。とは言っても、互卦【水山蹇】||だから、戻り具合は遅い。
 「象傳」の「剛」とは東京電力、その広告収入。永久収入のようにベッタリ乗ろうとするから、信をどん底まで失墜させる。


 また、【震爲雷】六二は、前の稿で、金 正哲の中央政権での台頭如何を質すと、これを得ている。前の占の基本的な読みは合っているだろう。


 それと、一言。以前も書いたが、ここの稿は自分の占考のためのメモ書き。あとで修正している云々を言う人がいるようだが、読みがしっくり来なければ絶えず考え、修正をする。占考を詰める。当てのデモはやっておりません。



 東電の国有化が不可避になって来た。
 昨日、福島中央テレビの取材クルーが、福島に来ても取材に一切 応じようとしない東電の西澤 俊夫 社長を新幹線の郡山駅のホームまで追い掛けてコメントを求めていた。今までこれを止めていた者がいる。
 他局もガラッとリスク情報をやり出した。



チェルノブイリ の強制移住地域の4倍に住めるという政府
2011/12/19(改 12/20)
 空間線量 = γ線量でもって3つの区域に分けるなどと、政府もイカサマなら、無知を見透かされてこんなことを堂々と言われる町村の首長らも情けない。

 政府は案として、来年 4/ 1 をメドに、半径20キロ圏内の警戒区域と20キロ圏外にある計画的避難区域を、外部被曝線量(空間線量ではなく)の
年間20mSv 未満は「避難指示解除準備区域」、
年間20〜50mSv 未満は「居住制限区域」、
年間50mSv 以上は「帰還困難区域」、
の3つの区域に再編する、とした。これはセシウム 137 のみのこと。

 ロシア・ベラルーシ・ウクライナのチェルノブイリ被災者救済法では、セシウム 137 基準で言うと、年間被曝線量1mSv 以上で移住権を認め、5mSv(141 Bq/m²)以上を義務的移住区域にしている(チェルノブイリ原発事故ではセシウム 137 は 134 に対してほぼ倍の量が放出)。
 それが、民主党政府は、居住制限区域の年間20〜50mSv 未満なら移住権も、の話だ。整理する。
●チェルノブイリでは土壌汚染濃度でもってセシウム 137(半減期30年)を基準に。
●日本政府は減衰して行く空間線量 → 外部被曝線量でもってセシウム 134(半減期2年)を基準にする。
 あちらで移住権が認められる10.7〜32倍の汚染の土地には移住権も認めよう、
のような話だ。
 来年4月の年間被曝線量20〜50mSv は、土壌汚染濃度にすると 564 万〜 1,410 万 Bq/m²などという汚染地になる。癌・白血病の増加が指摘された大気圏内核実験による20年間の日本全土の数値 5,000 Bq/m² の約 1,128〜2,820 倍!
 しかも、これは外部被曝量だけの話であって、オーストリア政府の外・内部被曝率の1:6を当て嵌めてみよ!
 その上、文部科学省は問題中の問題プルトニウム・トリチウム・ストロンチウム等の拡散の実態はごまかし、隠したまま!
 この10万 Bq/m² 未満のいわき市でもノドがおかしい、大便がおかしい、子供の鼻血が止まらない、の状況なのに、何を寝言を言っている! 年間被曝線量20mSv を問題なしとする言いに実証はなく、NPOのICRP[国際放射線防護委員会]が妥当を言っているに過ぎない。
 国は、長期の低線量被曝を無視して住民を戻そうと、やることは殺人的だ。原発事故担当相の細野 豪志の言うこととやることをつぶさにチェックされたい。まるで逆だから。今回のこのバカな数字の裏には帰還派の声があるだろうが、連中がIAEA[国際原子力機関]・ICRPのヒモ付き学者連中に汚染されていることは疑いない。

 ここで、国は、住民を戻すのに更に都合の好い、実効外部被曝線量という考え方を出して来た。

●年間の実効外部被曝線量 =
(屋外の空間線量(μSv)− 自然放射線量(0.04μSv/h))× 実効線量換算係数(0.7)× 屋外活動時間(例:8時間)× 365 日
 +(屋内の空間線量(μSv)− 自然放射線量(0.06μSv/h))× 実効線量換算係数(0.7)× 屋内活動時間(例:16時間)× 365 日
 ※ 下線部分に屋内における被曝線量軽減係数を掛けるやり方あり。


 12/19、同志と連れだって町役場に行って、上の方と2時間お話。
 ダメだこりゃ。国を相手にする要職の職員に基本的な知識がない。これでは国にたやすく丸め込まれる・・・。国からの色んなアドバイザーも肝心なことは何も話をしていない様子。
 町役場は機能を地元に戻す方向で進めているが、2,000 人も戻れば御の字だろう、と。高齢者ばかりで戻っても生活できない家は次々 移住となるのに、国へ一切の補償を求める考えがないのだから。2,000 人しか戻らないなら、3,300 人の地元の不動産の補償はどうするつもりやら。
 いずれにしても、住民はそうは戻らない。地元には不動産が残り、避難・移住の費用は嵩む。住民の間でこれから移住と補償の問題が浮上する。



「いわきの子供を守る ネットワーク」と地元教師に疑義
2011/12/19、12/23
 「いわきの子供を守る ネットワーク」は中身に問題あり。
 ここのSNSで福島高専 准教授の布施 雅○という口舌が悪態を極める輩がいわき市の水道水は飲めると思うと酷く雑なことを言うので、おいおいと様々の問題を指摘すると、理非もなくIDを削除と。ここは「子供を守る」のではなかった。

 代表者も布施も被曝地域の水道水のリスクを殆ど考えていない。水道水を飲むということは今後ずっと飲み続けること。福島第一原発から放出された放射性核種は実際には数百とも千を超えるとも指摘されており、復興対策本部 福島現地対策本部が仕切る検査結果が検出限界値の4 Bq/ℓ以下でも、この物質の一つ一つを日々 取り込むのだ。この准教授とやらは放出されている物質の数・量の認識がない。勿論、いわき市の水道水の検査項目にはストロンチウムもトリチウムも入っていないし、濃縮状況も文部科学省は資料を出さず。それで、この准教授とやらは「ヨウ素・セシウム以上に出た物質はない(から考慮しなくてよい)」とか、化学的毒性も放射性エネルギーの違いも知らずにアホを連発するので、一つ一つ指摘をした次第。こちらを「にわか知識」などと言いながら、セシウムの3倍 近くも出ているテルルがヨウ素に壊変することも知らないし、この夏のヨウ素問題も知らないようで、テンでお話にならない。
 以上、福島にはお気楽・お粗末な“専門家”がたくさん跋扈している。人々の生死に関わるものを、バカタレが。

 残念ながら、このグループは肝心のリスク情報は神経症のように一々 嫌うし、移住への姿勢は全くないし、ただ いわき市に居て、見ざる・聞かざる・言わざるをやっているように映る。そこに、地元に居残っていたい者が群れていて、福島を出ようとする者にレベルの低い悪態を吐く。これが福島の一つの社会問題。
 一番 問題だと思ったのは、ここに集まるお母さん方に逃げ時を失わせるのに貢献していること。子供が鼻血や下痢を続けて病院でも原因が解らないと言うなら、こんなところに集まってグズグスしてないで、早く福島を去ること。



 この福島高専のポンタ、不安な母親たちを前に空気も水も「安全です」を続けることは確実。また、県外へ避難しようとする者・している者への揶揄は許し難く、福島高専に乗り込んだ。
 すると、こやつは以前にもどこぞで「安全です」を吹いて問題を起こし、校長から強く指導を受けた、とのこと。対応に出た職員、“またやった”の反応。こやつはどういう人間なのかと質せば、「ご覧になった通りの人です」と複雑な笑顔で。放射線衛生学の学識も特にない、とのこと。論外だ。
 県外避難者を揶揄し続けるというのはいわき市の教育現場で言われる生徒を県内にカンヅメにする指導が背景にあるのかとも思ったが、それはなし。個人の行動とはいえ、福島高専の准教授と本名を名乗って、アドバイザリー的に問題発言を繰り返しているからと、しっかり指導を求めた。
 この被災地ではいい加減な言説を止めさせることも大切な除染作業。人々は段々リスクを忘れたような日常生活になっているのだから。

 さて、乗り込む前に、処分を求めてどうなるかを一筮。


占 題
 県外移住を揶揄した件で福島高専に処分を求めて如何(12/23)

三 遍 筮 法
得 卦

62 雷山小過
伏卦 32 雷風恆
互卦 28 澤風大過
錯卦 61 風澤中孚
綜卦 62 雷山小過
 六二、其の祖[九四](= 祖父)を過ぎ、其の妣[六五](ヒ = 祖父の母)に遇ふ。(直接に)其の君[六五]に及ばず(= 会わず)して、(間接に)其の臣[九三]に遇ふ。咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、其の君[六五]に及ばずとは、臣[九四]は過ぐ可からざれば也。
 爻辭のまま、校長[六五]には遇うことなく、そのすぐ下にいる教頭か職員の上の人[九三]に遇って申し伝えることになる。また、こちらが問題なりを問われることはなし、と読んだ。

 キレイにその通り。丁度 全校集会の最中で皆 出払っており、職員の上の人が応対してくれ、校長に申し伝えて指導するようにします、とのこと。
 また、この卦・爻は多くを望んでも、得ても半分。
 キレイに的占。易示とはこんなものだ。



菅谷 昭さんの講演会で被曝のリスクをあらためて
2011/12/18
 本日、12/18 10:00〜12:00、いわき文化芸術交流館アリオスで「現松本市長、そして甲状腺がん専門医、菅谷 昭 氏 講演会」あり。

 菅谷さん(68)、ベラルーシの汚染地で専門医として5年半 子供らの甲状腺癌の手術を執刀し、長野県の松本市長に。NHK「プロジェクトX 挑戦者たち チェルノブイリの傷 奇跡のメス」。
 ベラルーシの汚染地と福島県のセシウム 137 の土壌汚染マップをスライドで出して、あちらのいわき市ぐらいの汚染濃度の地域では事故後に何が起きているか、を話された。少し最近の認識が遅れているが、いわき市の汚染レベルに住み続けるリスクをおっしゃったのが出色。講演者は被曝リスクの話については嫌われるだろうと避けるもの。こちらは「それは無用です」とばかりに straight に被曝リスクの質問をやる。

 西隣のポーランドではヨード剤の服用など初期の対応があったのでほぼ避けられたという甲状腺癌の話のあと、長い期間の低線量被曝の話。こちらに研修に来たりあちらで一緒に仕事をやった同僚からの話として、あちらでは、総じて免疫が落ちて、軽度の病気が治らない、再発する、悪化する。子供も大人も心臓疾患がのきなみ増えた。早産・未熟児が顕著になった。セシウムなどで造血機能がやられるので、貧血の人が多くなった。とにかく皆が疲れやすくて、元気な人がいない。その他の癌や白血病については、数十倍の患者になった甲状腺癌よりは増加数が顕著ではないので、IAEAも認めていない、と。
 それと、地場のものなど食べないあちらの上流の子弟が日本滞在中に、問題ないだろうとホール ボディ カウンターを受けたら、高い数値を示した話あり。また、いわき市の母親が食べ物は取り寄せ、給食を断って弁当を持たせ、マスク、極力 外出させない、と神経質にしていた自分の子供がホール ボディ カウンターで20 Bq/kg だった話あり。
 で、相棒のH氏の甲状腺癌の検査方法は、の質問には、エコーしかない、と。

 こちらは最後に質問し、広野町としては地元に戻るかどうかの岐路にあって、高齢者の被曝リスクがどうかを尋ねた。
 他所に移住するより地元に戻る方がストレスが少ないので、死亡率が低いというデータがある、とのこと。IAEA[国際原子力機関]・ICRP[国際放射線防護委員会]のデータでないことを祈る。

 山下 俊一の言う累積 100 mSv 安全説も広島・長崎の急性被曝のデータであり、セシウムによる低線量被曝の影響はほとんど分からないのです、と強調された(この調査は戦後 数年して。また、累積 100 mSv の低線量被曝では内部被曝が遙かに蓄積する)。ベラルーシでは牛乳由来の内部被曝が言われるが、3人乳兄弟の真ん中だけに癌が発症したり、と。
 こうしたリスクがあるので、あとは皆さんで判断してください、と
 尚、菅谷さんは被曝により早期の胃癌になったと。

 ちょっと一言。
 この講演は参加費 500 円の有料。だが、放射性核種問題について詳しい先生を呼んで講演してもらおうとした知り合いから、持ち出しはきついので有料にしようとしたら、複数から「金儲けだ」と言われてうんざりしてやめた、と聞かされた。
 東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 先生も、南相馬市の除染推進委員長になったら除染業者の指名権もあるから、うまいことやっているように言われて、まいっている。
 講演活動を続けている俳優の山本 太郎 氏も同じだろう。
 バズビー基金も「サプリメントで金儲けと」始める者がいる。何か全部ボランティアでやるのが当然だと思っているお子様。講演だって講演料が入る。本だって印税が入る。震災弁護士も無給ではない。以前にも書いたが、バズビー博士に僅かにマージンが入ったとしても何が問題か?



運転するには「安全神話」、事故処理にも「安全神話」
2011/12/17
 福島第一原発は圧力容器の底の温度を測って冷温停止、事故収束だそう。

 1〜3号機とも、
ろくに原子炉建屋にも入れず、
メルトした核燃料は底のコンクリートを突き抜けて、取り出せる可能性はなく、
毎日 大量の高濃度汚染水を作りながら冷温をキープ出来ているだけで、
その汚染水は遮蔽できず海にダダ漏れで、
聞けば、原子炉建屋の周囲からエアロゾル状の放射性核種が出ていて、
余震の度に原子炉はじめそちこち壊れて、
何を言っているのか自分には理解不能。
 汚染水もゴミも処理方法に行き詰まっていて、
放射性核種の削り隠しした放出量は汚染マップの広さと濃度から見てチェルノブイリと変わらなくて、どうするつもりか、こ・れ・か・ら。

 事故対応相の細野 豪志も首相の野田 佳彦も、口では福島県民の安全を言いながら、未だに「空間線量」なんて無意味な指標を振り回して、汚染の実態も知れない、まともな除染など出来ない、半径20kmぽっちに住民を戻そうと。やってることは東電の「安全神話」と一緒。
原発は、運転するにも「安全神話」、事故処理にも「安全神話」。

 復興対策本部 福島現地対策本部長の吉田 泉の、とにかくもう事故は終わったし、戻ろうとしない住民は高名な医者でも呼んで来て説得して、復興・復興にすればいいんだ、みたいな発言を聞けば、そもそもこやつらは情報の集めのレベルからおかしいことが分かる。



徒然なる片々
2011/12/17
 地震・津浪で実家がなくなり、想い出のものが消え、原発事故で長く避難生活を送り。
 だが、去年、末吉 ♀と Bubu ♂ の猫の親子に立て続けに急性腹膜炎で死なれたことに比べたら、やり切れなさはどうということはない。あの頃、茶の間で毎朝 見ていたNHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」のOT「ありがとう」の音楽と猫の死が重なって、死没の現実を実感した。
 動物の命の重さが人間のそれ以下、などというのは人の思い込み。

 この世にある非因果律の法則の一つに、何というか、自分の頭の中が変わると環境の全てが変わるらしい、というものがある。
 気持ちの沈んだ時、或いは、疲れ切った時や眠くて仕方がないような時に筮を執ると、大方 宜しからざる占が示される。そういう時、筮をやめて、一眠りして気持ちを落ち着かせてから執ると、呪縛を解かれたように宜しき占示を得るもの。変な言い方だが、宜しき結果を得たいなら、そうすることだ。
 ご縁のない人々には「おまえの気分次第で世の中が変わるのか」と冷笑されそうだが、それは因果律の世界観・時間で観ての理屈であって、この世には説明に窮する摩訶不思議な法則が幾つか交錯している。
 この場合、体調の勝れない時というのが宜しからざる卦・爻にシンクロするのか、或いは、その時が宜しからざる占の占機になると言ったら良いのか、ハッキリしない。何が主なるもので何がそれに従うのかなど、よく整理が付いていない。
 ただ、この世には自分が主体となる“場”のようなものが明かにある。何者からもサバサバと独立した場所というか心境。そこに立つことで現実世界で何かしら利を得る現象がある。易の酬酢(シュウサク)に関わるところ。



移住は要望がないから法案に入れていない、と
2011/12/16
 12/15 10:00〜12:00、いわき市立 飯野公民館で「いわきの子供を守る ネットワーク」主催の「第二回・繋ごう!心の輪・座談会&プチクリスマスがあり、森 まさこ議員[自由民主党・参議院](47)が急遽 参加。
 森さんも県民を県外の汚染度の低い土地へ移住させようとする積極的な様子はない。11/ 1 に自由民主党本部に行った時にも感じた。
 そこで、彼女らが進める子供のための法案に「疎開」・「移住」の文字がないのはなぜか、と質すと、「地元から要望がないからですよ」と。郡山の市民グループからは事細かに補償の要望が出ているけれども、と。それと、高齢者は地元で最期を終えたい人もいるでしょう、と。高齢者の免疫不全は怖いのだが。第一、子供を抱えて不安にいる母親をこれだけ前にしながら、これはない。うちの広野町なら、高齢者ばかりで町へ戻ってその後どうするの問題があり、そこの認識は一致。だから、高齢者を支えるにも選択的移住権が必要なんです、と求めた。
 双葉郡の町長・議長らはJR常磐線をミニ新幹線にせよ云々と県に求めるような nonsence ぶりで皆に呆れられていること、こやつらと住民の考えとは全く違うことは勿論 伝えたし、また、森さんは双葉郡の上の連中は国から移住の条件が出来ることを待っていて国と睨めっこになっていると言い、その通り。
 広野町の山田 基星 町長も議員らもα線・β線・γ線が何かも知らない、それで町としての判断をやっていることを伝えたら、驚きの様子。

 同時に、こちらは、これは同じような環境の誰かがやるだろうでは誰もやらないになるだろうことに気付いた。今後、原子力賠償紛争審査会なんかで移住の線引きがされる場合、郡山ぐらいの汚染水準での線引きになる。


寝起きの髪で駆け付けて、密談。森 雅子 議員、こちらと汚染状況の認識に違いはない。

 それから、広野町も彼女の基盤のいわき市もMOX燃料を焚いていた3号機からの放射性プルームが通っており、プルトニウムもウランもアメリシウムもストロンチウムもトリチウムも間違いなくそれなりの濃度で落ちている。戦後の癌の発症率上昇の主原因と思われる大気圏内核実験の当時の数十倍の放射性核種を被っている。
 だから、11/ 1 自民党本部に行って、最も危険で、少なくても数兆 Bq も放出されたプルトニウム 241 の飛散の実態を明らかにすることを求めて、放射性核種の飛散の実態については彼女の事務所に返事が来る筈だったが、「事務所に呼び付けたけれども、文科省は代表核種については全て調査をしていると思うけれども、住民のパニックを怖れているようで、何も出して来ないんです」と。意味深長。野党にはこんなものらしい。

 また、国の「空間線量」の定義は今後もγ線だけで行くのか、そうしたら、「減った・減った、大丈夫です」にならないか、と聞くと、よく分からない様子。
 体内に取り込まれたα線・β線物質を調べる方法を何か知っているかと聞くと、「ないです」と。
 「ホール ボディ カウンターは国の騙しの手段」、「文科省の資料なんか信じられませんよ」とは好くぞハッキリ言った。
 チェルノブイリ原発事故と比べての認識を確認したかったが、人口密度のところでタイム アウトに。票取りの前に、ちゃんと話を聞いておくれ。

 それで、ツラツラ頭を整理するに、移住の権利の獲得の件、住民の署名集めをやって国に出すか、国の賠償紛争審査会に参考人として出て行って答弁でガツンをやるか。町など全く頼りにならず。



双葉郡にミニ新幹線をいう帰還派の老人たち
2011/12/13
 県が今月中にまとめる県復興計画は「インパクトに欠ける」などとして、双葉地方町村会(会長・井戸川 克隆 双葉町長)と同町村議会議長会(会長・松本 幸英 楢葉町議会議長)が12日、佐藤 雄平 知事に連名で要望書を渡した。ミニ新幹線の整備などを要求している。
 県は復興計画の素案を市町村や経済団体などに説明中で、年内に決定する方針。しかし、両会は「双葉郡の復興なくして県の復興はない、との言葉とは裏腹に、(素案に書かれた)双葉と他地域の取り組みに大きな差はない」と指摘。交通インフラについては復旧にとどまらず、発展させるべきだとし、JR常磐線をミニ新幹線にするよう求めた。国際的な大型娯楽施設や、放射線の研究機関の誘致も必要とした。
(12/ 3 asahi.com)

 双葉郡の老人たちは重症だ。20km圏の円に掛かる浪江町・葛尾村・双葉町・大熊町・富岡町は移住以外にはない。永住に近い移住。だのに、住民を戻して、ミニ新幹線にディズニーランド誘致?
 うちの広野町は、山田 基星 町長も殆どの議員も、α線・β線・γ線が何かも知らないが、これで何の判断が出来る? いい加減にして欲しい。中性子線に至っては、この問題があることさえ知らない。
 チェルノブイリに視察に行って来た川内村の遠藤 雄幸 村長など、懲りもせず、皆 戻りたがっているからと、来年3月に全村帰還だと。
 常磐線に沿って西側が酷く汚染された浪江町では馬場 有 町長が町に帰還すると宣言して、国への移住補償を求める若い層と対立。町民は分裂。
 福島第一原発の地元の大熊町では、11/20、地元帰還を言う現職の渡辺 利綱 町長が移住を主張する新人に勝って再選した。
 いつまでこんな不毛をやっている! 双葉郡の老人らは住民の移住権の獲得を進める気が全くない! 「住民の生命・健康が最優先」はどこへ行った?!

 その5町村以外の2町1村の行方はどうなるか。広野町では、「双葉は一つ」で集団あるいは個人で移住も図るか、復興財源をぶら下げた国と一緒になって福島第一原発への補給基地をやって行くか、の岐路にある。
 それ以前に、住み続けられるか否か。それは、発表された放射性核種の18%もないγ線物質による空間線量ではなくて、まず土壌汚染濃度を見る。


文部科学省 放射線量等分布マップ(第三次調査 2011/ 7/ 2 の Cs-134+137 分)

↓  ↓  ↓


(第三次調査 2011/ 7/ 2 の Cs-137 分)。6・7年もすればこんな様子に。
セシウム 134 の化学的毒性の方は別問題 。

 双葉郡の南端の広野町は、町域の大部分はセシウム 134+137 では10万〜30万 Bq/km²未満で、実家の周辺はポイント的に6万〜10万 Bq/km²未満になっている。今後 134(半減期)が減衰してもそう変わらない。
 この10万〜30万 Bq/km²未満とは大気圏内核実験の時代に放射性核種が降下して人体への影響が言われた5千 Bq/km²(日本全域)の20〜60倍の汚染。また、プルトニウム・ウラン・ストロンチウム等が土の上に限らずどこにどれだけ落ちているか知れず、プルトニウム等のα線物質は土壌や水以外では測定できない。文部科学省は隠す・誤魔化す・ウソを吐く。こんな土地に住み続けられるわけがない。

 北隣の楢葉町は、セシウム 134+137 では大部分が30万〜60万 Bq/km²未満だが、137(半減期30年)だけではそれが町の北側1/3に減って、広野町と同じく10万〜30万 Bq/km²未満のエリアが広がる。
 国はどこまで警戒区域の指定を解除するか。

 富岡町・楢葉町の西に隣接する川内村は、セシウム 134+137 では東側の山林が 100 万〜300 万 Bq/km²未満(のエリア)の高濃度で、中心街は6万〜10万 Bq/km²未満という濃淡ある状態。137 だけではそれぞれ1レベル下がって、中心街は3万〜6万 Bq/km²未満 ≒ 1Ci/km²になる。
 どういう帰還にするものやら。

 尚、広野町の南に隣接するいわき市のこの辺りは、セシウム 134+137 では6万〜10万 Bq/m²未満で、137 だけでは3万〜6万 Bq/m²未満。広野町よりそれぞれ1レベル下がる。プルトニウム・ストロンチウム等の降下率に違いはないし、これではチェルノブイリの30km圏外の街になるだろう。



私の、今年を象徴する漢字
2011/12/12
 突然の烈しい地震で家々が倒壊し、堤防をブッ壊して津浪が直撃し、福島第一原発の原子炉が地震で壊れて次々 爆発し、そうして、漠然と信じていた社会を支えるファクターが陳腐な程にコワレテ信じ難いことを続けている今、誰が何と言おうと、今年を象徴する漢字は決壊の「壊」。易で示されていた 62【雷山小過】||(← 左を上にして見る)上六、地震も原発爆発も大マスコミの体たらくも、行き着くところまで行き着いての決壊。
 個人としても、広野町の実家は結局 取り壊し。地区も崩壊消滅。

 日本漢字能力検定協会のアンケートの「絆」など、福島県では、県民が流出すれば売り上げが減るから被曝リスクの情報を一切 扱わずに、盛んに復興を煽って何とはなしの安全ムードを演出している主犯、県内の新聞・テレビによる県民 引き留めのためのコピーライト。ふざけるな。大新聞も国政と癒着して不作為の犯罪幇助をやっている。
 我々の問題は汚染からの「避」。現場に人の情・助けはあるが、「絆」なんてCM臭いものはない。



まだ“チェルノブイリ”ほどではない
2011/12/12
 ちょっと整理してみる。

 まず、汚染の濃度と面積のこと。
 両原発事故の汚染地域のセシウム 137(β線物質、半減期30年)の沈着率を観てみる。
 チェルノブイリではその汚染区分の内、最も汚染度の高い第一区分のエリアが頗る広く、その入り口の数値の25倍の 1,000 Ci/km² = 3,700 万 Bq/km²ものエリアが確認されている。他方、福島では飯舘村辺りの最高濃度がまだハッキリせず、これから場所々々で濃縮が進む。
 また、第四区分の3.7万〜18.5万 Bq/km²以上のエリアが、チェルノブイリでは西方向のロシア側に千km続くほか、南南西方向に千km以上離れたオーストリアや北北西方向に更に離れた北欧3国などに広く点在している。これに対して、日本では、文部科学省の発表に従えば、福島県の浜通りは勿論、中通りから南西方向に長野県の軽井沢・群馬県の南西の端まで 300 km近く続くのみ。
 ただ、放出された放射性核種は、福島第一原発からの汚染水としてのダダ漏れを含めて、70%程度が太平洋に流れた、との見方がある(当時の風向き・降雨など気象面での正確な根拠が不詳)。半分以上は海に行っただろう。
 そうすると、文科省は何につけ極力 数値を低めにする手口を重ねるので、双方の測定条件が同じではない点があることを踏まえて、福一原発からの放出量をチェルノブイリ以下に観る言説には直ちには首肯できない。


< チェルノブイリ原発事故での汚染区分 >
 ※ ロシア・ベラルーシ・ウクライナのチェルノブイリ被災者救済法に基づく。以下はセシウム 137 で見た基準で、他にストロンチウム90、プルトニウムによる基準もあり。以下の区分の他に原発に隣接する区分あり。
 尚、30km圏内はこれとは別に避難区域となっている。
●第一区分:
 居住禁止区域。直ちに強制避難。立入禁止。
 148 万 Bq/m²[40 Ci/km²](年間被曝線量46mSv)〜。計 115,900 km²。
●第二区分:
 特別放射線管理区域。義務的移住区域。農地利用禁止。
 55.5万〜148 万 Bq/m²未満[15〜40 Ci/km²未満](年間被曝線量17〜46mSv 以上)。計 19,120 km²。
●第三区分:
 高汚染区域。移住の権利が認められる。
 18.5万〜55.5万 Bq/m²未満[5〜15 Ci/km²未満](年間被曝線量5.7〜17mSv)。計 7,200 km²。
●第四区分:
 汚染区域。不必要な被曝を防ぐため、定期的に放射線管理の要あり。
 3.7万〜 18.5万 Bq/m²未満[1〜5 Ci/km²未満](年間被曝線量1.15〜5.7mSv)。計 3,100 km²。

 被曝人口のこと。
 第四区分以上の濃度に匹敵する汚染エリアは、放射性核種の半分は太平洋に落ちたとして、ヨーロッパよりは明らかに狭い。
 ところが、日本の人口密度はあちらの比ではない。地元のウクライナの平均が79人/km²、すぐ北隣ベラルーシが50人/km²、ロシアが8人/km²なのに対して、日本は平均 339 人/km²。即ち、ウクライナの4.3倍、ベラルーシの6.8倍、ロシアの48.4倍。汚染面積がヨーロッパのそれの半分以下だとしても意味がない。

 問題の内部被曝のこと。
 ヨーロッパでは地域によっては注意喚起がなされずに、地場のものを長期間 飲食したことによる被害が大だった、言い方を変えると、経済格差で明暗が分かれた、とされる。他方、日本では流通網が発達しているから、全国に低線量被曝が拡大する。そこで、「生活して行けないから」と福島で汚染された穀物・野菜・果物を作り続ければ、それだけ全国で消費される。この政府は、食料不足でもないのに、食えないものも規制値を吊り上げて食わせようと。
 個人の被曝量については、よく御用学者などが「ウクライナ・ベラルーシの住民の数値より遙かに低い」と言うが、文科省の数字の出し方と言えばその通りだし、被曝の実態を言うには日本はまだ9ヵ月でしかない、ということ。α線・β線物質の体内分は正確には調べようがない。晩発性の癌に至ってはチェルノブイリでもまだ25年しか経っておらず、疫学・統計による結論は先のこと。

 ここまでを観ると、被曝、就中、内部被曝についてはこれからの対策次第で重くも軽くもなるが、汚染エリア当たりの一程度の被曝者の割合はチェルノブイリを超えることは間違いないだろう。「チェルノブイリ以上の惨事の可能性」とはここを言う。且つ、日本では国民総被曝傾向になる。
 日本ではどれも25年 遅れてやって来る。それをよ・く・観てゆかないといけない。何れにしても、福島なんかにはいられない。


文部科学省 放射線量等分布マップ(第三次調査 2011/ 7/ 2 の Cs-137 分)
※ 斜線の円は福島第一原発から10km圏。

 下のチェルノブイリ30km圏の図でも、プリピャチ・クリューキ辺りが局所的に数値が高いが、その1/200 以下の5 Ci/km²以下のエリアもある。

 以下もセシウム 137 の分布マップ。1Ci/km² = 3.7万 Bq/km²


チェルノブイリ原発事故(今中 哲二)
30km圏。
黄色のエリアが18.5万〜74万 Bq/m²未満で、第三区分にほぼ等しい。
オレンジのエリアが74万〜370 万Bq/m²未満で、第二区分以上で、第一区分に当たる数値を倍以上 超える。この第二区分以上のエリアが福島の場合より広い印象。


UNSCEAR[原子放射線の影響に関する国連科学委員会]
事故は3つの国が交わるポイントで起こっている。


UNEP



児玉 龍彦 先生を支持します
2011/12/11、12/12
 東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授(58)、昨日、広野町民の入る第四応急仮設住宅の集会所で講演(10:00〜11:40)。ボランティアで来て頂いたとのこと。


 児玉 先生の講演は、東大のアイソトープ総合センターは原発の安全管理や事故後の対応の義務があるのに、至らなくて申し訳ない、という謝罪の言葉で始まった。

 福島第一原発〜福島市あたりに降り積もったとてつもない量の高濃度の放射性核種の風による拡散、二次被曝のこと。
 先週のいわき市 小名浜での講演で、汚染ダストは殆ど飛んでいないとのこと。しかし、この仮設住宅の一角でも2ヵ月で0.14 → 0.18μSv/h に上がり、風が吹けば0.25μSv/h にはなり、何が飛んで来ているか知れないので、しっかり伝えた。講演で繰り返される可からず。
 先生、やはり大気の検査体制が要るだろう、とのこと。広い森林等からの拡散を止める手段は見えない、と。

 それと、水道水のこと。
 先生、赤ちゃん連れのお母さんの質問に対して水道水は飲んで大丈夫だと思うとのことだったので、いわき市の検査ではヨウ素・セシウム・セリウム・コバルトぐらいは調べているものの、トリチウムさえ検査項目に入っていないこと、それでも1歳未満の子供が飲んでも問題なしとPRしていること、蛇口の水を測ればよいのに浄水場で測っていること、水道水の管理がいわき市も水道局から国の復興対策本部 福島現地対策本部に移ったこと、問題を訴えても変わる様子がないこと、などなど伝えた。
 水道水のことについては宿題を頂いた、とのこと。この後、浪江町に入って水道の調査をされている。
 それと、この赤ちゃん、鼻血が止まらなくなる時があるそうな。

 それから、危険情報は一切 扱わない県内の新聞・テレビのありさまと、県民の被曝医療への不信と、我々の行き詰まりも。
 広野町は、首長も議員も、α線・β線・γ線の意味も知らないことも。
 先生、そうだったか、というお顔。
 町に戻ったって、リスクばかりで、α線物質がどこに落ちているかも知れないことも言った。

 また、先生、事故後の対応から失敗を続けている原子力安全委員会のメンバーの総取っ換えをするべきだ、と本日も力説。
 更に、移住のことについては住民の意思を尊重して決められるべきこと、と。長期間 戻れない地域がある(覚悟しないといけない)、と。町政には口を差し挟まず。福島テレビが取材に来ていて、講演の前にインタビューをしたが、そういう県民の流出に繋がる内容は全く伝えない。これぞ県内の癌。

児玉 龍彦
NHK総合「ためしてガッテン」の解説もやられていたとのこと。

 あの正義感、行動力、熱心さ、先端の学識、もしお疲れでなかったら、福島県立医大のIAEA・ICRPのヒモのついた山下 俊一・神谷 研二らとまるごと交換したい、被曝問題に関する県レベルの現場監督をやって欲しい。
 南相馬市で除染をおやりになっている場合じゃないです、先生!(同市の除染推進委員会の委員長に就任)



 先生の言説に一つだけ異議あり。
 福島の農家がわざわざ汚染米を作り続けることの是非について、先生は「とんでもない。お百姓さんは米を作らなくてはならない。田畑は放って置いたら使えなくなります」と。
 田畑の存続より人の健康、は言うまでもない。検査で国が規制値にする 500 Bq/kg を超えた米はどこへ行くか? 490 Bq/kg の米は「国のお墨付きがある」と市場に流される。外食を使うこちらは憂鬱だ。



環境省が言う空間放射線量の「年間1mSv」とは
2011/12/ 8
 国は福島第一原発の事故により増加した追加被曝線量を年間1mSv[暫定基準値]以下に抑えるとしている。この数値を超える土地は国が除染を行う。
 この場合、普通にγ線測定器を見た時に、時間当たりでは幾らということになるか?

●自然界からの放射線量・・・0.04μSv/h
 = 0.38mSv/y(= 年間の自然界からの放射線量。宇宙線のみ)÷ 365 日÷24時間 × 1,000
●原発事故による追加被曝線量・・・0.19μSv/h
 = 1mSv/y ÷ 365 日 ÷(8時間+0.4 × 16時間)× 1,000
  ※ 1日の内、屋外に8時間、屋内(遮蔽効果0.4倍のある木造家屋)に16時間 滞在するという生活パターンを仮定。
●時間当たりの合計・・・これらを足して、0.23μSv/h

 よって、γ線量が毎時平均0.23μSv を超えるような土地はダメだと環境省が言っている。
 だが、この遮蔽効果の係数がインチキで(年間許容線量の20mSv の時もこの割合だった)、広野町で木造家屋で実測すると、屋外とそんなに変わらず、せいぜい0.7倍。すると、事故による追加被曝線量は0.14μSv/h になる。自然放射線量との合計0.18μSv/h 以下 = 年間1mSv ということになる。国は年間1mSv に抑え込むのにこういうインチキをやっている。


 ここで、自然放射線には何が含まれるか。「UNSCEAR[原子放射線の影響に関する国連科学委員会]2008 年報告書」によれば、人間は年間2.4mSv を被曝していると。日本は年間1.4mSv とのこと。内訳は、
●宇宙線から0.38mSv/y(外部被曝のみ)。
●宇宙線によって生成された放射性核種から0.01mSv/y。
●大地からの放射線による外部被曝で0.48mSv/y。
●ウラン及びトリウム系列の吸入で0.006mSv/y。
●ラドン(Rn-222)の吸入で1.15mSv/y。
●トロン(Rn-220)の吸入で0.1mSv/y。
●食品中のカリウム(K-40)で0.17mSv/y。
●食品中のウラン及びトリウム系列の放射性核種により0.12mSv/y。
 “原子力村”の大ウソだろう。自然放射線量には原発が日常 放出している分、大気圏内核実験由来のものが相当にある。


 γ線物質(5核種)はベクレル比で発表物質群の量の18%弱しかなく、β線物質のセシウム 137 もストロンチウム89・90もずっと残る。
 そこで、国が言う「空間放射線量」には、今後、β線・α線も含まれるようになるのだろうか? そうでなかったら、ひどい安全工作だ。東電がやって来た「安全神話」と一緒。



借り上げ住宅の新規募集の停止要請に対して抗議の署名!
2011/12/ 7
 佐藤 和良 いわき市議会議員より。

 【緊急署名】福島県知事さん:自主避難者をこれ以上 苦しめないでください!
 福島県が全国都道府県に対して借り上げ住宅の新規募集の停止を要請、即ち、福島県民の避難の途を閉ざそうとすることに抗議します!

●呼びかけ団体:国際環境NGO FoE Japan、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク
●署 名   :http://goo.gl/fSOf1
●賛同団体署名:http://goo.gl/9jk3T
●締め切り  :12/11(日)

*     *     *

 必要なのは緊急・一時の避難だけではない。
 福島県に住み続ける・・・「セシウム・セシウム」と言うけれど、被曝による致死量は青酸カリの約 2,000 倍。放射性核種の生涯の取込量・被曝量が幾らになるか分からない。測定が出来ない。ホール ボディ カウンターは時間を掛けてもγ線の一部が補則されるだけ。累積被曝量と癌の発症数はキレイに正比例する。発症を待つだけ。
 こんなことに人生を消費されたくない。



政治家には、ここを、こうして、と物申せ!
2011/12/ 7
 私が「いわきの子供を守る ネットワーク」の團野さんからのお誘いで気付いたのは、福島県選出の国会議員に直接 訴えること。
 民主党の吉田 泉さんなど復興対策本部 福島現地対策本部長で、まさに政府に対して福島県民の訴え・要望を吸い上げる要の人。
 例えば、放射性核種の風による拡散が怖いのであれば、ただ怖いを言うのではなくて、自治体ごとにモニタリング ポストを置いて SPEEDIE のように飛散予報をやる体制を整えて欲しい、のように解決策までしっかり伝える、と。この方、ボケたことばかり言って心配ですが。
 森 雅子さんは自民党の副幹事長で、参議院で福島の子供のことなどについて政府に訴えていますが、この福島県出身の議員らが中心となって被害者のための法案づくりを与党議員を抱き込んでやっています。ここはお母さん方はいくらでも言ったら宜しいです。
 アプローチとしては、彼らは週末は福島に戻って活動をし、たまに後援会をやりますから、そこで要望を訴える! また、ホームページからメールが出来るので、要望をまとめて送りつける! 少し息負ってぶつける! 皆が声を伝えないから、県民のカンヅメやら福島の被曝医療体制やら、バカな政策ばかりやっているわけです。

【自由民主党】
森 雅子[いわき市/参議院]
吉野 正芳[いわき市/衆議院]
岩城 光英[いわき市/参議院]
佐藤 正久[福島市/参議院]

【たちあがれ日本・新党改革】
荒井 広幸[田村市/参議院]
【民主党】
吉田 泉[いわき市/衆議院]
玄葉 光一郎[田村市/衆議院]
金子 恵美[伊達市/参議院]
石原 洋三郎[福島市/衆議院]
増子 輝彦[郡山市/参議院]
太田 和美[郡山市 ← 千葉県松戸市/衆議院]
渡部 恒三[田村町/衆議院]
 ・・・原発誘致の主犯

 後援会は面白いですね。身内だと思って議員のホンネが出ます。
 「何いってんだこの人」「ぜんぜん解ってない」となりますから、質疑応答の時とか、講演が終わった時をちょっと掴まえて物申す、と。

 原発事故担当相・環境相の細野 豪志[民主党・静岡5区/衆議院]も週末ごとによく福島に来ています。いわき市にもしょっちゅう。この人は国の側からおかしなこともたくさん言っていますから、機会を掴まえて、言わないと。この人は認識が改まると割と行動も改まる印象。

 他方、国に対しての立場とすれば、市・県の議員というは庶民とそう変わりませんが、いわき市なら反原発でならした佐藤 和良 市議とか、似たようなスタンスの人たちと連携して協力をあおぐ!

 業界の方ばかり向いている人は選挙で落とす!



求むは移住の権利、平穏な生活
2011/12/ 4
 文部科学省の調査によれば、広野町のセシウム 137(β線物質、半減期30年)の土壌汚染濃度は海沿いの実家や中心街を含む殆どの土地が10万〜30万 Bq/m²。これはロシア・ベラルーシ・ウクライナの第三区分18.5万〜55.5万 Bq/m²未満(年間被曝線量1〜5mSv 以上)に最も重なり、移住の権利を認めている。日本側の数字に自然放射線量が含まれていないなら、猶更だ。
 文科省は汚染・被曝ではしばしば自然放射線量を抜いた低い数字のデータを出して安心させて、補償などの清算時にはこれには自然放射線量が含まれていないとハードルを上げる詐欺をやる。被曝線量も一見 外部被曝 + 内部被曝の話だと思わせて、確認すれば外部被曝量だけだったとか、国民が誤解するのを承知して、わざと攪乱させている。

 さて、セシウムは 134:137 の放出比が6:5ということになっていて、今では 134 が減衰してむしろ少ない。それでは、セシウム 134 のγ線で測って、現時点で広野町に住んだ場合、年間被曝線量は幾らか、改めて。
●外部被曝線量はヨーロッパと計測条件を揃えて草を刈り取った地表面の数値を用いる。
 屋内の線量は、実測から、屋外の1/2とする。
 屋外・屋内での生活時間の割合は原子力安全委員会の割合に従う。
●内部被曝線量の係数は、チェルノブイリ原発事故後にオーストリア政府が統計から出した平均値を用いて、外部被曝線量の6倍とする。ICRP[国際放射線防護委員会]モデルに至っては1:1と nonsence。
●自然放射線量は日本では年間1.4mSv、毎時0.16μSv。振り分けは屋外0.1μSv、屋内0.06μSv とする。自然放射線も全てγ線としている。


●外部被曝線量
   屋 外・・・0.3μSv/h × 6時間 × 365日 = 657 μSv
   屋 内・・・0.24μSv/h × 18時間 × 365日 = 1576.8 μSv
   = 2,233.8 μSv
●内部被曝線量・・・2,233.8 μSv × 6(係数)= 13402.8 μSv
●年間被曝線量・・・15,636.6 μSv[15.6mSv]+ 1.4mSv(自然放射線量)= 17mSv

 γ線だけで年間17mSv を被曝、と。因みに、昨年一年間で、原発作業員でも5mSv の数値を被った人はいない。勿論、ここから減衰する。
 γ線物質(5核種)はベクレル比で発表物質群の量の18%弱しかないので、環境中の大部分を占めるβ線物質による被曝は幾らになるやら。


占 題
 移住費用の補償を受けられるようになるか(10/20)

三 遍 筮 法
得 卦

17 澤雷隨
伏卦 45 澤地萃
互卦 53 風山漸
錯卦 18 山風蠱
綜卦 18 山風蠱
 初九、(六二により)官(= 職務、役目)渝(カワ)ること有り。貞(タダ)しければ吉。門を出でて交われば功 有り。
 象に曰く、(六二により)官 渝ること有りとは、正しきに從へば吉なる也。門を出でて交われば功 有りとは、失はざる也。
 
 天意を得たり。爻辭の通り。いずれ補償を受けられるようになる。卦は被曝の現実に隨ふ。
 【澤地萃】||が伏していて、否定し得ないリスク認識が確かになるだろう。
 互卦に【風山漸】|||(← 左を上に。以下 同じ)で、段階を経て実現なる。ただ、この卦はトントンと進むようで実はなかなか進展しない。
 現状は【山風蠱】|||の腐臭 漂う状態。
 差し当たり六三の時に期待。

 この占示ということは、これの実現のためにはこちらもチと役割は果たさないといけない。政策の現場に問題を突き付けて繰り返し訴えて行かないと変わらない。貞にあれ。家を出て交友して訴ふべし!



結 果




吉田 泉 議員[民主党]に避難の権利を訴ふ
2011/12/ 4、12/ 5
 昨日、「いわきの子供を守る ネットワークの團野さんのお気遣いで復興対策本部の福島現地対策本部長、即ち、震災復興の福島県のトップ吉野 泉 議員[民主党/衆議院](62)の女性後援会へ(14:00〜17:00 いわき市立 湯本の常磐公民館)。福島県が全国の都道府県に対して県外への避難を求める人への借り上げ住宅の新規募集を停止することを要請した件で、そもそもの「国の福島県民のカンヅメ政策」をやめて欲しい、と求めた。ただでさえ職場を捨てて避難に踏み切るのに、住宅の国の補助まで切られたら、身動きならない。移住の権利の獲得が後退する。
 その前の晩に、同志の南相馬市の大山こういち市議からこの件の情報が入ったので、吉田さんへは色々な認識を問い質したかったが、急遽これを真ん中に変えた。毎日新聞(12/ 2)

 だったのだが、公営住宅を借りられることはそのままかも知れない。ならひとまず安堵。日経新聞(12/ 4)


この人は鈍っているわ。民意を仕入れていないことが判る。国との間が詰まる筈。
対抗馬は吉野 正芳 議員[自由民主党/衆議院]。

 同時刻にやっていた明星大学での双葉郡の東電への賠償を求める総決起大会(住民ら約 1,400 人が参加)に出て、2時間も遅れて来た吉田 議員。こちらは同時刻に小名浜でやっていた東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授の講演会へのお誘いを断って来ている。
 何だか県民意識への認識がなくて県民をカンヅメにする話ばかりするので、質疑応答になると一番に手を挙げて、上の県の借り上げ住宅の件を伝え(吉田 氏、認識なし)、「これは 3/11 の緊急避難の話ではないのです」と。「福島第一原発〜福島市あたりに降り積もったとてつもない量の高濃度の放射性核種が風で絶えず拡散して二次被曝が続く、という深刻な問題があって、学校も対応しようとしないし、そのために福島から出たい人がたくさんいるのですよ」と畳み込んだ。勿論、アルファ線物質が測定しようもない問題、国からの情報自体の問題ほか、県民のリスクはたくさんある。
 全くこの人は困ったもので、「若者には放射能の安全を説いても分からない、偉い学者に回って貰って言い聞かせるしかない」とズレたことを言うので、マイクを持つと、「残念ながら、国からの情報はもう信頼を失っています」とハッキリ言った。この人は復興対策本部 福島現地対策本部長をやりながら、どれ一つ認識がない。低線量被曝のことなど全く頭にないだろう。
 この2点、国と県と町と、議員らにはこれからも機会ごとに繰り返し強く言ってゆく。

 今の状況を動かそうとすれば、避難の権利(→ 移住の権利)を求めるならば、こういう国の政策の要にある人に認識を変えて貰うか、司法しかない。こちらは遊撃で闘ってゆく。

 尚、公設秘書のやたら腰の低いN氏は隣の楢葉町の人だった。



 福島県が全国の都道府県に対して県外への避難を求める人への借り上げ住宅の新規募集を停止することを要請した件。
 県に問い合わせをすれば、決まったことではないし、厚生労働省から要請があるのだ、と言う。厚労省に問い合わせれば、そんな事実はなく、これは財政問題ではなくて必要性によって決められるもので、福島県が決めること、と言う。いつもの責任回避。
 とにかく、緊急避難ではなくて二・三年で戻れるものではないんだ、と。全部を捨てて行こうというのに、こんなことをやられちゃたまったものではない、と言うべきは言った。
 声をぶつけて変えてゆく。



USA政府が日本国内の汚染データを
2011/12/ 3、12/ 5
 取り敢えず南相馬市の大山こういち市議からの入手分。
 http://www.ne.jp/asahi/nonukes/home/files/FieldSampleAirResults_0.xlsx

●虎ノ門のホテルオークラから神谷町、愛宕の辺り、ストロンチウム89が 610,472 Bq/m³。
 ストロンチウム89だけで。都内に飯舘村の高濃度地域が出現した。

●アメリカ大使館の(おそらく)敷地内で、ストロンチウム90が 69,715 Bq/m³。
 日本政府が知らないわけがない。3/18 のサンプル採取で、ということは、だからアメリカ大使館は大阪に移るの日本脱出するの大騒ぎになった、と。それなら、都内ではもっと高い値の所が点在しているでしょう、と。
●立川市の米軍横田基地の(おそらく)敷地内で、ストロンチウム89+90が 30,291 Bq/m³。

●いわき中央インター出口の南側手前 300 メートル付近、ベータ線物質トータルが 26,596 Bq/m³。
●いわき湯本インターの改札口すぐ北側、ベータ線物質トータルが 7,696 Bq/m³。
●中通りの関本パーキング エリア内、ベータ線物質トータルが 1,521 Bq/m³。


 これ、単位はμBq/m³のようだ。だろうね。



土壌汚染調査の木村 真三 氏に問ふ
2011/11/30
 11/29 18:00 〜20:30、いわき市 四倉町公民館で同公民館の主催により「放射能問題を考える講演会(四倉)」として、現在 日本医科大学 准教授の放射線衛生学の木村 真三 氏(44)の講演会があった。

 いわき市がキチンと汚染調査をやらずに安全宣言をしたことで取り残された北部の川前町の志田名・荻地区の高濃度汚染を訴え続けて国を動かした功労者。ウクライナ キエフ州 ナロージチ地区の住民の健康調査に現地入りすること15回。政府のワークショップの講師もやる人が、どんな根拠をもって汚染地に暮らせる・暮らせないを言うか、を確認できた、彼の現状認識が確認できた、という意味で行った意味があった。
 質疑応答でいつものように底の方まで質した。


政府の「低線量被曝のリスク管理会合」では「空間線量5mSv 以下では暮らせる」と。いい加減なものだ。

●この地域で暮らせるか。
 外の空間線量が0.18μSv/h だというどこぞの町の人の質問に「問題ありません」と断言した。
 測定の徒・除染の徒は困ったものだ。この人も「経験していないことは何とも言えない」、「知らないことは何とも言えない」と口癖のように言うのに、空間線量率や土壌汚染濃度だけを聞いて大丈夫を言う。こちらの相棒のH氏に「低線量被曝ではしきい値がないわけですが、そのような線引きで住める・住めないを言うのは如何か」とか、やんわりとたしなめられた(笑)。
 「年間5mSv までなら暮らせる」とはウクライナによる線引き。政府のワークショップ「低線量被曝のリスク管理会合」でも言っているが、100 人当たりのリスクまで言えるのか? そのリスク モデルは? ウクライナの汚染区分で言うと、セシウムで55.5万 Bq/m²の土地の年間被曝線量に当たり、ここから上は移住が義務となる。年間5mSv とは外部被曝だけの話で、自然放射線量の1.4mSv を加えたら、時間当たり0.73μSv。内部被曝もこれに比例するわけで、こんな数字は論外。
 「低線量被曝のリスク管理会合」で文部科学副大臣の森 裕子はこれで押し切ろうとするわ、避難等の基準が示されているチェルノブイリでの汚染区分の無視に走るわ。この偏った知識・・・福島で人体実験を進めているIAEA[国際原子力機関]辺りから外でレクチャーを受けているだろう。

●福島第一原発からの放出量の認識について。
 これは問い質したわけではなかったが、押し問答になった。
 こちらは 6/ 6 付け10/20 付けで原子力安全・保安院が公表した 1,134 京 Bq のくだりを話したが、彼は、この事故での放出量はチェルノブイリ原発事故のそれを超えていないとして、師事する京都大学 原子炉実験所の今中 哲二 助教がチェルノブイリ事故の1/7と言っている、と言う。調べてみると、

 今中 哲二 氏はチェルノブイリ原発事故による放出総量の推定値を、主立った核種だけで、ヨウ素 131(1,700 万 Ci)、セシウム 137(250 万 Ci)、ルテニウム 103(330 万 Ci)、ジルコニウム95(590 万 Ci)、セリウム 144(340 万 Ci)としている。「1993 年度トヨタ財団研究助成報告書」より。
 1ci =37GBq
 3,210万 Ci × 37GBq = 1,187,700,000,000,000,000 Bq = 118.77 京 Bq
 (※ 「チェルノブイリ フォーラム 2005」では希ガスのキセノン 133 の 700 京 Bq を含めて 1,365 京 Bq と結論づけている)

 対して、福島第一原発の放出量(放出総量ではない)は、文科省 発表の正味4日半、1〜3号機のみ、ウラン・プルトニウムの固まりである使用済み燃料棒からの放出分を含めず、の条件で出されていて、今中 氏の5つの核種の放出量を合計すると、17.5京 Bq
 キセノン 133 を含めた31核種では 1,134 京 Bq。この他に低量の核種が数百とも千を超えるとも指摘されている。

 これなら福島はチェルノブイリの14.7%で1/7になるが、今中 氏のチェルノブイリの数字はそれなりに検証が進んだ後に独自に出したもの旧ソ連政府も最初の数字は過小に過ぎるわけで(今中 氏の5つの核種の合計だと65.5 京 Bq)、1/7というのはとても世間に出せるシロモノではない。
 もし今中 氏の言う通りなら、チェルノブイリ被曝各国とIAEA[国際原子力機関]・WHO[国際保健機関]などが参加した「チェルノブイリ フォーラム 2005」の数字 1,400 計 Bq はかなりの過小見積もりということになる。双方の物質間の放出割合を無視すれば、チェルノブイリの全物質の放出総量はその5倍以上の 7,700 京 Bq ぐらいだったということになり、信じ難い。
 他方、やっぱり文科省 ← 原子力安全・保安院 ← 東京電力の数字のハテナに行き着く。6月にはオーストラリア政府の放射能保健委員会が、CTBT[包括的核実験禁止条約]が世界中に張り巡らしたモニタリングの数字から、福島の事故はチェルノブイリの規模になっている、と指摘。最近だと、ノルウェーの大気研究所が、セシウム 137 だけで当初に倍は出ている、と。保安院がプログラムに入力する数値、即ち、燃料の溶融の評価なんかを過小にしているのかも知れない。加えて、ウランもトリチウムもアメリシウムも出ていないことにしている。
 それから、今中 氏はチェルノブイリ事故の死者を5〜9万人と見積もり、「今の“私の勘”では、最終的な死者の数は10万人から20万人くらい、その内、半分が放射線被曝によるもので、残りは事故の間接的な影響でしょう、と答えることにしよう」と。こっちの数は「チェルノブイリ フォーラム 2005」の数字を土台にしているが、ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]のような独自調査をやっているわけでなし、こっちの数も5倍以上にしたら如何か。

●実際には数兆 Bq 出ているプルトニウムの汚染実態について。
 いつものように会場が楽観ムードになっているところに“プルトニウム爆弾”を落とした。
 彼は自身で調査をやっていて、「プルトニウムは(量的に)問題ないと思う」と言う。ここでもまたまたで、調査ポイントの数的にそこまでの結論が言えるだけの調査をしている筈がないし、評価は何をもって言えるのか? 双葉郡にはおそらく1号機の爆発直後に一度 入っただけ。それに、半径 数十kmなら斑状の拡散でそれなりの濃度のまま落ちている問題があるし(学者は均等に落ちている前提で測定・評価をやらかす)、α線物質は土壌以外のものに付いている場合にはほぼ測れない。
 また、「核開発競争の時代にはプルトニウムはもっと飛んでいた」と言うので、「ここは数十km圏でしょうが!」と思いつつ、「それで肺癌になった人も当然いる筈だと思いますがね」と言っておいた。会場、呆気にとられた反応。
 それは兎も角、H氏が言う通り、プルトニウムの数兆 Bq というのも量にするとおそらく数gだが、それなら、地球を覆うにまで拡がったセシウム2核種も僅か数十kg。
 福島第一原発から23kmなら、今後50年を見れば 100 人に1・2人はプルトニウムの吸引でやられるだろうし、ストロンチウム2核種はプルトニウム4核種の二千倍 近く出ている。他に30数物質ある。福島第一原発〜福島市あたりに降り積もったとてつもない量の高濃度の放射性核種が無限に拡散する。とてもとても。
 彼は放射性核種のリスクについてはそう知識がない。線量計測と土壌採取の人。広野町の被曝環境を語れそうなのは琉球大学の矢ヶ崎 克馬 名誉教授ぐらいしか知らない。

●ストロンチウムの汚染実態について。
 調査をしていないので何とも言えない、とのこと。
 セシウムの1/ 100 ぐらいだから(気に留める必要はない)、とまたまた安易に言う。その対比も、文科省自身がセシウムは2核種で3.3京 Bq、ストロンチウムは2核種で 2,140 兆 Bq と言っているから、約1/15。量の話ではないだろう。こうした基本的なデータを持たずに、空間線量だけでそちこちで暮らせる・暮らせないを言って回っているようだ。

 この講演は、ここで暮らさざるを得ない四倉の住民、というのを前提に話していて、こういう講演はどこでもそうだが、除染をすれば暮らせるような雰囲気に会場が染まるのがまことに怖い。安心を貰いに来たような人が多いし、ますます思考停止になる。
 また、原発事故担当相の細野 豪志が「チェルノブイリのように原子炉が爆発したわけではないですから、状況が違います」というのは表現からしてこの木村 氏の言説からのようだ。木村 氏の言葉の端々からも仲が垣間見えるが、細野の言説はかなり木村 氏に依っている印象あり。
 また、彼はECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]の言説は支持していない。

 雑学の収穫としては、空間線量を測る場合、地上1mと10cmの数値にそう変わりがなかったら、放射性核種は地下に浸潤していることが考えられる、と。
 それと、疑問符つきだが、集団遺伝学の常識として、(低線量被曝の場合?)遺伝子に与える影響は数十代後に出る、しかも、自覚があるか分からない程度、よって心配ありません、と。



福島第一原発事故はレベル“8”
2011/11/27
以下、福島県民へのメッセージ。

*     *     *

6/ 6、原子力安全・保安院が福島第一原発からの放射性核種を公表しました。「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書 − 東京電力福島原子力発電所の事故について」。
その後、10/20 付けで「放射性核種放出量データの一部 誤りについて」として放出量の訂正があり、31核種で、計 1,134 京 Bq。兆の上の京です。
放出量は、「チェルノブイリ フォーラム 2005」がチェルノブイリ原発事故での放出総量を 1,365 京 Bq と結論づけているので、その約83%になります。
しかし、これは1〜3号機だけの数字で、使用済み燃料など 1,535 体をプールに満載していた4号機の分は含まれていません。
おそらく、ウラン・プルトニウム等を大量に含む使用済み燃料棒からの放出分は全て含めていません。
核種も、肝心の燃料のウラン 235、水道に流れると怖いトリチウム、プルトニウムから生成されるアメリシウムなどが含まれていません。
ウランは成分分析をすると炉内のものが出たことが判るから、また、トリチウムは4月上旬に低濃度汚染を流して国際賠償請求の動きになったので、放出をないものにした、と指摘されています。
そして、何といっても、これは 3/14 夜までの正味3日半弱だけの数字。原子炉は3月中はモクモク煙を出していて、4月にも大きな放出がありました。
そもそも、福一原発から放出された放射性核種は、低量のものなど、数百とも千を超えるとも言われています。
もう何千京 Bq ? どう見ても史上最大の惨事。
放出総量は、燃料比から、最大でチェルノブイリ事故の20数倍になる可能性があります。使用済み燃料プールその他に積まれた新旧の燃料や未発表の数百とも千を超えるとも指摘される(低量の)核種を加えると、更にその倍ぐらいに。

また、8/26、保安院が福一原発から放出された“死の灰”はセシウム換算で広島原爆の 186 倍になると発表しました。過小工作に余念がない保安院が。これは 6/ 6 付けで発表した数値をもとにしての換算。
ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]のクリストファー=バズビー博士は1〜3号機の使用済み燃料棒の含有量だけでチェルノブイリ事故の 72,000 倍の“死の灰”になると指摘しています。

この夏、全国的にノドがおかしい、ヨウ素が出ている、と騒ぎになって、こちらもいまだにタンが絡んで仕方がありませんが、文部科学省はこれを追及されると、9/14頃までヨウ素が「微量」出ていたと認めました。今も出ています。
テルルが壊変したわけです。
しかし、テルルは4核種で約10京 B。セシウム2核種の3倍になる量ですが、「微量」だそうです。この大きな事件が報道されていません。
それから、文部科学省は 10/20 付けで、当初の発表した数値を、ヨウ素については内3核種を29倍に、テルルについては 108.5 倍にこそっと訂正しました。

そうして、福一原発〜福島市あたりに降り積もったとてつもない量の高濃度の放射性核種は風で拡散して、数十km程度は無限に再被曝するリスクを抱えました。
だのに、国は何の被曝対策を講じようとしません。疎開・移住の補償をせず、汚染地に放置したまま。

県内のマスコミも、テレビ・ラジオはスポンサーが県を去るから、新聞は購読者が減るから、危険な情報は一切 扱いませんね。復興事業とか地域イベントとか、被曝を忘れさすかのような盛り上げ一辺倒。
県内はあまりに現実とかけ離れた情報空間になっています。

県内では医療界も、いわき市の子供が甲状腺に35mSvを被曝していたのに、親には事実を隠し、保安院もWEBサイトの検査結果を削除したあげく、「生涯実効線量[預託実効線量]では2mSvを超えないので問題ありません」なんて目眩ましをやるようになりました。福島医大を筆頭に、医者が政治的に診断をするようになりました。
アルファ線・ベータ線による体内被曝は量・核種ともに測定しようがなく、内臓ほか全身くまなく細胞組織を検査する以外にないでしょう。不可能。

と、て、も、福島にはおれません。
皆さんはこの福島をどう生きるのでしょう?



安全厨はバズビー博士が嫌い
2011/11/26
 現実を直視したくない者に限ってECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]のクリストファー=バズビー博士を目の敵のように貶す。ただただ安心したいところを、バズビー博士の言説がそれを壊すから。
 あるSNSで、遠方へ避難する予定のこちらに対して、某国立機関の准教授は「できるだけ早く速やかに遠くへ避難をおすすめします。それでは遠くの避難先から、ご連絡をお待ちしております。それではお元気で!」と憎まれ口を叩く。この人物はいわき市内の空間線量の測定をやっているが、「バズビーのデータを信用する人とそうでない人といると思います。信じる人は、はやく遠くへ避難したほうが良いと思います」と。憎まれ口を別にして、我々がやるべきは、信じる・信じないではなくて、今 知り得る・考え得る情報から、住めるか住めないかを客観的に判断する、予防原則で動く、ことではないの?
 それで、どこぞの先生の検査を信じるから自分はいわき市に住むのは問題ないと考える、と。「御勝手に」だが、その言説の癌発症率は何%か? いわき市の人口は幾ら? この距離なら、生涯で 100 人当たり5人が原発事故由来の癌を発症したとしても、いわき市では 16,700 人が患うことになる。この半分が死ぬとしたら、市民はその事実を許すだろうか?
 空間線量や除染の徒は決まって除染による前進しか視界にない。まして、国立大学や県内の教育現場の連中は。視野狭窄か新興宗教かだ。その空間線量だけで数倍 上がった土地に居たいなら、北から西からの飛来する汚染ダストを無限に吸い込んで暮らすことをお忘れ無く、と言いたい。ストロンチウム・トリチウムをゴクゴク飲んで、たまに、プルトニウムも吸いますか。
 そして、拓けないことを言う。内部被曝や土壌からの被曝のことを語れないのに、こちらの被曝リスクの根拠を「不透明」とのこと。将来どこの器官がどうやられる・やられないまでハッキリ出来ない限りは、どんな言説も所詮 不透明なのですよ。線量検査や土壌汚染濃度検査の手法・サンプリングが適切だったとしても、そこまで。
 第一、疫学的リスクの透明・不透明を言ったところで、実際には国が年間被曝線量なりの線引きをしようとして、国は金がないからそれを高くしようとする、こちらは引き下げようと努める。疫学的根拠の問題ではなくて、政治の問題。

 気付くに、うちの広野町では町に帰還か他に移住かの大問題だし、福島第一原発に近くて緊急避難を経験したから、爺ちゃん・婆ちゃんもリスク情報を知りたがる。
 ところが、いわき市その他だと、安心が欲しくてリスク情報を嫌う傾向があって、感情的に反発が出て来る。汚染の酷い福島市とか郡山市とか、話に聞いてはいたが。自分で風向きを変えるつもりはないようだ。
 そこで、「バズビーさんなんかは、単に不安な者の心理を煽って金儲けをしているだけ」と言い出す者あり。「金儲けが目的」の根拠を問い詰めても、根拠なし。仮にサプリメント販売のマージン収入があったって好いだろう。ボランティアで動く義務があるわけでなし。
 不安心理由来のいじめの構造がある。不安的要素の多いバズビー博士を叩いて、皆で安心を得ようとする。
どこの職場にもあるアレ。始めにそれがあって、そこからバズビー博士の言説の粗探しに入る。
 それじゃ、こういう方々はICRP[国際放射線防護委員会]・IAEA[国際原子力機関]のリスク モデルで健康調査をやって貰ったら如何か。
 赤信号、皆で渉っても赤信号!



高濃度汚染地域から数十kmではマスク! ゴーグル!
2011/11/21
 いわき市にいる限り、外では0.1ミクロンの微粒子を捕獲できる規格(N 100 > N99 > N95)のマスクに加えて、眼球は裏側の内部に続くから密閉のゴーグルも必要。とにかく、マスクをする!
 福島第一原発〜福島市〜中通り南部に降り積もっているとてつもない量の放射性核種を、北西の風が吹き散らし始めた。地上で風が凪でも、上空の気流は別で、空から降って来る。即ち、二次被曝。これからも続く大問題。髪の毛や外出着をバサバサと払ってうちに入る。二・三日 滞在するわけじゃないから、なるべく神経質にする。
 福一原発から南に45kmなら、内部被曝は、食べ物以上に、大気中の汚染ダストの吸引の方に神経を払わないといけない。
 福一原発を挟んで北側の南相馬市の大山 弘一 市議会議員はご自宅が特定避難勧奨地点とのことで、家の中でもマスクをしなくては、とブログに書いていた。今の状況を子細に知れば、本当にそうなる。

 
室外:0.18μSv/h。北西の風が吹くと更に上がる。以前は0.13μSv/h 程。

 
室内:0.12μSv/h ほどで安定。
 
 福一原発の事故は、これまでの放出物の行政資料や海外での指摘からしても、1〜4号機の核燃料の総量がチェルノブイリ原発4号炉の総量の 20.26 倍という事実からしても、おそらく3月中にはチェルノブイリ原発事故の放出総量を超えている。
 夏の終わり頃には、ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]のクリストファー=バズビー博士は、チェルノブイリ事故の数倍は深刻な事故だ、とこの経過から語っており、ベラルーシ・ウクライナ等との人口密度の格段の違いや日本政府の住民放置を挙げる。
 原発事故担当相の細野 豪志はいつも「チェルノブイリのように原子炉が爆発したわけではないですから、状況が違います」とほくそ笑んで言うが、大ウソで、放射性核種は高熱でエアロゾルとなってダダ漏れしており、或いは、ドライ ベントで出ており、爆発の有無がどうこうではない。爆発を言うなら、3号機には核爆発があり、しかも、フランスのアレバ社が納品した発癌リスクが格段に高いMOX燃料(東京電力によれば、燃料集合体 548 個の内、32個がMOX)が飛び散ったこと、そこから中性子線のリスクもあること、は内閣の事故調査委員会やらでよく承知している筈だが、それらには口をつぐむ。民主党の政府は国民にとって危険な情報を次々 安易に隠す。国家を運営する力がないのだ。
 現実には、過小評価ばかりの原子力安全・保安院でさえセシウム 137 の熱量換算で広島原爆の 168.5 倍の“死の灰”が出ていると 8/26 に発表している。つまり、半減期が30年のセシウム 137 は広島原爆では89兆 Bq、今度は1.5京 Bq と。先のC=バズビー博士は少なくても広島原爆の 72,000 倍と言っているようだ(8/29 Independent、翻訳)。要するに、セシウムは桁が一つ上の数十京 Bq は出ている、と。文科省と保安院の重ね重ねの隠蔽と数字操作からすれば、これが実態に近いかも知れない。とてもじゃないが、数十kmなんて場所には居られない。(後記:72,000 倍というのは1〜3機の使用済み核燃料のセシウムの含有量を言ったものらし。4号機があるから 96,000 倍ぐらいということになるか。そして、この数字には各炉内の燃料の分が入っていない)

 この状況なのに、いわき市、外では子供らが走り回っているし、仮設住宅では洗濯物や布団が外に干してある。マスクをしている子供を見掛けない。空を跨いだ北茨城では9.2Bq/m²のプルトニウム 239+240 が検出されている。
 信じ難いことに、学校では児童・生徒にマスクの奨励をしない。母さん方が言うには、校長なのか教育長なのか、皆でマスクは危険に映るから、という物言いがあったそうな。現状認識を欠いている上に、どの業界でも「避難しないで復興に努める」という“空気”に、自ら、従っている。“空気”、小室 直樹 氏が言うところのニューマ。

 ここ、いわき市 中央台のγ線の空間線量は写真の通り。
 地表のセシウム2核種の沈着量は文部科学省の汚染マップで6〜10万 Bq/m² だが、ここは仮設住宅を建てる時に大粒の砂利を敷いて、今は所々その上をアスファルトで固める工事をやっているから、周辺よりやや数値が低い。それも放射性核種の拡散が続くことで変わるだろう。

 11/20、広野町議会議員選挙があった。
 選挙広報の政見欄に「疎開」や「移住」の文字を書いている候補は一人もいない。町がやった住民アンケートの結果でも、過半数の町民が町に帰還することを望んでいるから。これは先日の自民党本部での国会議員も同じで、森 雅子 議員はこちらの「移住しかないのでは」の問いには答えない。
 ただ、町議会、先日の彼らとの長い対話集会で、こちらはなぜ広野町へ戻れないかの一々を長々懇々と説いたし、選挙公報には広野町への帰還を主張するような文言もない。“これは戻れないかも知れない”の認識が出来て来たということで、対話集会が始まってすぐに彼ら一人々々が町への帰還を訴えていたことを思えば、驚くような変化。易示の通り。もう一歩。



警戒区域の「解除準備区域」が指定解除されたら
2011/11/19
 東京電力福島第一原発事故で設定された半径20km圏の警戒区域などについて、政府が、原子炉を冷温停止状態にする収束作業の「ステップ2」完了後、放射線量に応じて「解除準備区域」や「居住制限区域」、「長期居住困難区域」といった新たな区分に変更し、比較的 線量が低い地域を優先して、従来の区域の解除を進める方針であることが18日、分かった。
 ステップ2完了時に、こうした考え方を示す。インフラ復旧のための大規模な調査を行い、解除に向けた具体的な手続きに入る。
 政府関係者によると、新たな区域の設定は来年3月末頃までに実施する方向で検討している。
(2011/11/18 20:52 共同通信)

 広野町が「緊急時避難準備区域」の指定解除を受けての広野町役場 湯本支所での住民説明会では、指定を解除するということと住民が町に戻れるということとは別だ、と政府の担当者は言い、当たり前だが、このどこぞの審議官に権限があるわけでなし。
 今度、警戒区域の「解除準備区域」が指定解除されたら、それより外の広野町の我々は移住の補償を確保するのは難しくなる。まして、国が目安にしたがる空間線量が更に低い南の いわき市の34万人は猶更だ。資力のない者、病人などは自力救済できない。司法の話になる。
 年間1mSv 以上の地域を除染する、というのも「自然放射線量と地上からの放射線量を足して2.3mSv 以上の地域が対象になります」、そんなことを環境省の女の子がシレッとして言う。しかも、γ線だけの話。国はこういう詐欺商法ばかり。1mSv って、こんな汚染をやって、他の外部被曝量とそれよりケタ違いに多い内部被曝量とを加えたら、年に何 mSv? その「自然放射線」も原発・核実験由来のものが相当にある。
 広野町の「緊急時避難準備区域」を指定解除した理由については誰かが審議官に質していたが、審議官、何を言いたいのか分からない。ただ、土壌が10〜60万 Bq/m² で、大気中にどれだけ放射性核種が飛んでいるか知れず、復興対策本部 福島現地対策本部が水道水を管理して地下水についてもハイ リスク物質の検査をしようとしない広野町に、幼児も妊婦も普通に住んでもOK、とのこと。勿論、こういう都合の悪い質問には答えをずらす。こやつらは言葉の上でその場が凌げればいい、と。こういう連中とは言葉で物事が進むことがない。
 要するに、国は事故収束とやらのロクに中身のないステップを進めることが先にありきで、この途轍もない巨大災害を小さく小さく見せることが目的になっている。そのためには低姿勢のふりをして何でもやって来る。

 結局、地元が騒がないからこうなる! 強い声があっても、県内の腐り切った新聞・テレビが決して扱わないから。マスコミが扱うようにするにはどうするか・・・。



貴人は福一原発近くへの訪問をおやめ下され
2011/11/19
 5月には天皇・皇后が、昨日はブータンのワンチュク国王・王妃が南相馬市の北隣の相馬市を訪れた。

 こういう貴人は福島第一原発の近くには来られるべきではない。彼らの訪問は「あんな人も来ているんだから」と、広く、福島県民に安全・安心の雰囲気をばらまいてしまう。県民の数からすれば、何人もの自主避難・移住の気持ちを鈍らせ、奪っている。補償がないから、ただでさえ、土地を移るには仕事や生活の問題が強く足を引っ張っているのだ。
 実際、天皇は立派に政治の道具をおやりになられている。それなら、慰霊は皇居ででもおやりになられて、「なぜ来られないんだろう」と人々の疑問を喚起なさることだ。

 “大本営”政府の安全・安心作戦と避難補償の拒絶が利いて、福島にはまだ 200 万人弱が残っている。住民台帳上、たった5万人程しか出ていない。
 UNSCEAR[原子放射線の影響に関する国連科学委員会]はチェルノブイリ原発事故による全世界での癌による死者数を70年間で 600 万人と算出している。ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]のクリストファー=バズビー博士は、その委員会のリスク モデルから福島県民が1年以内に避難をするならば、将来の死者数は著しく減少する、と来日時に語っている。結局、ECRRの検証の姿勢が最もまともに思う。
 目の前に枝野 幸男や細野 豪志が現れたものなら、思い切り張り倒してやる。パフォーマンスで多くの福島県民を被曝させた上に、遠方避難の措置も執らず、放置した菅 直人の大バカもだ。



原発事故の避難者は疲れ切っている …
2011/11/13
 福島第一原発の爆発から8ヵ月、避難者は疲れ切っている。慣れない生活、被曝へのストレス、今後への不安・・・特に高齢者は弱りが来ている。
 七十代後半のうちの母も、点滴に病院通いで、めっきり弱った。知らない土地へ引っ越しなどしたら体がまいってしまう、と言う。
 こちらも、空気をまともに吸う気にならないし、いちいち深刻な状況を理解しているだけ余計にしんどい。家財道具を押し込んだ仮設住宅の窮屈さ、猫の四六時中の鳴き声のストレスと周囲への気遣いがベースにあって、疲れに輪を掛けている。

 住民を集めた“勉強会”の講師を頼まれているが、高濃度の汚染地域に降り積もった放射性核種が拡散を続ける話、広野町で再び生活となった場合のいろんなリスク、これから国・東京電力と永い裁判が待っているかも知れない、などなどの話をしてよいものか・・・。県内の新聞・テレビは福島から人が去ることに繋がる情報は一切 扱わない外道ぶりだが、噂はあるから、皆、色々と聞いて来る。
 何でこんなに追い詰められるのか。何で幾ら方々に事実を突きつけてもここまで放置されるのか!
 以来、国の対応はウソ・ゴマカシだらけ!
 被害者の東電は避難者の何をケアするでもなし!
 身内の筈の県・市町村も税収が落ちるから、転出に繋がることを拒む。

 皆がエゴ、ウソ。情報と補償の点で福島県民は殺されようとしている。

 すると、さっきまで丸一日 留守にした間に、マー ♀[猫]がカギを掛け忘れた窓を開けて出て行って、行方不明・・・。視力がかなり弱いし、周囲は自動車が走り回っているから・・・足の底がよじれるまで探したが・・・。
 最低限 守らなくてはならないものが指の間から何度もこぼれ落ちる。生きる力が段々 失われて行っている。



津波に「行かないで」と言う母を …
2011/11/13
 一昨日のTBS「News23X」の膳場 貴子さんの宮城県からのレポートに、3.11の津波で、目の前の窮地にある母親を置き去りにして自分の命を選んだという、仙台育英学園高校1年生の菅原 彩加さんの体験談があった。

 「母のことを助けたいけれど、このままここにいたら私も流されて死んでしまう。助けるか、逃げるか・・・私は自分の命を選びました。今 思い出しても涙の止まらない選択です。「行かないで」という母を置いて来たことはホントにつらかったし、もうこれ以上つらいことは一生ないのではないかと思います」(TBS映像)(YouTube)

 昔の自分だったら、これを聞いたら、人間不信と軽蔑の念で終わったかも知れない。しかし、それは、その時 自分が満足な状態なら、その状況を救える力があるなら言える、ということを今回よく知った。
 こちらの場合、引き波に近所の家が海に流されて行く様を高台から遠望して、急ぎ駆け足で戻り、海そばのお寺の修行院で頭から波を被った男性が「お婆さんが流された」というのを聞いて、それは毎朝のようにおしゃべりをしていたお隣の根本さんのお婆さんだとは避難後に分かったが、その時、それに気付いたとして、はぐれてからの時間や場所が掴めたとして、あの凍える冷たさの中、一面 湖の状態になっているお寺の周辺の水の中にジャブジャブ入って探したか・・・
 実際問題としては、こちらの場合、起こったことが大き過ぎて、何をどうすべきなのか、放心に近かった。頭は漠然と自分の家がどうなっているか、こんな大ごとになるとは思わずに置いて来てしまった猫たちは、ということにあった。

 そこで、この女の子の状況に置かれたとする。救うべきが身内という最優先の問題だが、例えば、片腕を骨折していたとしても、抗せざる状況だったとしても、気丈に徹したか、ひるんで一時の撤退を択ばなかったか、そこに残って我が身に起こることを考えなかったか・・・
 何どき強盗に腹を刺されても必ずそやつの腕をへし折ってやるぐらいのつもりでいた若い頃のまっすぐな自分はまるで劣化している。これで良い筈がない。「備えなき、力なき正義は無能」。



低線量の警戒区域を解除し、除染して住民を戻す?
2011/11/10
 政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い立ち入りを禁じている同原発20キロ・メートル圏内の警戒区域のうち、放射線量が特に高い地域を長期にわたって居住が困難な地域として指定する方向で検討に入った。
 将来的な帰宅を希望する住民を対象に、国が土地の借り上げを行う一方、当面の措置として、周辺の低線量の地域に住宅を建設するなどの支援策作りにも着手する。周辺に数十年間 居住した上で、帰宅を果たす2段階での帰還を目指す考えだ。居住困難として指定する地域は、年内達成を予定する事故収束の工程表「ステップ2」にあわせて公表する。政府は警戒区域の環境調査を進めており、放射線量が低い地域に関しては警戒区域の指定を解除し、除染を進めて早期帰宅の実現を目指す。
(2011/11/ 9 14:43 読売新聞)

 この記事が間違っていないとしたら、この民主党の政府は、いよいよ機能不全も末期か、頭がおかしい。危険情報にタッチ出来ないまま情報過疎にある多大な住民を死に導こうとしている。野田 内閣、菅 内閣、一般国民にとっては全くの敵性政府。この連中の罪業は清算されないといけない。
 頭がおかしいの、狂っているのと何度も書きたくないが、北西の風による再拡散で、放射性核種も放射線もウジャウジャの空間に、身体にいつ・どんな異状を来すか知れないところに、奥さんや子供を戻せますか?
 細野 豪志、枝野 幸男、燒リ 義明、海江田 万里、この頭の脆弱な連中の顔と名前は永く忘れないだろう。ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]のクリストファー=バズビー博士は言った、ナチスによるユダヤ人の強制収容所送りは政府としてやったことだが、責任は個人々々にある、と。財政問題なのか除染マネー絡みなのか知らないが、「除染・除染」とホロコーストを叫ぶ輩は思い切り張り倒してやりたい! 利益のために福島第二原発の存続を働きかけている輩もだ。



広野町の町議会は老人会
2011/11/10
 11/ 6、広野町の町議会議員選挙(11/20)に立つ候補者たち15名とここの仮設住宅に入居する住民らとの対話集会あり。18:00 から3時間も。
 どの議員も広野町に戻ることを前提に何をどうするの話をするが、町域の汚染の実態の何をわきまえるでもない。α・β・γ線の別も知らない。政府は除染もしない内から緊急時避難準備区域の指定を解除したと非難するが、何年後にどうなったら除染できたことになるのか頭にないし、案の定、空間線量がソコソコ下がったら戻れると思っている。古参のN氏なんか町を盛り上げて人口を増やすとさ。住民、呆れて席を立つ。
 超危険な放射性核種がどこにどうあるか知れない点でも、除染作業の人数と年月の点でも(国は金がないから住民協力を言い出した)、膨大な廃棄物の処理の点でも、勿論 国の財政支援の点でも、どれを取ったって除染は行き詰まる。一軒々々、α・β線物質がどこにどんな具合にある、という汚染マップが出来なければ帰還はあり得ないが、これは不可能。広野町なら地場の食材しかないから、毎日 100 Bq を摂取していたら、排泄はあっても、一年後にどんな積算になるか?
 現職も新人も殆どが還暦超えだが、もう事故から8ヵ月、ここまでの不認識は怠慢の一語。町の議員って議会をやること自体が目的? 底の浅い退屈な内容の。山田 基星 町長また然りで、これではこれから住民利益を求めての国との丁々発止の駆け引きなど、結果は見えている。気力のない、啓けない町。こちらも広野には自分の想い出しか興味はない。

 広野町から少し内陸に入ったところにある川内村の遠藤 雄幸 村長は最近までベラルーシ・ウクライナに調査視察に行って、ベラルーシのプリピャチでは「来年3月には住民を村に戻るつもりでいる。実際、うちの村は空間線量が1μSv/h 以下だ」と言い、放射線防護委員会の代表に「線量の値だけで避難するか戻るかを判断すべきではないと思う」と意見されていた。放射性核種はヨウ素とセシウムしかないのですか? このレベルでチェルノブイリに行ったって殆ど意味がない。別の人には、大切なことは健康に影響が出るような地域に住民を住まわせることは許されない、と言われていた。

 で、対話集会、長々と退屈なので議員らを質問攻めにしたら、こちらの独演会に。プルトニウムやらストロンチウムやら、どこにどう落ちているか知れない話をした先から、議員らは住民らで除染チームを作る話だから、アホらし。他の人も、不用意に草むらに入ったりすれば手や足にくっ付いて危険だ、と訴えているのに。
 シラケた住民らはこちらの方に色々 聴いて来る。このいわき市 中央台の仮設住宅は最初に割り当てになったこともあって、殆どが高齢者。この人たち、政府は町はどうするつもりかね、歳費を貰っている方々よ。
 住民らは時々 町に戻って庭弄りだ草刈りだとやっている。これから北風が吹いて放射性核種が更に舞うし、この前 首相の野田 佳彦ら閣僚に復興の陳情をやって来た議長さんにN95・N99のマスクを是非 町で買って配るように求めた。

 すると、昨日、中学校の校長だった井戸川 先生(福島第一原発が立つ双葉町の井戸川 克隆 町長の兄さん)より、対話集会のこちらの説教が絶賛だったと(笑)、住民らから要望があるので、こちらに勉強会の講師をやってくれとのこと。
 やるけれど、町の議員やら事業はやるつもりはないし、逃げます。2ヵ月前に いわき市に移ってから、ノドも胃腸もおかしい。
 セシウム 134・137 の沈着量(第三次調査 7/ 2)は、石川町の母畑温泉辺りは1万〜3万 Bq/m²だったのが、いわき市のこの辺りは6万〜10万 Bq/m²、母たちがいる いわき駅の辺りは3万〜6万 Bq/m²。広野町が最後に建てた いわき市 四倉の仮設住宅の辺りに至っては広野町の中心街と同じ10万〜30万 Bq/m²で、距離的にも移る意味が殆どない。

 今後、映画で宇宙ウイルスが感染して行くような、周囲の人間がバタバタ倒れるような場面に遭遇することはないだろうし、白血病で亡くなる人が目立つの、どこぞの家では奇形の子供が生まれたの、と噂を耳にするぐらいで歳月は過ぎるかも知れない。しかし、数十年後、10万人当たりの被曝関連疾病による死亡者の例年からの増加分を全国集計した時、この事故の犠牲者の全貌は明らかになる。我々はその死亡者の最有力候補。その意味で状況は切迫している。



自民党本部で国会議員と官僚に状況を突きつける
2011/11/ 8-11/ 9
 11/ 1、「放射能から子・孫を守る親父の会」のセッティングと「いわきの子供を守る ネットワーク」からのお誘いで、永田町の自由民主党 本部へ行って現状を突き付けた。総勢23名。
 いわき市 選出の吉野 正芳[衆]森 雅子[参]岩城 光英[参]、福島市 選出の“ヒゲの体長”佐藤 正久[参]の秘書さんと、秋田第三選挙区支部長で「放射能から子孫を守るオヤジの会の秋田県会長」の御法川 信英 氏、及び、文部科学省・厚生労働省・環境省の担当官僚・検査官ら13名が揃った。
 避難所になった小野町町民体育館で一軒々々を回って皆の声を集めてくださった吉野 議員はシャドー キャビネットの環境大臣。森 議員は1期ながら自民党の副幹事長で、あらためて知ったが、このいわき市 出身の議員らが中心となって福島第一原発事故に対する様々な法案づくりを与党議員を抱き込んでやっている。ここ重要。今回の原発事故からの子供の保護の推進に関する法案の骨子も配られた。ただ、野党なのに、ここにも「疎開」・「移住」の文字はない。


お母さん方が吉野 正芳・森 雅子議員に要望書を読み上げる。

 カレー ライスを頂くと、議員では森 議員だけが残っての勉強会。
 森 議員より、3/12、当時の首相の菅 直人が福一原発にヘリで駆け付けるパフォーマンスがなかったら、風が太平洋に吹いている時間帯にベントが出来たワケで、こやつのために大変な数の福島県民が被曝した、との恨み節あり。このヘリの来訪の大分 前には内閣に SPEEDIE の情報が届いていて、菅は己が安全のためにはこれを利用して、住民には「パニックになるから」と隠した、と。
 そして、 MOX燃料を焚いていた3号機の 3/14 の大爆発では、南に流れた放射性核種のプルームが子供の背丈ぐらいの高さでいわき市内をゆっくり通って行った、との憂鬱な話を聴く。これは以前 彼女の参議院での答弁でも聴いたが、広野町が、行方不明の猫たちが、汚染される様を想像してしまう。
 また、これからの医療裁判に備えて、立法化して、国・東京電力側に立証責任を求める、という。

 この話を受けて、続く質疑応答で森 議員に地元の問題を提起した。
 福一原発から遙かに距離のある関東であれば、放射性核種は入り交じって拡散して薄まって比較的 均一に撒かれているだろう。しかし、20kmぽっちの広野町は、分かりやすく言えば、比較的それなりの濃度のままこっちにプルトニウム、あっちにストロンチウム、といったように落ちているとされる。α線は射程が数十ミクロンだから測定が出来ないし、足元にプルトニウムが在っても在ること自体が分からない。空間線量が指標のようにされているが、放出した物質の殆どは量的にもβ線物質。そのストロンチウムはプルトニウムの二千倍近くも出ていて、本当におっかない。これは森さんの地元のいわき市もそう変わらない筈。(親父の会より「そうだよ、本当にそうだよ」の声ワイワイ) だから、まともな除染なんか出来る筈がないが、広野町は町長をはじめ意識が低くて、来年3月には役場の機能を町に戻して、来年中には住民を戻す計画でいる。初めから町に戻るという頭だ。どうして戻れるか? それから、双葉町・大熊町から福島市辺りに掛けての広大な土地にとてつもない量の放射性核種が降り積もっていて、これから北西の風で周辺に拡散する。よくセシウムは粘土質とくっ付きやすいからそう心配ないような話も聴くが、セシウムだけの話ではないし、福一原発から放出されているのはとんでもない量だ。これらについて国はどう対応を執るつもりだろうか、どう考えても移住しかないではないか、と気合いが入った。
 森 議員はこの除染の問題について答えを環境省の担当官僚に振ったが、一生懸命 除染に努めるような無内容の答弁。移住のことを含め、国の対応については何ら見えない。森 議員は情報収集の虫だが、汚染の実態について国の情報が最も集まっている筈のここでこうなのだ・・・。省庁では担当が違うと何も分からないし、情報が共有されていないから、森 議員は何度も縦割り行政の弊害を嘆く。ただ、3月から国会でも福島でも八面六臂に働き回っている彼女はこっちにプルトニウム、あっちにストロンチウムのくだりではノートにペンを走らせた。この辺り、今後の参議院での徹底追及と遠方移住までの法案づくりを是非 期待する。
 住民が普通に暮らせるだけの除染というものは出来ない、福一原発周辺の住民には移住しかない、早くしないと大勢の被曝が進む。政府が進める除染 only の状況を何としても地元から引っ繰り返さないと。

 続いて、先日の緊急時避難準備区域の指定解除後の生命飼いに続き、プルトニウム 241 の拡散の実態について問い質した。
 この会の答弁のために出先からわざわざ呼び戻された文科省の原子力災害対策支援本部の職員が答弁したが、プルトニウムについては、どこぞの大学の先生に調査・評価を依頼しており、241 については放射エネルギーが大きいために土壌・空間 共に調査をしておらず、同位体の数値から推測すると、評価に値しないという。241 だけで数兆 Bq も出ているわけだが。
 化学の話がイマイチ分からないが、一つはこういうことだ。9/30 付けで発表した「文部科学省による、プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について」にこうある。「原則として、80km圏内は2kmメッシュに1箇所の地点で土壌試料を採取しており、これらの試料の中から、プルトニウム 238、239+240、及びストロンチウム 89、90 の調査箇所を選定した。なお、〜放射性セシウムやヨウ素 131 等のガンマ線を放出する放射性核種に比べて、分析前の試料調整等に時間を要することから、下記の要領で分析を実施する調査箇所を選定し、それぞれの箇所で採取された複数の土壌から1試料選択して、分析を実施した」とサンプリング。
 「プルトニウム 238、239+240 の分析にあたっては、採取された土壌の内、50グラムを放射化学分析し、シリコン半導体検出器を用いて、約20時間 計測した。検出下限値は、プルトニウム 238、239+240 ともに、約0.5 Bq/m²である。ストロンチウム 89、90 については、採取された土壌の内、30グラムを放射化学分析し、低バック グラウンド ベータ線測定装置を用いて、約60分 計測した。検出下限値は、ストロンチウム 89 で約 300 Bq/m²であり、ストロンチウム 90 は、約40 Bq/m²である」と検査を行った。
 それで、「今回 採取した土壌は、ある程度の広さを持った撹乱のない土地(警戒区域、又は計画的避難区域の中)を選んで採取し、測定されたものであり、地点数は限られているものの、福島第一原子力発電所から80km圏内に おけるプルトニウム 238、239+240 及びストロンチウム 89、90 の拡散状況を確認することができた。本調査においてプルトニウム、放射性ストロンチウムの沈着量の最高値が検出された箇所において、仮に、50年間 滞在した場合に生じる、土壌からの再浮遊に由来する吸入被ばく、及び土壌からの外部被ばく線量の積算値(以下、「50年間積算実効線量」と言う)について、IAEAが提案している緊急事態時の被ばく評価方法(※)に基づき計算したところ、本調査においてセシウム 134 やセシウム 137 の沈着量の最高値が検出された箇所における50年間積算実効線量と比べて、非常に小さいことが確認された」と評価している。政府の目論見どおり、セシウムに問題を極小化させて、空間線量を避難の是非の基準にしろと言わんばかり! 事実を隠していたヨウ素については言わなくなった。
 ※ 本手法では、放射性核種が沈着した地面上に留まると仮定し、放射性核種が地表面に沈着した後のある期間(最初の 1 ヶ月間、2 ヶ月目の 1 ヶ月間、50年間)の積算実効線量を評価する手法を定めている。なお、この実効線量には外部被ばく線量 及び再浮遊した放射性核種を吸入することによる預託線量が含まれる。また、積算実効線量の算出に当たっては、放射性核種の崩壊、壊変換ならびにウェザリングの効果が考慮されている。加えて、放射性核種の再浮遊による吸入被ばくを安全側に評価するため、実際の事故時において観測されているよりも安全側の再浮遊係数として 10-6/m を用いている」と。
 「本調査において、プルトニウム 238、239+240 及びストロンチウム 89 及び 90 の沈着量の最高値が検出された各箇所における50年間積算実効線量、プルトニウム 238:0.027 mSv、プルトニウム 239+240: 0.12 mSv、ストロンチウム 89:0.61μSv、ストロンチウム 90:0.12mSv」と。
 引用が長くなったが、福一原発から数十km程度の土地にこんな机上の空論の評価をして事足れりとする、この学者先生も官僚もアホではないのか? 障碍のない平地に、地面だけにフォール アウトしたような前提の調査・評価に何ほどの意味がある? 広野町でもどこでも、その2km²内には山も谷も田んぼも住宅街もあるのであって、北方から来たプルトニウムやらストロンチウムやらは、どこにどんな濃度で溜まっているか分からない。土壌汚染調査・空間線量調査を積んでも、汚染実態の分布にはならない。原子力安全・保安院が昨年 6/ 6 付けで公表した資料ではγ線が問題となる核種は5つしかなく、β線は射程も色々だし、環境中に落ちている放射性核種は多くが測定が出来ない。この文科省の調査は広域での汚染の分布が大まかに分かるだけであって、こんな評価だけで首長が帰還に首を縦に振ったものなら、その内、大勢が死ぬ。そして、その結果には誰も責任を取らない。

 政府や官僚らは、国民には安全を言い、自分らは最大限の警戒をする、ダブル スタンダード。
 親父の会のリーダーは、経済産業相の枝野 幸夫が先日 南相馬市に来た時には車から物々しい完全防備の姿で降り立った。その少し前に同市の土壌からストロンチウムが見付かったからだ、と指摘した。先の文科省の評価では50年間 暮らしても無視できる数値だった筈だが、どうなすった?
 また、お母さんの一人は、いわき市では水道水は子供でも問題なく飲めると言いながら、職員はペットボトルのミネラル ウォーターを持参している話をした。いわき市の水道水の定期検査では、ウランもプルトニウムもストロンチウムもトリチウムも検査項目に入っていない。水質は地元の水道局から復興対策本部 福島現地対策本部の管理になった。
 こんな行政の何を信じろと?!

 だから、241 については調査自体をしていないなら、無視できるという理屈を文科省のサイト上に公開するように求めたし、それは森 議員の事務所に届くことになっている。閉会になっても廊下まで食い付いて真意を質したが、彼らはとにかく多忙で一つ一つの仕事を密にこなせていない印象。要するに、国の決定は一つにはここからおかしくなっている。
 午前中は吉野 議員の秘書さんの手配ですぐ近くの国会議事堂の見学。そのため、質疑応答が正味45分だけで、福一原発から出ていないことになっているトリチウムのことまで追及できなかった。この官僚にメールで問い質すか。

 続いて、女性陣は森 議員と自民党本部の1階の「Cafe Sta」でネット中継に参加(YouTube)、いわき市の現状などを訴える。ここ、「福島のこどもの健康を守る会」となっているが、間違い。この様子は今回 同行した「いわき経済報」にもアップ。
 とにかく、森 議員らの仕事に是非とも期待したい。今回、福島の女性の行動力には脱帽。


どれ、代議士になるか(笑)。

 帰宅後、「いわきの子供を守る ネットワーク」の“團長”さんから、今月中ぐらいに復興対策本部の福島現地対策本部長の民主党の吉田 泉 議員[衆]を呼んで意見交換会(2度目)をやるので、と連絡あり。是非、参加。



「全てのジュネーヴから離れよ」
2011/11/ 7(改 2012/ 1/29)
●百詩篇 第10巻72番
 「1999年7の月、空から恐怖の大王[「支払い役の大王」とも言い、放射性核種]が降ってくる。アンゴルモアの大王[全国の原発]を復活させるために。その前後の期間、マルス[火の神、即ち、東京電力・原子力村]は幸福[原子力の平和利用、電力の安定供給]の名のもとに首尾よく支配するだろう」

 
蔵書は津波と共に消えぬ。
 
 今の現実とよく重なる。「ノストラダムスの大予言」のどの本だったか、著者の児島 勉 氏はこの一篇を大震災に描いて、「恐怖の大王」を「超汚染」のこととしていた。
 「その前後の期間」とある。すると、原発は今後も暫く利用されるだろう、と。福島県 浜通りのこの地元だって、津波を被った福島第二原発(富岡町・楢葉町)の廃炉には反対という意見は多いの何の。

●百詩篇 第9巻44番
 「離れよ、全てのジュネーヴ[原発]から離れよ。黄金のサトゥルヌス[悪魔、即ち、ウラン・プルトニウム燃料]は鉄[高濃度放射性廃棄物? バラ撒かれたα核種は鉄・錆に付着]に変わるだろう。RAYPOZ の反対[放射線]が全てを滅ぼすだろう。到来の前に、天が徴を示すだろう」

 これらの詩を日本人の児島 氏が40年も前に取り上げて人口に膾炙したこと、そして、これらが今 社会の主軸にある我々の世代の記憶に深く残っていること。これを恣意的だこじつけだと簡単に言う勿れ。ある人は、易示やその解釈というものについて 365 日【風澤中孚】の頁を開いたまま客の相談に乗っていた老易者の話を持ち出すなどして笑う。だが、少し共時現象まわりの世界を確認する作業やってから言ってくれんかね。



緊急時避難準備区域の指定解除を受けた住民説明会 A
2011/10/30
 本日、広野町役場 湯本支所での住民説明会、加熱すること9時から3時間半。唯一カメラが来ていたNHK、19時からの全国放送でも 20:50 からの福島県内の放送でもこの模様がトップで流れた。
 だが、こちらと国の中身の濃いバトルの数々は全く映されず。除染のことなど心配含みの質問が相次いだような解説だが、説明会後の住民のコメントも除染・帰還の方向に好都合なものを取り上げている。南相馬市の大山 弘一 市議会議員が呆れて盛んに言う通りで、ホントにNHKほかテレビ・新聞は始めに筋書きありきで報じる印象が強い。

 山田 基星 町長はやはり来年中に住民を広野に戻す方向で段取りを進めるという。勿論、除染の効果を見てというが、線種のことも、広野に戻って被曝の点でどういう状況が待っているかも、この人は分かっていない。
 つまり、福島第一原発から吹かれ吹かれて落ちた関東であれば、放射性核種が入り交じって拡散して薄まって比較的 均一に撒かれているだろう。しかし、20kmぽっちの広野町は、分かりやすく言えば、隣の庭先にプルトニウム、こっちの公園の芝の上にストロンチウム、といったようにそれなりの濃度のままそちこちに落ちている傾向が強い。だから、プルトニウムに代表されるα線物質は数十ミクロンしか放射線を出さないから、現実には測定できず、足元に在っても在ること自体が分からない。大気中の殆どを占めるβ線物質もだ。勿論、見えないから、掃除をして舞い上がって吸引したら、プルトニウムならごくごく微量で肺癌まっしぐら。
 どの放射性核種もとてつもない量がバラ撒かれていて、町の中は至る所そんな状態で、本日 指摘して来た通り国からの財政支援は知れたもので、どうして広野に暮らせるの? 土壌汚染はセシウム 137 が数値の低い所で10万〜30万 Bq/m²という歩くも恐怖。町はなんで町内の汚染の現状にこんなに無頓着なのかね? こんな有り様では確実にそちこち死人・病人を出す。次回また追及するしかない。

 本日、国側とのやり取りで確信した非常に重要なこと。
 史上最強の毒素プルトニウムの中でも、ケタ違いの放射エネルギーを放ち(α線そのものが、γ線に比し、単位長さあたりにして遙かに高いエネルギーを飛程周囲の細胞・組織に与える)、実際には数兆 Bq も放出された 241 の拡散の実態について、国側は、先日は、これのα線の方に話を持って行って、「放射能が微弱だから調査結果は評価に値しない」と言った。2kmメッシュで山も谷も田んぼも住宅街もある土地を一部サンプリングした「50年間積算実効線量」に居住の安全を担保する何があるのか? どれだけ土壌汚染調査を重ねても、どこにプルトニウムが落ちているか別の話。
 そして、本日は、こちらが「プルトニウムは史上最強の毒物で、241 はβ線物質でないの?」と言うと、「史上最強」というのは化学的毒性のことだろうと言い出して、だのに、「化学的毒性は他の同位体と変わらない」とまるで矛盾したことを言う。で、こちらが「241 はケタ外れの放射エネルギーが問題なんでしょ! 何で必死にゴマカすの?」と突くと、「238 などについての調査結果から評価に値しないと判断できる」と今度は 241 については調査自体をしていないようなことを言い出した。こちらが「え゛、調査していないの? この前と言うことが違うじゃないですか。それじゃ、これからするんですね?」と言うと、シドロモドロ。
 このように、241 の拡散の実態だけは是が非でも隠そうと、必死にゴマカシて来る。国として隠蔽しようという強い意思がある。
 つまり、福島県を中心に、取り返しの付かないとんでもない実態になっている!ということで、こちらも気付かない事実がたくさんある。とても公に出来ないのだ。
 この地から逃げよう、早く。

 NHK、21時の「ニュース ウォッチ9」?では長〜い時間こちらの“独壇場”が映されていたとのこと。
 「空間線量が低いのに何で戻らないんだ」と言われる広野町民。戻れるような話ではないんだ、の理由と気迫が伝わっていれば好いが・・・。



緊急時避難準備区域の指定解除を受けた住民説明会で
2011/10/28
 緊急時避難準備区域の指定解除を受けて、広野町の復旧計画などについての住民説明会が 10/27 14:00 から、いわき市の中央台 東小学校の体育館であった。
 広野町長、役場の各課の長ほか、経済産業省、文部科学省、原子力安全・保安院、原子力災害対策本部の職員が数十人も雛壇に顔を並べた。

 1時間も遅れて行くと、国の話は、来年の帰還路線に沿って、ずっと除染と空間線量のことだった由。地域の汚染実態のことも体内被曝の話もなし。そこで、悠長な話を聴くだけ聴いて、質疑応答になって問題の追及に出た。
 広野町に帰還するということは、町にずっと暮らしていくということで、大熊町〜福島市 辺りの広大な地域に降り積もった とてつもない量のセシウム・ストロンチウム・プルトニウムほかが絶えず飛んで来るのを吸い込みながら生活することになる。本当に戻れると思うのか、誰か応えて下され、と思わず力んで言うと、シ〜〜〜ン。
 意外にも、町長は風による拡散の問題を認識していて、西の河川の水源も汚染されているし、国の除染の結果を見て、今後のことを考えねばならない、と今までより一歩踏み込んだことを最後に言った。除染は全戸を国にやって貰うと、安全が確保できるまでは町民を戻さないと、国の連中の方を向いてかなり強い調子で。
 国側もこうして町民を前にすれば支援を続けるとは言うが、民家と主だった公共の場所だけでも年間1mSv 以下にするなど出来っこない、除染効果としても、財政的にも。行政としては一応は除染をやってみないと ということだが、遠からず白旗となることは判っている。第一、広野に戻るって、若い世代は誰も戻る気がないし、確実に年寄りだけの町になって、どうやって暮らして行く? 地域として続かない。
 だから、地元に戻れない大熊町や双葉町と同じように、自治体を維持したまま、コミュニティを維持しての移住の事業を視野に入れて行くことだ、と開陳した。老若が一緒に暮らせるように、住み慣れた場所を離れるのに一番 苦痛を感じる高齢者には配慮を尽くして、best な移住の姿を広野町として追求すべき
 放射性核種は眼に見えないだけで、このいわき市だって周囲のあらゆるものが汚染されていて、いつまでも留まっていられない。福島第一原発からの放出総量は間違いなくチェルノブイリのを超えている。

 話の流れとしても、場の空気としても、「広野町には戻れないんだ・・・」という空気になって終わったので、大成功。
 こちらの目的はデモをやったりはしゃぐことではない。一人でも広野町の死人・病人となるのを減らすこと。
 この説明会は場所を移して今後も続くので、またシロアリ駆除して来る所存。ついでに、年々 癌の発症率が上がって二人に一人は発症なんてことになったのは核開発競争と原発の所為じゃないのか? と。

 それから、細かいポイントでは、こちらは史上最強の毒物プルトニウムの拡散の問題に拘って質したが、国の役人が未だに、福一原発の敷地内より外には殆ど出ないの、遠くへは飛ばないのと言うから呆れ返った。USA西海岸・アラスカ・ハワイのモニタリングでこの事故の後にそれまでの平常値から飛び抜けた数値が観測されていることはどう説明するのか? と潰してやる。日本全国どこの土を浚ったってプルトニウムが検出されるが、地中から生えて来たのか?
 だが、国のヤツは、焦点のプルトニウム 241 は放射能が微弱なので評価に値しない、発表しないのではないのだ、と言う。この辺りはこちらも不勉強だから、言い返せなかったが、怪しい。すると、南相馬市の大山 弘一 市議会議員から早速ご教授が届いた。その内容と調べたものを纏めると、

 プルトニウム 241 は、α線の放出量は小さく、β線物質と見るべき。
 今回、他の同位体と比べて放出する放射線の総量は桁違いに多いが(1兆 2000 億 Bq)、放出原子の数は下の計算の通りそうでもない。だが、半減期が他に比べて遙かに短いので(14.4年)原子1個 当たりの放射能の力は頗る強く、次に強い 238 の約40倍。
 即ち、プルトニウム 241 こそが肺に吸引した場合に最も強力に周囲の遺伝子を破壊し、癌化させる。
 何をおいても国際的な反応が恐いので、政府は 241 の飛散の実態をひたすら隠し、ゴマカシをやっている。

 放射能と原子数の関係は、次の式で表わされる:
 A = λN(λ = 0.693/T、Tは半減期)
 この式を用いて、放出された原子数を計算すると:
●セシウム 137・・・ 2 ×(10の25乗)
●ストロンチウム90・・・1.85 ×(10の23乗)
●プルトニウム 238・・・7.5 ×(10の19乗)
●プルトニウム 239・・・3.5 ×(10の21乗)
●プルトニウム 240・・・9.5 ×(10の20乗)
●プルトニウム 241・・・7.8 ×(10の20乗)
 ※ 異論のある方は info★leibniz.tv まで ← ★を@に。

 今回、量的にも怖いストロンチウムは、3/14 夜までの3機の分だけでも、2核種で 2,140 兆 Bq 出たことになっている。実際には1京 Bq に迫る。大山 議員の言う通り、ストロンチウムはドイツのナチスが化学兵器に使ったものだ。
 今後、福島県を中心に、白血病や骨の癌の発症が大きく増えるだろう。

 それと、原子炉の圧力容器の底部の温度を計測して温度が下がった下がったと言っている件。国側は、燃料棒がメルト スルーをしても、その多くは圧力容器の底に溜まっているだろうからここを測る、と事故の収束に都合の好い弁。あのブ厚い鉄板を貫通するぐらいどこまでも侵食するのに、核燃料は何トンにもなるのに、どうしてそんなことが言えるのか? 国の過小な見通しは常に悪い方に外れて来た。

 11/ 1 には「いわきの子供を守る ネットワーク」の皆さんと国会の福島県 選出の国会議員らの所へ行って、県民の危機を訴えて来よう。


占 題
 広野町の上層部の認識は遠方移住へと変わるか(10/26)

三 遍 筮 法
得 卦

46 地風升
伏卦 32 雷風恆
互卦 54 雷澤歸妹
錯卦 25 天雷无妄
綜卦 45 澤地萃
 六四、王[六四](= 周の文王)用て岐山(= 周都の西にある山)に亨す(六五の天位を求めずに)。吉にして咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、王[六四]用て岐山に亨すとは、事に順ふ也[順にして事へる也]。
 
 この説明会の前夜に執った。別に説明会のことが念頭にあったわけではないが。

 良爻だから、彖辞を採る。即ち、「元ひに亨る。用て大人を見る。恤(ウレ)ふる勿れ。南征すれば吉」で、国の出方も見ながら、今後、南方への避難に傾くだろう。憂いなし。
 ただ、外卦【坤】地の下の爻だから、そう遠くへ移る認識にはならないのではないかな。まあ、実際にはそちこちへのサテライト移住だろうが、六五を東京とするなら、その手前。
 伏卦【雷風恆】|||(← 左を上にして見る)は広野町でのこれまでの生活。



一人でもここから外へ出す!
2011/10/22、10/25
 2009/ 9 厚生労働省の発表の「人口動態調査」によれば、佐賀県の玄海原子力発電所の周辺地域では白血病の発症率が全国平均の11倍となっている。数字のトリックはあるが。福島第一原発の周辺町村でも以前からこのことや子供らの白血球の少なさなどが指摘されていた。自然放射線がずっと少ない地域でも、原発の周辺では白血病の発症が多い、これは何故か? 行政はこれを追及しようとしないし、電力業界は是が非でも因果関係を否定するが、全国の原発が毎日々々とんでもない量の放射性核種を環境中に放出しているからだ。被曝による健康疾患は白血病に限ったことではない。
 翻って、今回の事故は、チェルノブイリ原発事故と変わらない量の30幾つもの物質が4機もの炉心と使用済み燃料プールから飛び出ている。セシウムの熱量換算で広島原爆の数百倍もの死の灰が。どうして数十kmばかりの場所に暮らして行けるか?!
 国と関係機関は、放射性核種・放射線量、被曝量の調査をして、不都合な数字が出れば、何とかして誤魔化そうとし、誤解するように数字の見せ方を弄る。文部科学省の定点観測と同じ計測ポイント・時間・線量計を使ってγ線の空間線量を測ると、何割か高い数字が出ることが指摘されている。文科省では自身の数値の評価はしないそうだ。

 テレビ・新聞が何ら被曝リスクを語らなくても、避難先のここ いわき市では、補償を待たずに、3月から月平均で1千人強の人口が減り続けている。その空いた住居に遠方に避難していた双葉郡などの住民が入り、その転入(旧住所から変更)があるのに、だ。住民票を動かさずに移っている人も多い。10/ 1 現在、334,170 人(127,199 世帯)。家の処分まで殆ど終わったこちらと違って、隣の楢葉町から北の警戒区域では一時 立ち入りが続く状態だから、気の毒だ。福島県全体での人口減は月3千人弱のペース。
 自分も「国や東京電力は常に過小な数字を出し、過小な評価をし、この事態を小さく小さく見せようとしている」云々と言いながら、それでは、その安心感に引き摺られずに、全て適正な評価にした時のイメージを描いて行動しているか? と改めて自問自答。N99マスクは必携。

 WEBサイトに何時間も費やすなら、一人でもこの汚染地域から外に出す作業の方を優先する。自力救済を進めるのみ。とにかく、皆、あまりに事実を知ら過ぎるから、情報を拡散する、先の対応を進める。他町村の有志と連携を進めていて、マスコミも使って、この福島の除染一辺倒の流れに地元からクサビを打つ! 
 ここに書き纏めるのはそのための調べものの一片ということで(間違いがあればいちいち断らずに直して行きます)。



 家に戻りたくてしょうがない高齢者は別だが、ここに起こっている色んなデータを話すと、皆「広野には戻れねぇな」となる。原子炉をカバーで覆ったって、その足元の双葉町・大熊町から福島市辺りにかけて降り積もった とんでもない量の色々な物質が風に飛ばされて来る。冬は北西の風。
 しかし、コミュニティを維持しながらの遠方避難を進めるような活動をやるとなると、組織的になって来るし、色々やることのある身で、経済的・時間的にキツイ。それと、プルトニウムもストロンチウムもN95位のマスクは通り抜ける可能性があるし、ここでウロチョロやっていたら、確実に体がやられる。もうノドがおかしい。文科省の数字でも、4核種で9.74京 Bqも放出されたテルルがヨウ素に変わっている半減期が最も長くて放出分の殆どを占めるテルル 131 は 109 日でβ崩壊してヨウ素に変わる)。本来、こんなことは自治体が事業としてやるべきだが、町の連中には税収確保と復興しか見えていない。何のための自治体?
 とにかく、町の上の連中にもやるだけやるが、今の状況では色んな情報の共有を進めて、各自の遠方避難を促すしかない。

 「いわきの子供を守る ネットワーク」で、来週 地元選出の自民党の国会議員らのところに陳情に行くのにお誘いを受けたので、しゃべるチャンスがあれば広野町の問題点をワン ポイントで訴えて来よう。吉野 正芳さんも森 雅子さんも、国会での懸命な訴え、感じ入った。

 段々 疑問中の人になって来た児玉 龍彦 教授の調査除染から、国の除染のモデル地区のようになってしまった南相馬市では、同年の大山 弘一 市議会議員が除染一辺倒の桜井 勝延 市長に対して孤軍奮闘。住民避難の優先を求めて、11/ 5 に市内で第3回のデモ行進をやる。
 命 第一の考えで、全く意気投合。行って気勢を挙げたいが、今、南相馬市は東京より遠い所になってしまった。

 どこの住民だって除染より補償付き避難を懸命に求めている! 人々の健康・生命より経済や我が身大事の民主党の閣僚・知事以下、人でなし!


占 題
 住民の遠方避難の認識を促す活動は功を奏するか(10/23)

三 遍 筮 法
得 卦

27 山雷頥
伏卦 23 山地剥
互卦 2 坤爲地
錯卦 28 澤風大過
綜卦 27 山雷頥
 初九、爾[初九](ナンジ)の靈龜を舍(ス)て、我[上九? 六四?]を觀て頥(オトガイ)を朶(タ)る。凶。
 象に曰く、我[上九? 六四?]を觀て頥を朶るるは、(貴ぶに足らざることが色々あるがこれも)亦 貴ぶに足らざる也。
 
 まるで「凶」だからダメだって?
 住民の側で言えば、伏卦【山地剥】|(← 左を上に。以下 同じ)はこの地から剥がれ落ちる。そして、本卦への動きで、身の休養を得る。こちらの側で言えば、そうさせることを功を得る。
 我々の現状は錯卦【澤風大過】||||の、一家が傾き、状況的に過ぎたる状態。



史上最悪の毒物プルトニウム 241
2011/10/15
 9/30、やっと、文部科学省がプルトニウムの調査結果を出して来た。「文部科学省による、プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について」。
 3ヵ月前の調査で、プルトニウムは検査自体は1日で終わる筈が。100km圏内の約 2,200 ヵ所で測定しながら、100 ヵ所しか発表しない。大都市部を全く避けている。同原発の敷地外で検出されたのは初めて、というが、とっくに見付かっている。

 広野町では、折木辺りで、プルトニウム 239+240 が2.5 Bq/m²、それより西の山間部で4.8 Bq/m²・・・。
 ストロンチウムは、広洋台の辺りで90が76Bq/m²。折木の辺りで89が 900 Bq/m²、90が 220 Bq/m²・・・。

 それで、双葉町・浪江町・飯舘村の各2ヵ所の土壌からプルトニウム 238 を検出し(福島第一原発からと明確に推定される地点というだけで、他もある)、この内、最高値は浪江町で、4.0Bq/m²。もう一ヵ所が2.3Bq/m²。他、双葉町が0.55Bq/m²、0.57Bq/m²。飯舘村が0.77Bq/m²、0.82Bq/m²。
 また、プルトニウム 239・240 も検出していて、両物質を合わせた最高値は南相馬市内の15Bq/m²。この数値は大きい。
 それで、今回はどういう対比を使って危険な印象を消しにかかるかと思えば、翌日、東電はベースのm²を東電が通常 使用する土壌1kg当たりに換算して、浪江町の 238 の4Bq/m²は0.062Bq/kg に、南相馬市内の 239・240 の15Bq/m²は0.23Bq/kg になり、それぞれ原発敷地内での最高値の0.54Bq/kg の11%、同0.75Bq/kg の31%に過ぎない、とコメント。
 そして、プルトニウムについてもストロンチウムについても人口34万人の広大ないわき市内の検査結果を書いていない、隠した。それに、80kmを超えた北茨城市の南端でプルトニウム 239+240 を最大値の9.2 Bq/m²検出しているが、これを無視している。
 そうして、評価として、「今後の被ばく線量評価や除染対策においては、セシウム 134、137の沈着量に着目していくことが適切である」と、危険とも何も言わず、思惑たっぷりのコメント。USAのEPA[環境保護局]ではカリフォルニア・アラスカなどの西海岸やハワイ・グアムなどで大気中から過去20年間でも飛び抜けた値のプルトニウム 239・ウラン 238 を検出しているのに。
 最後に、気付くに、3/14 夜までに桁違いの1兆 2000 億 Bq も出ているプルトニウム 241 については言及していない!

 バカの一つ覚えに、常に安全・安心を印象づけることが今後 住民にどんな選択をもたらすか分かっているのか?! 東電は非難されるのを避けたいだけ。メディアで強く批判されたら動くだけで、避難の現場の何を手伝うでもない。防塵マスクさえ配らない。



実態はとてつもない複合汚染
2011/10/15(改 11/ 3)
 6/ 6、経済産業省 原子力安全・保安院の発表を受けて、メディアは 3/14 夜までの正味3日半弱の1〜3号機からの放出量を推定77京 Bq と報じた。この77京 Bq とは、INES基準というやつで、ヨウ素 131(16京 Bq)と、ヨウ素換算で40.4倍したセシウム 137(60.6 Bq)を足しただけのもので、76.6京 Bq。その「東京電力株式会社 福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、 2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」の全31核種の数値を集計してみると、1121 京 2069 兆 4350 億 8800 万 Bq にもなる。内、放射性ではない不活性ガスのキセノン 133 が 1100 京 Bq を占める。
 また、「空間線量・空間線量」言うが、各核種の放射線を確認すると、γ線の放射が問題になるのはセシウム 134・イットリウム91・ヨウ素3核種の計5つしかない。これらの放出量を合わせると1京 9783 兆 4000 億 Bq で、ベクレル比では放出量の 0.176 %に過ぎない。キセノン 133 を除いた総量では9.33%になるが、γ線を検知する我々の10万円程度の線量計はかなり部分的な放射線しか拾っていない。α線は空気中では数十ミクロンしか飛ばないから空間検出が困難。残りの26の放射性核種は日常 数字の上でも消えている。
 放出した物質の内、γ線については、β線物質のセシウム 137 がバリウム 137(半減期が2.6分)に壊変してγ線を放射し、セシウム 134 も半減期が2.1年で、これらがγ線物質のほぼ全てを占めるから、その内「放射能が減った、減った」と錯覚することになる。
 そして、問題視されているセシウム 137(1.5京 Bq/半減期30年)はγ線を放つのではなくて、β線。つまり、現在もこれからも生活空間に飛んでいるのは殆どβ線とその物質。(量の問題を置いておく。また、するが、結論は変わらない)。

 とてつもない量の色々な放射性核種が中空に充満していて、α線もβ線もγ線も飛んでいて、それらを日々 吸引している。特に福島県にいる我々はとんでもない複合汚染の中にあるをよくよく自覚しないと!



はα線、はγ線を放つ。殆どはβ線物質。

 ●この表、燃料のウラン 235 を外している。少なくても、1・3(・4)号機は使用済み核燃料が爆発で飛び散っているではないか?!
 大量に出ている筈のトリチウムがない! これは水に馴染んで全身に蓄積し、DNAを破壊する極めつけに怖い核種。トリチウムは水道水の検査項目に入っていないが、水道水は急遽 復興対策本部 福島現地対策本部の管理になった。即ちそもそも政府が隠すことに決めた。民主党はとにかく国民の眼から情報を隠す。
 それから、クリプトン85は10京 Bq レベルが出ているだろう。
 この31核種というのは代表核種で、実際に放出されたのは千にも及ぶという。
 尚、ネプツニウム 239(76兆 Bq/半減期2.4日)はプルトニウム 239 に壊変する。
 ●また、1,535 体の使用済み燃料が装填されていた4号機からの数値が入っていない。事故直後にはここからの被曝が最も危険視された。
 ●以上は国際事故に発展することを何よりも怖れる東電自身のお手盛りの数字で、3/14 夜までの正味3日半弱のみのもの。東京電力が 5/16 付で中央操作室等からデータを回収。

 ※ 原子力安全・保安院は 10/20 付けの「放射性核種放出量データの一部 誤りについて」として、6/ 6 付けの発表の内、Te-131m、Te-132、I-132、I-133、I-135、Sb-129、Mo-99 の計7核種の放出量を訂正した。

31核種
は訂正分。

 この結果、放出量は 1134 京 6725 兆 4417 億 Bq に。
 α線を放射する核種の総量は1兆 3254 億 Bq、
 β線を放射する核種の総量は 1134 京 6725 兆 3163 億 Bq、
 γ線を放出する核種の総量は 6 京 2316 兆 4000 億 Bq。

 ヨウ素は 131 以外の3核種の合計が4京 4313 兆 Bq ← 1780 兆 Bq と、29倍に。
 テルルは4核種の内 131 m と 132 だけで9京 3000 兆 Bq ← 857 兆 Bq と、108.5 倍に。この大部分が3ヵ月半でヨウ素に変わる。
 以下、放出量に占める割合。( )内はキセノン 133 を除く放出量に占める割合:
 α線を放出する核種は 0.00001 %(0.00038 %)
 γ線を放出する核種は 0.55 %(17.97 %)
 ヨウ素4核種は 1.80 %(58.93 %)
 セシウム2核種は 0.29%(9.52 %)
 体内から放出されるγ線から内部被曝を測るホール ボディ カウンター。γ線を放出する放射性核種はこの通り放出量(キセノン 133 を除く)の2割もない。α線物質は射程が短いから体内に入っても測定できない。体内ではβ線物質もだ。だのに、さもこれで「安全・安心」にしている。



被曝による癌か否かのこと
2011/10/14
 放射性核種を使った癌治療の研究をしている東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授が朝日ニュースターの「ニュースにだまされるな」で、チェルノブイリ原発事故後の甲状腺癌の子供を対象にした研究のことで興味深いことを語っている。
 螺旋状になっている2本の染色体は切れても元通りに修復されるが、放射線で切られた場合、染色体が1本 切れたとすると、染色体の内の特殊な構造になっている7番のq-11領域が切られた場合には修復の際にエラーが起こって2本になる現象が頻繁にあると。染色体が計3本になってしまい、癌化の一歩。これを「パリンドローム変異」というそうな。汚染地区の子供の甲状腺癌にはこれが4割も見られるのに、他の地区では見れない、という。つまり、これが認められれば、放射線による障害である可能性がかなり高い、と。田中 ひさし博士が解明。

 また、大人の場合には晩発性の癌のことがある。尿中にセシウムが6 Bq/ℓ15年間以上 続くと膀胱癌などの前癌状態が出来ていることが判る、と。福島 昭二 博士による研究。
 低線量被曝、つまり、慢性の刺激を(同じ箇所に)長い期間 受けるのはやっぱり宜しくない。

 ゲノム科学、素人にはメカニズムのことはともかく、こういう技術は幾つもあって、癌も被曝によるものか否かが判るようになって来たようだ。今後、東京電力・国と裁判となった場合に有効なレベルにならんことを。
 ソースはこちら(YouTube)。また、こんな解説も。



「だから?」「だったら、!」
2011/10/13、10/15
 東京都 世田谷区 弦巻5丁目の区道で2.71μSv/h(除染後の数値)の放射線量を検出。場所は民家の樹木が歩道に張り出して茂り、区の職員の測定では、地上1mで最も数値が上がるという。本日 再び計測すると3.35 μSv/h。現場は小学校の通学路。同区は保育園や学校などで測定をやって来て、これまでの最高値は0.1μSv 程。今回の結果を受けて、区内 258 ヵ所の公園を緊急調査する、と。
 知る限り、東京都では、文部科学省による航空機モニタリング調査で葛飾区や多摩地区 山間部の一部で比較的 高めの数値が出ていた。あとは、大田区の大森第四中学校の雨樋の下で1.01 μSv/h が検出され、同区では小・中学校13校の花壇などを立ち入り禁止に。
 (後記:原因の物質は民家の床下にあったラジウム)

 また、その前、福島第一原発から 250 kmの横浜市 港北区のマンション屋上の堆積物から 195 Bq/kg のストロンチウム90を検出。7月に採取し、横浜市の民間分析機関「同位体研究所」が検査。同じ堆積物からは6万 3,434 Bq/kg のセシウムも検出。市衛生研究所でのセシウムの再検査でも、同じ堆積物から10万 5,600 Bq/kg を検出。

 首都圏ではこれっぽっちのことでテレビも新聞も識者の類も大騒ぎだ。想像を拡げて、近くを通った子供は血液・リンパ・甲状腺も検査した方が好いとか。
 それなら、ずっと放置されたままの福島県はどうなのか? うちの広野町にしたって、草木のある場所はどこだってこうだ。ご主人さまと離れた犬・猫が給水するそちこちの雨樋では10μSv/h になる。

 マイクロ スポットでこの騒ぎなのに、この野田 内閣は町民に、除染もしていない緊急時避難準備区域の町に戻れ、と。9/20・21 と国会に陳情をして来た町の議員によれば、閣僚から「広野町は数値が低いから」と言われたとのこと。
 閣僚さん、広野町は放射性核種がワンサと降り積もっている双葉町・大熊町から何kmなの? プルトニウム・ストロンチウム・ウランほかの不都合なデータはいつまで隠す? 原子炉のメルト スルーと再臨界の事実はいつ認める?
 その町の議員からのメールでは、国・県が危険情報を開示しようとしないのは、国は町が要求を呑もうとしないことがあるだろうし、県は知事の佐藤 雄平がプルサーマルを導入した責任とプルトニウムの検出に心が傷んでいるからだろう、と。やっぱり国とは駆け引きのことがあった。それなら、フンドシのヒモをふん縛ってしっかり駆け引きをやらんか! 今 皆が居るいわき市だって汚染具合は広野町とそう変わらない。

 今回、テレビは飯舘村でも低い線量の役場の数値を持って来て、それより高い、危険と煽る、テレビ的。これが政府発表なら、苦肉のゴマカシで安全アピールをやるが、人々は不安だと信じ込もうとするから拙策も通用してしまう。
 ともあれ、年内に限っても、国のウソ・隠蔽・ゴマカシはこうしてドンドン反対の圧力に晒されて行く。卦読みの通り。

 福島市では東日本女子駅伝(11/13)を開催すると。
 沿道の空間線量が1mSv/h 台で低下傾向にあると言うが、選手には中学生もいる。福島市は安全アピールのために許可を出しているわけだ。市長の瀬戸 孝則は少しまともな人物かと思っていたが、国からの財源待ちだけの無能者。



 国に陳情に行って閣僚に「広野町は数値が低いから」と言われ、町の陳情団はどうしたか? 昨日 町議会議員に質すと、異論は挟まずに復興のためにひたすら除染に国の責任を求めて、それで帰って来たとのこと。
 完全にアホだ。とてつもない量の汚染源から飛散が続くことも、町の汚染の実態も、数年後からの悲劇も、国・東電との裁判が待っていることも、全く頭にない!
 こちらは4月 経済産業省の職員が石川町の避難所に来て説明会をやった時、今後の問題は内部被曝だから、プルトニウム・ウラン・ストロンチウム等の飛散実態の調査はどうなっているのか、と大勢の前で質している。町のアタマの連中は半年も経ってこの認識だ。これでは大勢の町民が町に戻り、命を落として行くだろう。
 町には一切 期待しない。やるべきは自力でやる。



天気晴朗でもなく波高し
2011/10/10
 10/ 7 と昨日と、津波が来るのを見ていた町の小高い丘の上へ行ってみた。
 小野町の避難所で広野幼稚園の先生も言っていたが、あの時は気持ちの悪い海で、水平線が高くなったというか、海が何だか大きく映った。
 それで、白だったか黒だったか、津波のラインが近づいて来て、波受け堤防にぶつかり、「ボーン」と大きな音と共に、一・二ヵ所 巨大なしぶきを上げた。
 白波がガレキを散らしながら、シュワシュワとJR常磐線の近くまで田んぼを舐め上がる。ということは実家は波を被っているのか、愛猫は・・・と。
 すると、向かって右の浅見川の河口辺りからは、沖の方へ、黒く蛇行しながらガレキが流れ出て行く。誰かがどこかの家の屋根が流れて行くのが見えるというので、大変なことになったと思った。
 この丘の上にある保育所に勤めていた母は実家の屋根が見えるというし、見慣れた風景だろうから、希望を繋いだもの。雹の降る中、サンダル履きで急いで一人で走って戻った。

 今、この丘のどこへ行っても草木が遮って海が殆ど見えない。ススキの季節になった。


中学校の体育館越しに海面がちょこっと見える。地形が動いた?


 この丘の上の保育所・児童館ほかの施設は、今、警戒区域への車での一時帰宅(9/19〜)の中継基地になっている。以前はこの一段下の町民体育館を中心にやっていたが、自衛隊の巨大なテントはあるし、駐車スペースの問題で丘の上になったようだ。
 日曜日のこの日は富岡町と双葉町の番で、一巡目・二巡目の帰宅。住民は白い薄い上下の防護服(γ線の遮蔽効果はない)・ヘッド キャップ・マスクの姿で出て行って、滞在4時間(マイカー以前は2人限定で2時間)で戻って来ると、車両と荷物のスクリーニング検査をやる。マイカーのない人にはバスを出している。

 福島第一原発とを行き来する大型車両もそうだが、高濃度汚染エリアを出入りした たくさんの車が日々 町中を行き来する。“浜通りルール”らしい。セシウム 137 の土壌汚染濃度が10万〜30万 Bq/m²の緊急時避難準備区域に住民を戻すことが違法だろうが、個人が指摘しても何も変わらない。


2002 年5月末、ここをマイクロ バスで走ったのは、広野小学校を訪ねたアルゼンチン代表のハヴィエル=サネッティ[MF]、パブロ=アイマール[MF]、ディエゴ=プラセンテ[DF]だった。



お別れの時
2011/10/ 9、10/10
 この世に生まれて物ごころがついた時にかたわらにあって、今もずっとそばにあるもの・・・津波に踏ん張った実家の2階に置いてある黒っぽくて重いタンスぐらいしか思い浮かばない。4歳まで暮らした富岡町[警戒区域]時代からあったもの。
 母はとにかく何でも棄ててしまう迷惑な人で、こちらの絵も作文も表彰状も通信簿も、幼い頃のものがホントに残っていない。このタンスも重いし、また引っ越しがあるから、処分するとアッサリと。
 5月から実家の家にひとり戻って、2階のその横で寝る度、「おまえさんともお別れか」と思って来たそのタンス、一昨日 実家に戻ると、ウカツにも前の日から家の取り壊しの工事の人が入っていて、このタンスも他のタンスも母の鏡台もスッカリ消えていた。2階は空っぽの空間に。

 10歳まで祖母らと暮らした浪江町[警戒区域]の下柳 権現堂の家、その座敷にあった小さな仏壇も長い付き合い。祖父・伯父さんたち・妹を祀っていた。
 これは一人暮らしになった祖母と共に30年以上前に広野町のこちらの住宅に移り、そして、20数年前に海沿いの今の家の座敷に移り、4年前の12月には祖母も仏壇の中の人となり。毎朝、一人々々の顔と前を思い浮かべながら、線香を上げていた仏壇。
 勿論、位牌その他はすぐに移したけど、長く向き合った仏壇、持って来ようか迷ったままでいたら、取り外されていて、どこかへ。
 津波で色んなものが流されて、毎朝 鳴らしていたおりんとりん棒も波に消えたけど、タンスも食器も衣類も一つ一つこの数ヵ月ずっと向き合って来たからね・・・。

 海外・国内を1万km以上 共にした自転車も長い付き合い。引っ越しで梱包したまま、広野町では乗っていなかったが、人生の半分をお世話になった。
 津波で土台だけになったガレージに置いていて、タイヤもハンドルもグチャグチャに曲がっていたけど、流されずに庭にあった。
 これも写真も撮らないまま、消えていた。

 スペインの哲学者・文明批評家ホセ=オルテガ=イ=ガセトは「“自分”とは自分と環境だ」と言っていて、常々 考えて来たけど、どんな言葉も経験してみて明瞭になる。

 そして、祖母の葬儀の日にガレージに迷い込んで来て、やっと手なずけて可愛がっていたのに、3番目の胎児と共に去年 亡くなった猫の末吉 ♀。そして、その2日前に同じ伝染性腹膜炎で亡くなった次男坊の Bubu ♂。
 庭に一緒に埋葬した遺骸を先日 掘り起こして自分で庭で火葬をして、お骨、熱いので申し訳ないけど鍋に入れて、縁側の納戸に入れておいた。一昨日はもしやと思って戻ったのだが、案の定・・・。
 それで、もう片付けが終わってパンパンになっていた縦・横1m以上もある廃棄袋5つの中身を全部ほじくり返す。お骨を置いていた納戸を片付けた工事のオッサンはどうやって棄てたかぐらい分かっているクセに、何か咎められるかと口を開かないから、とにかく埃まみれになってひたすら探す。
 「廃棄場に持って行ったんじゃないかな」と適当なことを言うこのオッサン、こちら、心の中で「ウソツケ」。まあ、こういういきなりの作業になるとは想像できなかったこちらが悪いのだけれど。
 すると、2匹のお骨、紙袋に移して、廃棄袋の中に見付け。安堵した。
 人も動物も亡くなっても、遺骸だけはと思う。
 ああ、1時間以上もノンストップで、腰が痛い。疲れた。

 こちら、何でも執着を断ち切る母とは正反対の性分になってしまった(笑)。
 幾つも山になっている廃棄場に行って、自転車とはサヨナラ出来たけど、他の皆ともお別れをして来よう。


廃棄場[仮置場]にて。「おつかれさま」



 作業員がおらず、進入禁止のチェーンが掛かっていた海沿いの廃棄場、休日だった。潜り込む(笑)。
 この、木材、金属、プラスチック、家電、畳・・・と分けて積み上げられた廃棄物の山々々々、東京に持って行って焼却しようものなら、煙の飛散がどうのと大きな騒ぎになるだろう。しかし、そんなものがここには普通にあるのだ。福島県は強く鋭く声を上げないからナメられる。

 こちらの自転車のところを覗くと、その上に長くて恐ろしく重い何枚もの黒いゴムの板が被い被さっている。「クソ」と思って埃まみれになりながらゴム板をどかして、自転車を持って来た。これが正解だった。
 タンスや鏡台や机は残念ながら、大きな挟みのような重機で壊されたようだった。お線香を添えたい気持ちで廃棄場をあとにした。



ここ読めワンワン
2011/10/ 6
 やることいっぱいで、時間が足りない。

 そしたら、ネットにこんな書き込み。今、こちらの書きたかったことがたった4行で。
 爆発しても放射性核種は漏れないので大丈夫
→ 放射性核種は漏れちゃったけど大丈夫
→ 甲状腺異常でも大丈夫(← 今ここ)
→ 早期発見・早期治療すれば、癌になっても大丈夫


 被曝・反原発関連の情報はここでもお読みください。
 ●ざまあみやがれい! 原発の「今」を考える 随時更新

 いわき市 中央台の広大な仮設住宅の一角、朝からZARDの「負けないで」が大音量で繰り返し流されている。
 こちら、このメロディが苦手。民謡・軍歌・タイのポップスと同じで、退屈至極、アタマ悪くなる・・・。



住民エゴにされないために
2011/10/ 2、10/ 5、2012/ 7/31、2015/ 3/19
 10/ 1、広野町の実家にマー ♀を連れながら戻って、家財道具の最後の搬出を。
 昨日、緊急時避難準備区域の指定を解除されて、少し賑わいでも出来ているかと思えば、下の写真の通り、どこも閑古鳥で、変わりなし。昨日と一転した薄曇りの空に、寂しさが漂う。どこからか、キンモクセイの香り。
 JR常磐線はいわき市の久ノ浜駅以北はダイヤが止まったままで、広野駅の南側には短い車両が停車したままになっている。駅では海側のホームに止まる電車(通常、下り列車で使用)に改札口のホームから直接 乗れるように仮設のホームが出来ているので、広野駅まで再開させるのだろう。
 広野駅にはどこかのキー局のワイド ショーの取材クルーがいた。こちらはどこまでも偽りをやる国と東京電力を切り刻んでやりたいので、マイクを向けられないかなと周りをウロチョロしてみたり(笑)。駅前通りで営業しているのは、土曜日なら4軒で、どうせまた同じ人のコメントを拾うのだろうし。

 四倉精肉店の同級生のヨウコちゃん、もう全く広野で生活している。「情報ライブ ミヤネ屋」の取材陣には「どうして広野町は空間線量が0.4μSv/h なのに住民が戻らないのか」と聞かれたとのこと。
 人口 5,300 人ほどの殆どがいわき市ほかへ避難しているわけだが、

 町に戻らない理由は、
 @ 除染が始まって結果が出ないことには安心して暮らせないから(戻ったら、ここでずっと暮らしてゆくことになるのだから)、
 A 電気・水道・ガスが復旧していても、商店も病院も学校も閉じているので生活できないから。
 こちらは、それに加えて、
 B 国と東京電力は何につけ嘘・ゴマカシ・情報隠蔽をやる。何度も書いた通り、そもそも20数km先の原子炉3機は内部の状態が隠されたままだし、作業現場の話を時々 漏れ聞けば事故収束に近づいているどころではなくて、放射性核種の放出増も、新たな物質の放出も、水素爆発の畏れもあるのが現状。また、広野町はMOX燃料を使っていた3号機の爆発で放射性プルームを直接 被ったが、国はウラン・プルトニウム・ストロンチウムほかの極めて危険な放射性核種の飛散の実態を明確にしない。被曝のリスクを考えれば、町に戻るどころか、更に遠方に避難するのが当たり前。

 広野町は緊急時避難準備区域の指定を外された。つまり、避難者は自主避難の格好にされたのだから、町や住民は国と東電に対してこの B の点を突いて行かないと、テレビで御用コメンテイターを使われたりして、町に戻らないのは住民エゴだとやられ兼ねない。戻れる・戻れないが空間線量だけの話にされていて、それも自分で毎時0.4μSv にしているのだから。東電からの補償金(賠償金というのが正しい)もその内 切られるだろう。たまったものではない。
 町長に町議会議員に、テレビや新聞のコメントを聞けば何とも頼りないが、ここ分かってるのかね?
 役場の定時観測の線量計は庁舎前の芝生の上に置くこと。

広野町商店街
駅前通り[旧国道]。人通りのないタイミングを選んで撮ったわけではない。
四倉精肉店・渡辺金物屋・バーバー チェリーのほか、平日は広野郵便局とあぶくま信用金庫 広野店が営業。


JR広野駅
停車中。JR常磐線は、いわき市の久ノ浜駅〜宮城県の亘理駅の間が不通のまま。
久ノ浜駅〜広野駅の間はバスが代行運転。中間の末続駅は休業したラーメン ショップの前で乗り降り。
また、建設途中だった常磐自動車道は広野インターが終点。
広野町は“国境の町”に。

 来年には北隣の楢葉町(殆どが20km圏内)も警戒区域の指定を解かれるかも知れない。南半分の空間線量は広野町とそう変わらなくて、JR木戸駅なら0.3μSv/h 弱。そしたら、北へ、行けるところまで行ってみたいし、なるべく早く浪江町の墓参りにも行きたい。
 この歳で“望郷”を初めて知ったが、色んなものを失ってみて分かる。
 子供の頃に住んでいた浪江町の家の前の中央公園は1.0μSv/h 程だが、お墓は西隣の浪江中学校が9.6μSv/h(9/30)、林に囲まれていてなかなか厳しい・・・。



占 題
 楢葉町は 2012 年に警戒区域の指定が解除となるか(10/ 4)

三 遍 筮 法
得 卦

52 艮爲山
伏卦 56 火山旅
互卦 40 雷水解
錯卦 58 兌爲澤
綜卦 51 震爲雷
 六四、其の身に艮(トド)まる。咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、其の身に艮まるとは、諸(コレ)を躬(ミ)に止むる也。
 
 これなら指定解除にはならない。国は半径20km圏の応急的な線引きを当分 維持するのではないかな。
 重【艮】の“家”と“家”の画で、内卦【艮】は楢葉町の自宅、外卦【艮】は避難先の家。六四、即ち、外卦【艮】の避難先の家の中にいる、と。
 六四を裏返せば、【火山旅】|||(← 左を上に。以下 同じ)の家を追われた避難状態のこと。
 以上、実にキレイな占示。
 互卦【雷水解】||で、やがては指定が解除となり、その動きが出て来る。この艮(トド)まるの卦、上に二つ爻あるが、六四を 2012 年として、2014 年いっぱいぐらいまでは、なんとか。序卦 は 53【風山漸】|||で、何か段階を経て解除になるだろう。
 この様を天の方から眺めると、綜卦【震爲雷】||で、町民の気持ちはあちらに走りこちらに走り、落ち着いたものではないのだ。



結 果
 2012/ 7/31、政府の原子力災害対策本部が楢葉町の警戒区域の指定を 8/10 に解除し、避難指示解除準備区域(年間線量20mSv 未満)に見直すことを決めた。住民の帰還を認めるのは除染が終わる来年3月以降になる見通し。
 的占で好いだろう。警戒区域から避難指示解除準備区域への変更はあったが、日時に縛られずに立ち入り出来るようになったというだけであり、広野町・川内村のように宿泊が出来るわけではなく、肝心の帰還にはほど遠いまま、年内は家が二つのまま。そして、やはり段階的な解除となった。



結 果
 2015 年春、帰還の時期が発表となる。卦が【風山漸】に変わって徐々に。キレイに的占



指定解除・・・何から何まで嘘・ゴマカシ・情報隠蔽!
2011/ 9/30、10/ 1
 野田 内閣は、本日が終わって零時になると共に、福島第一原発から20〜30km圏に設定している「緊急時避難準備区域」の指定を一括で解除する。放射性核種の除染などの復旧計画を各市町村が提出したことで解除の条件が整った、と。本日、野田 佳彦を本部長とする原子力災害対策本部を開いて決める予定。対象は、南相馬市・田村市・川内村・楢葉町の一部、そして、うちの広野町。どうぞ、住民は町にお戻りください、と。
 これの目的は事故収束への工程表をこなすことのようで、それがために、原発事故担当相の細野 豪志らは空っぽだろう格納容器の底部の温度が 100 度を切ったとアピール。再臨界には触れず、プルトニウムほかの最危険物質の拡散についてはゴマカシに走る。順調に事故収束に向かっていると印象付けたい、安心ムードを作りたい、と。東京電力の広報担当は作業着だったのが、スーツ姿で会見を始めた。
 そうして、第2ステップを終えたと宣言しても、核燃料の状態を確認する作業にまで3年を要すというのだから、安定化の作業は続いているのだ。
 始めに意図があり、それに沿って常に情報を弄る。危険を危険と言わずにゴマカす・隠す。その結果、多くの人が被曝を進め、中には死に至る人も。これが犯罪でなくて何なのだ?

 そして、9/28、環境省の担当者が来県して、除染については、放射線量が年間5mSv(毎時0.57μSv)未満の地域は、局所的に線量が高い場所を除いて、財政支援をしない、と言った。5mSv 以下は時間経過による減量や風雨による拡散で1mSv 以下になるのだと、根拠なしの希望的観測。少なくても民家は対象外。見積もりは1兆 4,000 億円ぽっち。
 除染をして年間被曝線量1μSv を目指すのじゃなかったのか? 落とし所を3mSv ぐらいにするための先制パンチか? 福島市は全戸の除染をやるというのに、兆円規模の予算がどこにある! 裏にいるのは罪務省。
 (後記:方々から強い非難を受けて、細野は1〜5mSv/y 未満の場所を自治体が除染をやった場合にも国が負担をするとすぐに翻意。東電・国がやるべき作業を市町村と住民が負担してやって行こうというのに、こんな判り過ぎている反応も政府は判らない。お話にならない。ともかく、これで1mSv/y になるまでは補償されたことになる)

 民主党の政府は、治安、国防、外交の意識が欠落している。この怠慢・無策で、ゴマカシと情報隠蔽で、東京電力の何を言える?! そもそもこの連中には国家を背負ってやってゆく力量がない。
 この金は出さないの国に対して、当然、市町村の現場は強く反発。福島県の13市でつくる市長会は「全て国が負担するべきだ。方針を撤回せよ」とする抗議文を即 国に手渡した。広野町では、ひとまず町が全戸の除染を進める方針を決めたが、負担は町の年収支の数十倍になるだろう。
 そのテレ朝の取材では、中心街にある広野幼稚園で土の上に線量計を当てると、毎時6μSv 強。東京都の幼稚園の多くは砂場が0.25μSv 以上であれば使用禁止だ。広野町役場の0.4μSv 程度というのも線量計を風通しの好いコンクリートの上に置いているからあって、東側の芝生の上に移したら、数値は倍以上に跳ね上がる(汚染の酷い浪江町も、役場は0.7μSv にしてある)。γ線の空間線量の問題一つこれだ。

 それと、昨日、町長の山田 基星がテレビ朝日「ニュース ステーション」の緊急時避難準備区域の指定解除についてのインタビューに対して、政府が裏で何を考えているか解りかねる、のようなことを言っていた。政府と町と、意思疎通さえろくにないことがよく解る。
 金を握る国は一方的に仕切って来る。まして、住民が「国は勝手だ。原子炉が安定しているなどと言うが、何の説明にも来ない」と国に不信感を募らせるのは当然。視えない被曝と仕事との間で、皆 ホントに不安な気持ちでいる。


 こちらは国や東電が何につけても嘘・ゴマカシ・情報隠蔽をやることが我慢ならない。健康より業界、命より経済の腐った感覚が。
 9/28、参議院の予算委員会では、いわき市 出身の自由民主党の森 まさこ議員が、いわき市の子供が35mSv の甲状腺被曝をした件で、原子力安全委員会がサイトで発表していたその情報を 8/ 1 に削除したのは情報隠しではないか、子供たちのために政府は正確な情報を出せ、と強く質した(YouTube)。
 すると、原子力安全委員会 委員長の斑目 春樹は、検査方法から投下線量35mSv を受けたとは原子力安全委員会としては捉えていない、と応え、細野はサイトの記述を削除したのはその被験者の住所が掲載されていたからだ、隠す意図はなかった、といつものイイ子に振る舞った。ウソツケ。
 森 議員は、この検査をやった広島大学の教授は被験者のバック グラウンドを詳細に評価した結果1名が35mSv だったと言っている、とし、住所のことはそこだけ削れば済む話、と斬り捨てた。
 だから、この調査に関して福島県は、8月末までに 3,373 人の子供を検査して、生涯に浴びる内部被曝量が1mSv を超えると推計されるのが7人、最高は2mSv だった、などと 9/12 に発表している。どんなイカサマなのか説明もないから解らないが、これでは今度の県民健康管理調査の結果も見えている。裏にいるのは原発推進のICRP[国際放射線防護委員会]・IAEA[国際原子力機関]ほか。
 また、森 議員は、政府のそれとは別に、国会に原発事故調査委員会を設けることを提案した。国会が閉じる本日、可決となる見込み(後記:可決成立。これで事故と被曝の事実関係を追及する側の立場はグンと強くなった)。

 民主党政府は一切 信用できない。人前だと好いことを言うが、やることは違うのだ。こうしたイカサマが地震・津波で原子炉爆発を引き起こし、県民の大量被曝をやらかしたのではないのか! 野田 内閣の閣僚人事は呆れるレベルだが、経済産業相の枝野 幸男に、細野に、斑目に、戦犯らがまだ事故対応をやっている。
 こいつらに対しては機会々々に迫力で薙ぎ倒してゆくのみ。「民主主義とはプロセスを尽くすこと」などとチンケな政治観を言ったのは誰? 在日韓国人を見よ。声のでかさ、執拗さも民主社会を生き抜くには必須。



 昨夕、政府は緊急時避難準備区域の解除を決めた。多くの被曝者を出しながら、町民には何の説明もない。
 午後の「情報ライブ ミヤネ屋」にいわき市の湯本から生出演した広野町長によれば、国から除染に全面協力すると連絡があったとのこと。しかし、空間線量が下がらない、財政負担は広野町ぐらいでも 1,000 億円単位 云々と言われていて、どれだけ続くものやら。東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授によれば、セシウムのγ線は鉛の壁ででも遮らない限り60mは飛ぶとのことだから、自分の家をキレイに洗い流しても、お隣が除染しなかったら意味がない。
 結局、被曝を増すだけだろう。被曝は積算値を観る。

 昨日は昔からの知り合いがよくテレビに出た。「ミヤネ屋」では同級生の肉屋のヨウコちゃん、一緒に避難していた床屋の龍治さん、父の後輩で今度 副町長になった耕喜さん。
 9/ 9 に広野町から生中継した時には、実家のすぐ目の前の壊れた海岸道路に、JR広野駅に、宮根 誠司さん、ガダルカナル・タカさん、川田 裕美さん、皆 来ていたようだ。
 こちら、中継のマイクを向けられたくてしょうがない。国と東電のゴマカシを突いてやりたい。
 昨日ほど広野町がメデイアで注目される日はもうないかも知れない。近く実家は取り壊し公事に入るし、3/11 前とは何かが変わってしまって、全てが寂しい愛しい気持ち。

 しかし、皆、「除染が進まないでは町に戻れない」ばかりを言うが、プルトニウムなどの放射性核種による汚染のこと、地場の食材による内部被曝のことについては危機意識が薄い。ヨウコちゃん、「事故が収束って全々 収束していないし」と言ったのは good job。どれ、皆にいっぱい吹き込んで来るか。


占 題
 広野町全域の除染はどのような具合に運ぶか(10/ 1)

三 遍 筮 法
得 卦

55 雷火豐
伏卦 51 震爲雷
互卦 28 澤風大過
錯卦 47 澤水困
綜卦 56 火山旅
 九三、其の沛(ハイ)を豐(オオ)いにす。日中に沬(バイ)を見る。(上六により)其の右の肱(ヒジ)を折る。咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、其の沛を豐いにすとは、大事に可ならざる也。(上六により)其の右の肱を折るとは、終に用ふ可からざる也。
 
 それ見たことか。国には甘く見られて終わりだ。勝負・駆け引きで敗れるの象。
 町主体で除染を進めてゆくが、これでは途中で頓挫する。爻辭の折れるところの「右肱」は国からの財政支援か。互いに助け合っていたものが離散となる姿。
 互卦【澤風大過】||||(← 左を上にして見る)で、結局、広野町は大きく衰退に向かうだろう。炭坑で賑わった町が廃れたように。同じく緊急時避難準備区域だった南相馬市のようには復活しないと観る。実際、若い世代の殆どは遠方へ行ってしまっている。以前 読んだように、町に戻って生活を続けるのは全町民の1/3ぐらいだろう。
 皆、人が好いし、町行政には国と対峙する覇気がない。言葉なき者、抵抗なき者は棄てられる。


 7月、年内に緊急時避難準備区域の指定解除となるかを質して4【山水蒙】||六三を得ていた。
 象傳の「女を取るに用ふる勿れとは、行ひ順ならざれば也」の何か順序が逆になるとは除染の前の指定解除のことだった。



水素がいっぱい
2011/ 9/24
 以下、日本経済新聞(9/24)より。

 東京電力は24日、福島第一原子力発電所1号機の格納容器につながる配管内の気体はほぼ全て水素である可能性が高いと発表した。水素は可燃性ガスで、気体中の水素濃度が4%、酸素濃度が5%を超え着火源があると爆発の恐れがある。ただ配管内に酸素は殆どないと見られ、着火源もないため爆発の危険性は低いとしている。
 東電は22日に配管内で水素を検出し、23日 午後に可燃性ガス測定器を使って再度 調査。配管内はほぼ水素で満たされていると判断した。正確な水素濃度は分かっておらず、高濃度の測定が可能な計器の調達を急ぐ。配管から水素を抜く方法も検討する。2、3号機の格納容器につながる配管でも水素がたまっている可能性があるため、慎重に作業を進める考えだ。
 (以 上)

 配管内の可燃性ガスはほぼ水素だが、その濃度は1%以上であることだけは分かった、ということか? 残りは流し込んだ窒素? よく分からない。
 そちこちに水素が充満とは・・・そのどこにも酸素がないのか?
 それで、東電が「危険性は低い」と疑わしいことを言うだけで、国も県も沈黙。福島県では人々を避難させず、浜通りでは南相馬市を除けば除染も進まず、日々 人々を被曝させるままにして、ずっと沈黙が支配している。国、県、巨大メディア、信じ難い。

 しかし、この春の占「福島第一原発の原子炉はこのまま大きな問題なく収束するか」の中卦 39【水山蹇】||(← 左を上にして見る)からは、収束に向けて大きな事故は窺えない。外卦【坎】“水”の問題を前にして内卦【艮】で“進み難く”、時間が掛かるが、目立った事故なく、収束に向かう、と。



当たり前にそこにあったもの
2011/ 9/24
形あるものは消え去る。
何を築いても、想い出のもの、記憶、あるいは大切な人とか動物、そうした支えられているものがなくなると、無が待っている、ということを肌で知った。
翻って、無と裏腹にあるものを築くことに意味があるのか?

喪失感を感じているんじゃない。
人の死を含めて、どんな喪失も自分の中で織り込み済みになろうとしている、そういう寒さにやり切れ無さを感じている。

何か一つを無[亡]くしたなら、そのことに向き合いながら自分の細胞はゆっくりと再生するだろう。
生まれ育った空間をこんな風に無くしたとしても。
だけど、一度に色んなものを無[亡]くしたり周りが変わったりすると、細胞は変質してしまう。
剥ぎ取られた、ポツンとした自分しかいない。
だから、ガラッと一変した世界、泥のガレキの中に長く身の回りにあったものを見付けると嬉しかった。ボロボロになっていても、こんなところにいたか、と。
そして、もっと違うものを無[亡]くしていたら、どんな自分になっただろう・・

この半年、ビールの一杯も飲んでいない。
緩む気になれない。
この稿の背景画象の【震】で居ないといけないことがいっぱい。



「緊急時避難準備区域」の指定解除は住民テロ
2011/ 9/21、9/30
 昨日、広野町の町議会議長の坂本 紀一さん(親戚)ほかの町議会議員が首相官邸に出向いて、首相の野田 佳彦や経済産業相の枝野 幸男らと緊急時避難準備区域の解除に伴う福島第一原発の事故処理の諸々について話し合いをやって来た。
 広野町では西の山奥の12万m3の広大な砂利採掘場跡を汚染されたガレキ・土壌等の「中間貯蔵施設」にしようという動きが進んでいる。この土地は北隣の楢葉町の草野 孝 町長の長男が社長を務める建設会社が所有していたが、今年5月に東京の不動産会社へ売却している。この不動山会社の意思は想像の通り。町に、県に、行政のこの体たらく、想像されて来るのは核廃棄物の最終処分場への道。国としてはこの課題があるわけだ。

 そして、国は「工程表」のステップ2の年内完了を言い出して、原子炉の「冷温停止」・「事故収束」を盛んにアピールしているが、原子炉の1〜3号機は燃料棒がメルト スルーして圧力容器どころか格納容器もコンクリートの床面も貫通して地中に流れ落ちているだろうに、ほぼ空っぽだろう圧力容器の底部の温度が何だと? 格納容器の底には温度計は設置されていない。
 肝心要の物質がどこにどんな状態であるのか分からなくて、何が事故収束? しかも、3機も。
格納容器内のことは殆ど分かっていない。
 国は、α線・β線の問題にはとにかく触れない。チェルノブイリ原発事故と変わらない実態を隠して、住民の多くが測定もしない山や海の地場のものを食べて行くことを承知しながら、住民が町に戻ろうとするのを眺めている。早く保障を切りたい。民主党政府がやっていることは住民テロだ。
勿論、指定解除と広野町に戻ることは別の話だが、唯一の強みの法的根拠を消されたら、あとは足元を見られて終わり。このことに処分場のことが絡んで来そうだ。
 広野町は、再び「緊急時」になれば遠くに逃げるしかない いわき市に全ての仮設住宅を並べて、空間線量も広野町とそう変わらないのに、やることがまるで分からない。時間が経つだけ若者らが戻らなくなるからと、国には除染と保障を求めるばかりで、連中の小芝居に荷担している(後記:除染は高コストだと思っていたら、9/25 の「報道 2001」で、東京大学の児玉 龍彦 教授がゼネコンに見積もりを取って、南相馬 市長に、敷地60坪・建坪30坪で一軒 560 万円 掛かると言っていた)。住民の健康・生命以上の何を優先する?
 メディアも「福島民報」・「福島民友」の2紙は、県民がドンドン外に去れば売り上げが落ちるから、こちらが旅館で見ていた限り、危険を感じさせる情報は一切 扱っていなかった。地元のテレビ局もスポンサー企業が地元を去るのを怖れて復興事業とかイベントとかそんなものばかり扱っている。メディアはチェルノブイリ事故と言えば、死の街とか、奇形児とか、危険な様を強調して来たクセに、今度は安全・安心のムードづくりに余念がない。大量殺人に荷担している!「冷温安定」が言葉だけだと指摘しているのは本日の毎日新聞の社説だけだ。


占 題
 9月中に広野町は緊急時避難準備区域の指定解除となるか(9/21)

三 遍 筮 法
得 卦

40 雷水解
伏卦 32 雷風恆
互卦 63 水火旣濟
錯卦 37 風火家人
綜卦 39 水山蹇
 六三、(九四を)負ひ(= 賤しい者が荷物を背負い)且つ(九二に)乘り(= 不相応に車に乗り)、寇(アダ= 強盗)の至るを致す。貞(タダ)しけれども吝。
 象に曰く、(九四を)負ひ且つ(九二に)乘るとは、(醜ず可きことが色々あるがこれも)亦 醜(ハ)ず可き也。我[六三]自(ヨ)り戎(ジュウ = 強盗)を致す、又 誰をか咎(トガ)めん(也)。
 
 解くの卦。政府の目算通り、間もなく指定解除となる。
 それはいつかと六三より上の爻を見るが、九四の「而(ナンジ)の拇(オヤユビ)を解く。朋 至りて〜」の明日とも取れるし。何れにせよ、序卦は 41【山澤損】|||(← 左を上に。以下 同じ)で、即ち、下を損じて上をYす、と相成る。
 互卦【水火旣濟】で、広野町の国との手続きが纏まる。
 だが、この占示は広野町行政の能もないのに欲を張る交渉の様を示したもので、肝心の町のこれからという点において国に一杯 食わされてお終い。
 外卦の政府は【震】であちらを向き、内卦の広野町は【坎】の“険難”、その上の爻を得たわけで、何だか見捨てられて苦難に陥る画だ。
 「醜ずべき也。〜誰をか咎めん」の通り。

 この占でちょっと面白いのは六三に【雷風恆】|||が伏していること。即ち、恆(ツネ)に居るの意で、これは事故前の状態と解しても支障ないが、占事から言えば、よりこれからの点から眺めたいところで、之卦的に観ることが出来る。
 つまり、指定解除後の様。江戸易の草分けの平澤 隨貞 翁は【雷風恆】を、良いところが何もない、と書き残している。こうした占ではその通り。町に大金が降りようが、汚染された環境とダメ行政と、こんな町では意味がない。


 19:00 現在、台風15号、福島を直撃中。横殴りの強烈な風雨。
 福島第一原発は大丈夫か? 1時間ごとに更新される SPEEDI の拡散予測の空間線量の薄い帯が北西方向に、南相馬市・飯舘村・伊達市まで大きく伸び拡がっている。



結 果
 今週になって、格納容器に繋がる配管に水素が充満していると報道があって爆発のリスクが言われたが、9/30、政府は5市町村の指定を一括して解除。
 上の卦読みで「町は一杯 食わされる」と書いたが、町は除染計画を提出したものの、国は年間5mSv 未満の地域は財政補助はしない、と。この言葉の通りなら反発を招くしメディアが取り上げるから威勢は見せるだろうが、どうせ実薄く終わる。的占。
 さて、占時の 9/23 から見て 9/30 は序卦の 41【山澤損】|||の上九に当たる。なるほどだ。



ドキュメンタリー映画「チェルノブイリ ハート」
2011/ 9/21
 
 「汚染地域の新生児の85%が何らかの障害を持っている!」

 それなら、土壌の数値から言って、福島と言わず、東京もその汚染地域ではないか?!


 「チェルノブイリ ハート」とは 1986 / 4/26 のチェルノブイリ原発事故の影響で心臓に重度の障害を抱えて生まれて来た子供たちのこと。
 映画の舞台は最も汚染を被ったウクライナとベラルーシ。東日本の状況とそう変わらないこれらの地域では、心臓疾患の他、癌、白血病、脳の障害、目を背けたくなる奇形、遺伝子疾患、免疫不全など、様々な障害を持った子供が生まれている。
 2003 年 作品。

 2004 年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞 受賞。

 映画本編:3(YouTube)


 「それでも“安全”だと言えますか?」



原発を棄てよ
2011/ 9/19
 昨日、ドイツのシーメンス社が原子力エネルギー事業から撤退することを表明した。
 ドイツ政府は、福島第一原発の事故を受けて、この6月に 2022 年までの国内原発の全廃を決定したが、このドイツ最大のコングロマリットが、「ホー」と感心した。ドイツ社会には果断がある。

 そして、本日は東京 千駄ヶ谷の明治公園で「さようなら原発5万人集会」があった。大江 健三郎、落合 恵子、内橋 克人、鎌田 慧、山本 太郎、坂本 龍一、瀬戸内寂聴の諸氏が発起人になり、原発廃止を呼び掛けた。想い出のある日本青年館 隣の明治公園、立錐の余地なしの凄い人・人・人、主催者発表では6万人で、最近 見掛けるようになったデモでは最大。NHKを含め、極めて珍しくテレビ・ラジオがニュース番組で取り上げた。
 半分お祭り気分でもこの動きは大の歓迎だが、実際、政党・政治屋の痛みになること、即ち、原発廃止を選挙の争点に持って行かないと、この国ではカエルのツラになんとかだ。次の衆議院の総選挙で、各政党にいつまで廃止するかの工程表を出させる! 新首相の野田 佳彦は政見演説で「中長期的には原発に依存しない社会を実現」と言ったが、何を聞かれても官僚的答弁で押し切る。閣僚人事のかつてないデタラメぶりには目を覆う。
 原発は、今すぐ全廃しても、電力供給は十分 賄える。不要。

さよなら原発1000万人アクション
●さようなら原発5万人集会(OurPlanet-TV 中 継
9/19(月・敬老の日)13:00 〜ライブ 13:30 〜集会 14:15 〜パレード
会 場:明治公園
交 通:JR「千駄ヶ谷」下車5分/地下鉄大江戸線「国立競技場」下車2分、地下鉄銀座線「外苑前」下車15分
発 言:落合 恵子、大江 健三郎、内橋 克人、鎌田 慧、山本 太郎、武藤 類子(ハイロアクション福島原発40年実行委員会)
ライブ:ランキン・タクシー、ナラカズヲ


占 題
 この機に原発の存廃の動き如何

中 筮 法
本 卦

之 卦
44 天風姤 57 巽爲風
爻卦:震・艮・乾・坎・坎・兌
互卦: 1乾爲天 → 38 火澤睽
錯卦:24 地雷復 → 51 震爲雷
綜卦:43 澤天夬 → 58 兌爲澤
< 本 卦 >
 九四、包(ツト)に魚[初六]无し。起(タ)てば凶。
 象に曰く、魚[初六]无(ナ)きの凶とは、民[初六]に遠ければ也。
< 之 卦 >
 悔 亡ぶ。田(デン)に三品(= 神に供える獲物、賓客を饗応する獲物、君主の台所に用いる獲物)を獲(ウ)。
 六四、田に三品を獲とは、功 有る也。
 
 中筮法。八卦サイコロ×3で内卦・外卦を出した。時制は過去 → 将来で好いだろう。

 【天風姤】のこの凶悪な事態に直面したが、【巽爲風】だから原発廃止の行方は長くグズついて、国はなかなか決断をしない。
 原発を推し進めて来た自由民主党も総選挙に臨めば原発存続の声は消えるだろうが、そうして原発廃止の流れが動かし難いものになって来ても、議員・官僚は、下に陰爻陽位の不正の初六の電力業界と相応じ、上隣に九五の既存の利権・ポストなどと比しているから、理由を拵えては己が利益のために必死に抵抗するだろう。民意が実政に反映されない間接民主主議の弊害は行き着いている。
 そもそも緊急時にも衆議をやらかす文化に埋没しているから、原発廃止にも時間が掛かる。司々が責任回避ばかり。

 本卦の爻 辭・象 傳の意はこの場合どう解釈するかね・・・。

 それと、一つだった内卦【巽】が之卦で二つに積み重なる。
 原発廃止の“民意”が大きくなるだろう。
 また、【巽】は【乾】の“完全であるもの”の足元が崩れる画であり、“命令”でもある。例えば、強い地震による事故発生のリスクが高いと判断される原発から廃止にするとか、耐用年数を迎えた原子炉は使用延長をしない、といった段階的な廃止のやり方が想像される。


 文部科学省下の緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク システム[SPEEDI]のこと。
 福島県は 3/13 夕方に国からこの予測データを受け取りながら、国が発表していないから発表しなかった、と弁明した。福島市なら放射性プルームが飛んで来るまで丸2日あったが、県民には何のアナウンスもなし。
 県内のメディアはこの意思決定を追及しない。全くの馴れ合い。
 国はと言えば、官邸、文科省、原子力安全委員会のどこが開示の権限を持つのか決めておらず(河野 太郎 公式ブログ)、原子力安全・保安院を含めてウソ・言い訳が並んだが、そもそも政府もパニックを懸念して公表する気がなかったことを首相補佐官だった細野 豪志が認めている。
 文科省は 9/12 から SPEEDI による拡散予測のデータ(毎時)を即時公開とした。これが文科省のサイトではなくて「環境防災Nネット」の方にあって、しかも、ここへのリンクがない。範囲は半径90kmのみ。


 ところで、集会・デモに参加していた福島県の若い女性が、福島の人は怒りというよりも悲しさの方が先に来ている、と言っていた。
 原風景が壊されてしまった、もう以前の日常には戻れない。自分の場合は、子供の頃に住んだ富岡町も浪江町も警戒区域に。広野町も、子供や若い女性は戻らないから、緊急時避難準備区域が解除になろうが、町は続かない。



被曝した子供たちに早く心電図検査を。異常なら避難
2011/ 9/14
 クリストファー=バズビー博士(65):ECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]科学委員長。低線量被曝・内部被曝によるリスクを喚起する。今年5月、ドイツのアンゲラ=メルケル首相は、同委員会の 2010 年勧告を読んで脱原発に傾き、国内全17機の原子炉を 2022 年までに運転停止・廃炉とすることに合意している。

福島の子供の心臓発作について クリストファー=バズビー博士(YouTube)

 以下、日本語訳全文。
 電離放射線の人体への影響に関する専門家、クリストファー=バズビーです。
 福島とチェルノブイリについてお話します。お伝えしたいのは何かといいますと、放射線の影響を見定めるのに使われるモデルはいつも癌と白血病にばかり着目します。現在のリスク モデルでは「福島で癌がどれだけ増える」「チェルノブイリで癌がこれだけ増えた」そういう話になる。でも、放射線はあらゆる病気を引き起こすことがチェルノブイリから分かった。その一つが心臓病です。ここでは子供たちの心臓病についてお話したいと思います。
 私の仲間、ユーリ=バンダシェフスキー教授はかなり有名です。ベラルーシの汚染地帯に住む子供たちにセシウム 137 が与えた影響を研究したからです。1990 年代後半、彼が発見したのは1kg 当たりわずか20~30 Bq という微量のセシウム 137 に被曝した子供たちに不整脈がみられることでした。そして、心臓発作を起こして死んでいた。とても深刻な問題です。つまり、子供たちの間には、白血病や癌もあるにはあったが、心臓病の割合がとにかく高かった。心臓病は普通 高齢者の病気です。それが子供たちに現れていたのです。
 私は考えました。低レベルの汚染地帯で、何故こんなことが? 調べてみますと、驚愕の事実が判明しました。2〜5歳くらいの心臓は大体この位の大きさ(ピンポン玉ほどの果物)です。10歳くらいだとこの位(小型のトマトほどの果物)です。 子供の心臓にある細胞の数も計測から分かっています。5歳児の心臓の重さは 220 gです。ほとんど血液です。血液を除いた5歳児の心臓には約85gの筋肉組織があります。データとしてはこういうことです。心筋細胞の大きさに関しても判っています。だから、子供の心臓にある心筋細胞もわかります。心筋細胞の数は30億個です。いいですね。
 これで何が分かるのか。仮に50 Bq/kg のセシウム 137 が心筋に入るとしますね。1 Bq は毎秒1回の原子核崩壊ですので、そのセシウム 137 ではどれだけ原子核崩壊があるか、1年間でどれだけの電子飛跡が出るか、判ります。この計算自体はとても単純です。ところが、想像を絶する量の電子飛跡が細胞内を通ることが分かります。しかも、このレベルのセシウム 137 の電子飛跡により、心筋細胞のわずか1%が死ぬだけでも心臓の心筋細胞全体の25%が失われるのです。これは大変 深刻です。心臓は驚異的な働きをしていますからね。心筋は一生を通じて自律的に収縮を繰り返します。1日 7,000 リットルの血液を体中に送る。驚異的です。70年間の人の一生を通じて心臓はずっと脈打っています。でも、当然これらの細胞はあまり入れ替わりません。1年でも入れ替わるのはせいぜい1%。これらの細胞の全て、または、その一部が損傷されたとしてもただちには入れ替わらないのです。つまり、50Bq/kg のセシウム 137 に1年間 被曝するというのは、なおセシウム 137 は筋肉に溜まるという実験結果があります。ヨウ素が甲状腺に行き、ストロンチウムが骨、そして、DNAに行くように、セシウム 137 は筋肉に留まる。心臓の心筋組織に蓄積されます。つまり、そのレベルのセシウムに1年間 被曝させられる子供の心臓ではそんな微量でも細胞の約25%が破壊されてしまいます。だから、バンダシェフスキーの研究と同じ影響が出ると予測できます。
 福島では子供たちが心臓発作を起こしていると聞いています。そうしますと、大変 重要なことが2つあります。まず、速やかに子供たちの心電図をとって下さい。どんな病院にもある設備です。心臓伝導系に問題がないか見て下さい。心筋細胞の損傷はまず刺激伝導系に出ます。バンダシェフスキーも心電図で発見しました。彼はこれを発表して投獄されました。「恐怖を煽った」とみなされたのです。
 バンダシェフスキーは数年間も投獄されていましたが、アムネスティと欧州議会が国際旅券を発給し、ようやく釈放されました。大変 珍しいことです。私も一緒に仕事をしましたが、本当に英雄です。ECRRのレスボス会議でも重要な賞を受賞しました。子供の心臓疾患増加についての研究発表もこの会議でしてくれたものです。
 まずは、子供たちの心電図を取り、心臓伝導系の異常の有無を見て下さい。
 (インタビュアー:避難すること?)
 ええ、心臓伝導系に問題が見つかった子はすぐ避難させるべきです。でも、1人でも伝導系の問題が見つかったら、全員 避難させるべきです。心筋内のセシウム 137 による潜在的影響があるからです。心筋や心臓は修復できません。子供たちはずっと苦しみ早死にするのです。
 そこで、2番目の重要点が出てきます。心臓発作や心臓病で死ぬ人は癌では死なないということです。癌は基本的に高齢者の病です。遺伝子の損傷が起き、大分 経って癌になる。癌の発症率は年齢と共に急上昇します。でも、心臓疾患の影響はもっと早く現れますよ。福島のような汚染地帯で癌が莫大に増えるとは限らないのです。癌も増えますが、心臓病はもっと増えるでしょう。ベラルーシではそうです。癌も増えましたが、心臓病が莫大な増え方をしています。その結果、ベラルーシ共和国の人口は、チェルノブイリ原発事故後 急激に減り、今ではマイナスに置き換わっています。実際、このままではベラルーシから人がいなくなります。福島でもそうなるでしょう。
 これは警告です。心臓病、心臓発作を注視し、子供たちを速やかに逃がして下さい。これはとても単純な計算でわかることです。
 報告書をネットにアップしますのでご覧下さい。それから、バンダシェフスキーがレスボス会議で発表した報告書はヨーロッパ放射線リスク委員会のサイトに載っています。
 ご清聴ありがとうございました。



 福島市にも郡山市にも子供たちがたくさんいる。福島第一原発から40kmばかりのこのいわき市にも。子供たちのことだけではないけれど、マスで見たら、膨大な数の人々がこれから厳しい状況を迎える。セシウムどころか、プルトニウム4核種が数百兆 Bq は飛散していて、太平洋の向こうまで届いているのだから。東日本の誰もがそのホット パーティクルを吸引している筈で、肺癌に繋がる。
 放射線医学総合研究所 主任研究員だった崎山 比早子さんが言われる通り、被曝にこれ以下は安全という しきい値はなく、累積被曝量と癌の発症数とはキレイに正比例しているのだから、外部も内部も被曝は少ないに越したことはない。数十の物質が放出されて、低線量被曝については晩発性の癌のリスクがあるなどの他は人体への影響が殆ど明確になっていないのだから、まず避難をして、注意深く予防・対応することは当たり前。
 それを、先日の福島国際会議など、原発利益で食っている学者連中がこの状況で被曝安全を振りまくのは無差別テロだ。何が「正しい知識とリスクを認知してもらう」だ!



福島で“国際原子力村”の学者らが被曝安全のテロ
2011/ 9/12、9/13、9/14、9/18
 あれから半年・・・昨日は実家の広野に戻って、14:46 に自室のあった場所に立ってみよう、15:15 に津波を遠望した広野小学校のある丘の上に立ってみよう、何か気持ちが整理できるかな、、、とも思ったが、猫をこの炎天下の部屋に置いたまま外出していたので、戻って断念。
 先週金曜日には、広野町のうちの実家のすぐ前や駅に「情報ライブ ミヤネ屋」での一同がやって来て生中継したり、先月下旬には広野小学校の仮住まいになっているいわき市の中央台南小学校に「爆笑問題」とかお笑いがグループでラジオの生中継に来たり、昨日は右翼の黒い街宣車がズラズラとやって来たり、そんな感じだが、日々【水澤節】、やるべきをやるのみ。

 そして、看過できない動きが始まった。チェルノブイリ原発事故で低線量被曝・内部被曝によるリスクを否定して回って膨大な数の死傷者を作ったICRP[国際放射線防護委員会]のほかIAEA[国際原子力委員会]・WHO[世界保健機関]・UNSCEAR[原子放射線の影響に関する国連科学委員会]といった“国際原子力村”の科学者らが昨日・今日と福島市に集まって会議をやっている。福島国際会議とやら。今後も続く。
 またぞろ山下 俊一という危ない学者が会議の“顔”を務める。山下はこの原発事故をチャンスと、福島県内を精力的にくまなく歩き回り、子供は毎時 100 μSv でも外でドンドン遊んでいい、マスクを止めた方がいい、と言って被曝を促すと、200 万人県民の健康管理調査調査を立ち上げた。話しぶりからして、高い被曝線量のサンプルが欲しかったからではないのか? この殺人未遂の疑いを持っているのはこちらだけではない。山下はそうやって何でもなかった大勢の子供や妊婦を被曝させ、これだけ多くの人々から強い憎しみを買い、県の放射線リスク管理アドバイザーからの解任を全国7団体から求められて、まだ涼しい顔をして活動している。まともじゃない。
 こちらは自治体主催でやった総合検診の個人データが山下らの健康調査に回されるというので、承諾を拒否している。

 他方、“国際原子力村”の連中は、福島からアピールして、原発推進のダメージを最小限にしようという狙いがありあり。つまり、チェルノブイリの時と同じく、被曝と癌ほかの疾病との疫学上の有効性だけを取り上げて因果関係を否定し、被曝リスクを極めて小さく評価して、巧妙に被曝安全デマを吹かして行くだろう。
 因果関係が立証される僅かな例を足し算したものが死傷者の実態だ、とする立場だ。晩発性の癌などは排除。ICRPの姿勢を批判するECRR[ヨーロッパ放射線リスク委員会]は、チェルノブイリ事故の前と後で被曝に関わる疾病で亡くなった人の数を、全ヨーロッパを対象に、それぞれ集計をして、差し引きをやるなどすると、最新の調査では 140 万人という死者数が出て来る、とする。チェルノブイリ事故を引き起こした旧ソ連の政府の事業を引き継いでその後遺症を研究して来たロシア科学アカデミー評議員の生物学者アレクセイ=Y=ヤブロコフ博士らも同様の数字を推計している。

 原発利益が目的の輩にこんな活動の機会を与えてはいけない。ただでさえ、国や県は安全がアピールできる情報は都合よく流し、危険情報は一切 隠し・ゴマカシをやっていて、他方、避難生活に疲れ果てている人々は住み慣れた家に戻りたくて仕方がなくているから、権威筋の言葉に容易に乗ってしまう。
 報道によれば、この会議では年間被曝線量を1mSv にすべきとのまともな主張も窺えるが(内部被曝の扱いが知れない)、ICRP副委員長のアベル=ゴンザレスは「今回の福島の原発事故で講じられた被曝対策は一貫性がある。内部被曝を必要以上に危険だとする誤解が広がっている」などとマヌケな演説した。日本では、米も野菜も肉も魚もセシウムなら基準値が 500 Bq/kg、即ち、水分も含めて日に2kg を摂取すると、セシウムだけで年間30万 Bq をも口にし得る環境なのに(検査態勢は一部の食材だけ。あらゆる食材が汚染されていて希釈はない)、なぜ低線量被曝・内部被曝のリスクが無視できるのか? プルトニウム・ストロンチウムほかの汚染はどこへ行った?
 当然、この会議にECRRのメンバーは一人も呼んでいない。こんな危険な密談を各省や福島県が後援している。“国際原子力村”の結論は「被曝安全」だから、行政には好都合、と。
 そして、「コンプライアンスの病」がある。上で決まったものには乗る。そこから外れること(で叩かれること)を怖れる“空気”が社会に充満している。行政にも、メディアにも。とにかくリスクを嫌い、責任を回避し、無難の追求になっている。そこに同調圧力が加わる。対米・英戦に突っ走った戦前の様相と同じ。
 非常に危ういことが始まっていることに皆 気付いていない。この“国際原子力村”の連中によってチェルノブイリ事故での健康被害の情報が操作され、被曝による健康被害が極めて過小に評価され、アピールされ、結果、ヨーロッパ全域で膨大な数の死人・病人を出した。一般認識のレベルで事実を曖昧にしてしまった。この連中は福島でもそれをやろうとしている、マヌケな財布を得て。まだぞろ原子力安全の路線に都合よく巧妙に情報が作られて行って、福島県民は被曝安全説の犠牲になるだろう。つまり、県立の福島医大ではなく、ECRRのような県民のための被曝研究の主体が必要だ。
 この動きをおかしいと思われる方は是非、日本財団笹川記念保健協力財団福島県立医科大学に抗議のメールを!

福島国際会議「放射線と健康リスク ― 世界の英知を結集して福島を考える
International Expert Symposium in Fukushima−− Radiation and Health Risks

●会議の目的
 日本財団は、笹川記念保健協力財団と協力し、1991 年より10年間チェルノブイリ事故に汚染された地域に住む約20万人の児童の検診を実施し、WHO,IAEA など世界にこの検診の科学的データに基づく情報を提供し、高く評価されています。この経験をもとに、福島原発事故による放射線被曝の健康への影響について、世界の英知を集め、科学的な検討を行うために、このたび下記の要領で国際専門家会議を開催いたします。この会議は、福島県民の健康リスク問題を正しく評価し、今後 予定される県民健康管理調査事業を支援すると同時に、新たな国際放射線安全防護に資する方策を考え、福島の復興に資することを目的としています。

●セッション テーマ
(1)福島の現状:緊急被曝医療対応と国内放射線保護安全規制
(2)放射線被曝による健康影響:低線量被曝と健康、緊急被曝医療の課題
(3)汚染地域における放射線量及び線量測定
(4)放射線生物学と放射線安全防護学:基礎と疫学、分子疫学
(5)チェルノブイリ原発事故の教訓から学ぶ
(6)放射線安全と健康リスクに関するガイドライン
(7)今後の放射線健康リスク対応に関する提言

●2011 年 9 月 11 日(日)、12 日(月)福島県立医科大学(福島市 光が丘 1 番地)

●公益財団法人 日本財団、国際放射線防護委員会、笹川記念保健協力財団、福島県医師会(予定)、福島県立医科大学、放射線医学総合研究所(予定)

●後 援(予定): 内閣府、外務省、文科省、厚労省、経産省、国交省、環境省、福島県

●組織委員会:笹川 陽平(委員長・日本財団会長)、紀伊國 献三(笹川記念保健協力財団 理事長)、菊地 臣一(福島県立医科大学 理事長 兼 学長)、丹羽 太貫(京都大学 名誉教授)、山下 俊一(福島県立医科大学 副学長、長崎大学 教授)、David Heymann(英国グローバル・ヘルス・セキュリティー・センター長)、Fred Mettler, Jr. (国際連合 放射線影響調査科学委員会 米国代表)

●会議の背景と目的
 2011 年 3 月 11 日に発災した東日本大震災に引き続いて起こった、東京電力福島第一原子力発電所事故は、今日に至るまで未だ収束していません。この間、緊急被曝医療対応についての諸課題が明白となり、同時に放射能環境汚染の中で困難な生活を余儀なくされている福島県住民の不安と不信は募るばかりです。
 現在の状況は、放射線安全防護に関する情報の錯綜による社会混乱を起こしているばかりか、地域コミュニティー崩壊の危機をも内包し、福島県の復興を困難なものにしかねません。国際的にも福島原発事故の実態とその放射線被害に関して日本から発信される情報は限られており、さらなる情報の開示が求められ、そしてこの未曽有の原発事故から5ヶ月目を迎え、拡大した放射能環境汚染の中で、発電所近隣地域に居住していた避難民は塗炭の生活を余儀なくされ、また同時に、福島県内、県外を問わず、放射能汚染が心配される地域で子供を持つ家庭の親たちの心労には想像を絶するものがあります。発信源によって異なる報道内容が流れるという情報災害も加わる中で、科学的知見に基づく放射線健康影響について、正しく情報を発信し伝達する取組みが不可欠であります。
 そこで、このたび、現在まで、放射線災害医療の学際的研究を重ねてきた世界の英知を集め、福島の現状を正しく掌握し、原発事故への健康リスク面からの対応を協議する場を設定することといたしました。世界の専門家からの適切な勧告を受け、放射線健康リスクに係る正しい情報とリスク認知のあり方を、福島のみならず世界へ発信することを目的として、日本財団 主催による「放射線と健康リスク」の国際専門家会議を来る9月11日、12日の両日、福島県立医科大学で開催いたします。
 30名に及ぶ外国人招聘者は、いずれも国連科学委員会や国際放射線防護委員会[ICRP]、国際原子力委員会[IAEA]、世界保健機関[WHO]、(国連科学委員会[UNSCEAR]も)さらに欧米旧ソ連からの各専門分野を代表する最前線の研究者です。今後の福島の復興・復活のためには、本会議での議論はきわめて重要であり、これを踏まえて、今後 予定される福島県民健康管理調査事業を支援すると同時に、新たな国際放射線安全防護策に生かしていく予定です。

 これに先だって、8/16、同会議の組織委員会が東京・赤坂の日本財団で会見し、会議の概要を発表している。福島民報によれば、山下は「県が実施する県民健康管理調査については内容に問題がないかを専門家に外部評価してもらう。子供を持つ母親の不安をどうしたら解消できるかも提言したい」と、更に、放射線の研究拠点を目指す福島医大と専門家との交流のスタートにも期待を寄せた、とある。「不安解消が目的」と3月から一貫して言うのだ。最悪のシナリオを想定して徹底的な被曝実態の究明とリスクへの対応を行う、といった真っ当な言葉は聞いたことがない。この男が県民の健康管理調査事業のトップにいることこそが県民の大きな不安なのだ。東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授にでも代わって貰いたい。

 膨大な数の人間の生死と人生が掛かっているのに、被曝した者を踏み台にした学者連中の紅葉ぶりに、業界の黒い思惑に、怒りが込み上げる。これは歴とした無差別テロだ。そんなに低線量被曝・内部被曝が問題ないと言うなら、一家で福島市にでも移り住んでから言え、と言いたい。
 いくら口で言ってもやめない連中。こういう不実の科学者の罪を問う法の整備を日本も早く!


占 題
 国による被曝実態の過小評価が年内に変わるか(9/11)

三 遍 筮 法
得 卦

38 火澤睽
伏卦 54 雷澤歸妹
互卦 63 水火旣濟
錯卦 39 水山蹇
綜卦 37 風火家人
 上九、(六五・六三にはそれぞれ正応あり)睽(ソム)きて孤(ヒトリ)。豕(イノコ)が塗(ドロ)を負ひ、鬼を載すること一車なるを見る。先には之が弧(ユミ)を張り、後(ノチ)には之が弧を説く。(六三は)寇(アダ= 攻め)するに匪ず、婚媾(= 結婚)せんとす。往きて雨に遇へば則ち吉。
 象に曰く、雨に遇ふの吉とは、羣疑(グンギ)亡ぶれば也。
 
 睽(ソム)くの卦の終わり、外卦【離】明の上の爻を得た。即ち、もうすぐ物ごとがワケの分かった状況になる、流れが変わる。年明けかね。
 上爻には 54【雷澤歸妹】|||(← 左を上に。以下 同じ)が伏しており、これは現状の物ごとの齟齬、噛み合ぬ様。それが変わる。
 錯卦 39【水山蹇】||で、前に進みたくても進めぬ状況だったが、やっとまともな展開になって来る。象傳に「羣疑 亡ぶ」と。

 爻 辭を考えると、これは行政あるいはメディアの様だが、100 %原子力で食っている御用学者などは別として、やはり“空気”の流れのことがあるように思う。



 この福島国際会議を終えて 9/12 の記者会見、テレビ報道によれば、福島はチェルノブイリの場合と違って放射線量は少なく、健康被害のリスクは問題にならない、と結論づけた。
 バカげている。プルトニウムが数百兆 Bq の規模で放出されている状況はどこ行った? 全放射性核種の放出量は更に三桁も違う。今後、白血病やそれぞれの癌の発症率が全国的に上がっても、被曝とは因果関係が証明できません、関係ありません? チェルノブイリ事故で多くの犠牲者を出した長期間の食物摂取による内部被曝は無視?
 この原発利益を代表した曲学阿世の学者連中こそが癌!



占 題
 “国際原子力村”の被曝安全説で行政が動くことになるか(9/13)

三 遍 筮 法
得 卦

50 火風鼎
伏卦 18 山風蠱
互卦 43 澤天夬
錯卦 3 水雷屯
綜卦 49 澤火革
 九四、鼎、足[初六]を折り、公[六五]の餗(コナガキ = 八珍の膳)を覆(クツガエ)す。其の刑剭(= 重刑)[形 渥(= ビショ濡れ、赤面)]。凶。
 象に曰く、公[六五]の餗を覆す。信(マコト)に如何せん(也)。
 
 鼎談の卦。前に 49【澤火革】||||(← 左を上に。以下 同じ)の変革、即ち、今回の原発事故があった。伏卦 18【山風蠱】|||はその被害の建て直し。
 それで、陰位陽爻の不正の九四、即ち、福島県は陰陽 相応ずる初六、即ち、陽位陰爻の不正の“国際原子力村”の連中と結んで県民の健康管理調査事業を始めるが、失敗する。
 互卦に両者の関係を観ても、43【澤天夬】|||||だから、その内 関係が切れることが判る。
 この卦は三本足で立つ。即ち、これに県民が加わるが、折れる足は“国際原子力村”の連中。

 県も町もトップがどうしようもないアホ。行政は硬直してまともな活動をしていないが、同時に、何となく危険ではないような雰囲気づくりで非難の声を緩めている。
 だが、怒れる県民その他の多くの声によって変わる。こちらも福島県庁と福島県立医大にガツンガツンやっている。福島県民の見殺しは許さない。



 福島に居ると、今週ぐらいからテレビのニュース情報番組などで、低線量被曝リスクについての前向きな言及、東京電力の賠償姿勢への苦言、発送電分離の有利などを取り上げるようになった。チラホラだが、これは明らかに反東電の言動。今までの情報空間からはちょっと考えられない動き。
 何があったのか?



占 題
 年内、山下 俊一は県民健康管理調査事業の任を続けるか(9/18)

三 遍 筮 法
得 卦

43 澤天夬
伏卦 28 澤風大過
互卦 1 乾爲天
錯卦 23 山地剥
綜卦 44 天風姤
 初九、趾(アシ)を前(スス)むるに壯ん。(微賤なる位で応も比もなく)往きて勝たざるを咎(トガ)と爲す。
 象に曰く、(微賤なる位で応も比もなく)勝たずして往くは、咎 也。
 
 【澤天夬】は中の九二・九五以外は凶だが、少なくても、上六に当たる来年2月頃までにはこの事業から去るだろう。これがもし年単位なら、5年後までにだが、ちょっと長い。県立医大の副学長の椅子については知らないが。
 それまでは、また甚だ怪しいそのオツムを晒すことがあるし、内心 鬱々として過ごすことになる。

 この男は要は県民 200 万人のデータ遊びがしたい。指示されたことやデータに忠実な人物で、何かプログラムで動いているかのようだ。福島県民の被曝リスクを最小にしなければ、という動機・熱情がなくて、聞かれれば口だけはキレイなことを言う。
 ミュージシャンの谷村 新司しかり(怨みはないが)、ああいう気持ちの悪いソフトなしゃべり方をする人間を私は信用しない。陰針がある。ハラが違う。山下もおそらくAB型だろう。


結 果
 



放射性ヨウ素が急増。国も県もダンマリ
2011/ 9/10
 先月辺りから各地で放射性ヨウ素の増加が指摘されている。ヨウ素 131 なら8日で半減してなくなって行く筈が、なぜ今ヨウ素が広い範囲で増加が確認されるようになったのか?
 核種によっては再臨界の結論になる。だが、世界中に反応を引き起こすし、事故収束・原子炉安定化のストーリーも引っ繰り返るから、政府も東京電力も原子炉が爆発でもしなければダンマリを通すのは目に見えている。
 事実、8月、原子炉建屋の脇に地割れが出来て水蒸気が立ち上って作業員が総退避したことが世界的に報じられても、また、原子炉建屋が大きな閃光を放って白い煙りが上がった時も、政府も大手メディアも無反応。原発事故担当相の細野 豪志、何が「包み隠さず話します」だ。大勢の子供らが居る福島市 渡利の空間線量を言ってみろ。ベラルーシ・ウクライナの事例を見れば今後 福島県を中心にして膨大な数の死人・病人を出そうというのに、回避策を執らずに放置して、政府が未必の故意による殺人・傷害行為をやっている。人命よりも生産者利益。福島県も政府からの保障をただ待っている無能ぶり。
 こちらは東京電力は勿論、民主党政府を、もうこれっぽっちも信用していない。この調子だし、何をやらかしても責任を取らないのだから。連中は、東京に居て、日々のベクトルが一に責任回避。

 話題の人、原子力安全委員会の委員で中部大学の武田 邦彦 氏が「ヨウ素の急増について(速報)」をアップした。
 何度も書くが、放射性核種も放射線も、どれだけ増えようが、眼に視えない、臭いもしない。



プルトニウムの放出は数兆 Bq!
2011/ 9/ 9、9/14、9/17
 9/ 8、福島県が県内全域の土壌のプルトニウムとストロンチウム濃度の調査を始めたと発表。11月まで公園や山林など35ヵ所で土を採取し(なぜこれっぽっちに2ヵ月もかける?)、年内に結果を纏める、と。調査地点は、県北4、県中5、県南3、会津11、南会津8、いわき4。
 浜通りの相馬郡(北から新地町〜南相馬市)と双葉郡(浪江町〜広野町)が対象になってないが、これは以前に文部科学省が重点的に調査を行ったので外したとのこと。

 そこで、文科省のサイトを探してみると、プルトニウムについて「福島第一原子力発電所から20−30km圏内の土壌試料の Pu の分析結果」(4/26)の文書あり。これによれば、3/21 いわき市・広野町、 3/22 田村市の土壌を採取し、いずれでもプルトニウムの数値は事故前のレベルの範囲内で、検出されず。実家の広野町では北部・西部で 0.00048〜0.0051 Bq/kg、と。「〜このことから今回の採取地点の土壌に、今回の事故によるプルトニウムの飛散はなかったものと考えられる」とあるが、とても信じられない。
 原子力安全・保安院が 6/ 6 付けで発表した「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書 − 東京電力福島原子力発電所の事故について」には 3/14 夜までに大気中に放出されたプルトニウム4機の合計で、Pu-238 が1.9×1010、Pu-239・240 が3.2が109、Pu-241 が 1.2×1012とある。計1兆 2,254 Bq も出ているのだ。この資料には31核種が並べられていて、燃料棒のウランのほか、圧力容器内にある何から何までが飛び出している。
 ところが、β崩壊してプルトニウム 239 になるネプツニウム 239 が 3/14 夜までに76兆 Bq が放出している。実際には、プルトニウム4核種で数兆 Bq はどうも確かなようだ。これだけで 100 万 kw クラスの原発が日常的に放出している全物質の年間の量の10倍になる。
 ストロンチウムの方は2核種で 2,140 兆 Bq となっているから、実際には京単位に迫る。
 前に書いた通り、放出量は事故後の正味4日半だけでヨウ素 131 とセシウム 137 との合計で77京 Bq と原子力安全・保安院が発表した。3月いっぱいは原子炉からモクモクだったことからすれば、今では何百京 Bq になっているか知れない。海外の研究者は世界60ヵ所の観測拠点を持つCTBT[包括的核実験禁止条約]のモニタリングの集計から放出量はチェルノブイリ原発事故のレベルかそれを超えている、と語っている。京都大学 原子炉研究所の小出 裕章 助教も国の数字はかなり過小だと。

 プルトニウムの毒性については色々な知見があるが、微粒子を吸引した場合の肺癌の発症が怖い。小出 助教はこれの化学的毒性について、「100 万分の1グラムを吸い込んだら死にます」と言っている。原子炉の中身が出て来たということで、欧米人は原発事故では何よりもプルトニウムの放出を怖れる。
 ●「プルトニウムという放射能とその被曝の特徴」(京都大学 原子炉実験所 小出 裕章)

 気付くことに、3/21 には広野町内でも土壌のプルトニウム調査をしていたのだ。MOX燃料を混ぜていた3号機がキノコ雲を上げて大爆発(3/14)して、プルトニウム拡散の危険性を国が強く認識したということで、放射性プルームが流れた南方向の広野町・いわき市を調べたのだ。子供の甲状腺被曝でも、飯舘村などの子供と共に、いわき市の子供も多数 選んでいる。
 4月下旬(?)に原発を管轄する経済産業省の若い職員が避難所に来た時に、プルトニウムほか放射性核種ごとの調査はどうなっているのかと質すと、事前に調べたが(経産省では)やっておらず、移動車でサンプリングするか体制を整えると言っていたので、放射性核種の調査はこれからだと思っていた。こちらは3月も下旬になると、空間線量より、ウラン・プルトニウム・ストロンチウム等による汚染の状況が心配になった。

 また、それより前の「福島第一・第二原子力発電所の状況と見通し」(4/13)とする長い資料には「3月28日 福島第一原発の敷地内(5地点)で 3/21 及び 3/22 に採取した土壌の分析を行った結果、プルトニウム 238、239、240 を検出(濃度は過去の大気圏内核実験の際に国内で観測されたフォール アウトと同様のレベルであるが検出されたプルトニウム 238 のプルトニウム 239、240に対する放射能比からみて、5点のうち2点のプルトニウムについては今回の事故に由来する可能性がある)」とある。

 ところが、5/25 東北大学院理学研究科の小池 武志 氏、東北大学サイクロトロン ラジオアイソトープセンターの島田 健司 氏らが福島第一原発のある大熊町内の11ヵ所で土壌を採取した検査では、そちこちからプルトニウム 239・240 が検出されている。0.19〜11.10 Bq/kg。
 「微量」と言うが、文科省の広野町での数値とは桁が3つ4つも違う。3/21 で合わせるなら、大熊町内の空間線量は広野町のそれの10倍ぐらいだから、思惑なしとは言えない国の検査は素直に採るわけには行かない。プルトニウムはセシウム・ストロンチウムより遙かに比重が大きくて 19.8 あるが、粉末となったら地球の裏まで飛んで行く。


占 題
 プルトニウムの今後の汚染拡大は如何(3/29)

三 遍 筮 法
得 卦

18 山風蠱
伏卦 26 山天大畜
互卦 54 雷澤歸妹
錯卦 17 澤雷隨
綜卦 17 澤雷隨
 初六、父の蠱(ヤブレ)を幹(タダ)す。子 有れば考(チチ = 父)も咎(トガ)无(ナ)し。q(アヤ)うけれども終に吉。
 象に曰く、父の蠱を幹すとは、意(イ = 意図)考を承くる也。
 
 当時、津波に家が流され、原発が危ないことになっているというので、何も持たずに避難。小野町の体育館でカステラの箱を切って筮竹を作り、一筮していた。

 この占示は、ことの蠱は小さい、と。占的からすると、災厄は小さいと採れる。
 ただ、初六には 26【山天大畜】||||(← 左を上にして見る)が伏しているから、筮時には既に大量に降り積もってはいる。事実、その通り。【山風蠱】も蠱の建て直しが終わる上爻までは長い道のり・・。



 プルトニウム 239 に壊変する前のネプツニウム 239 が少なくても飯舘村や伊達市まで大量に飛散していることが分かった、という情報あり(リンク)。これが数千 Bq/kg もの濃度。
 プルトニウムに壊変してベクレル数がどう変わるのか知らないが、想像するようなことだとすれば、地域にとっては致命的だ。空間のγ値が3μSv/h だから避難しますか、の話ではなくなる。そして、MOX燃料を被ったこちらいわき市方面はどうなんだ、と。
 しかし、調べたら、ネプツニウム 239 は2.4日でプルトニウム 239 になる・・・いつの調査?

 上の占も当初に飛散した量を問うたのではない。



占 題
 拡散したプルトニウムの人体へ致命的な作用如何(9/17)

三 遍 筮 法
得 卦

13 天火同人
伏卦 37 風火家人
互卦 44 天風姤
錯卦 7 地水師
綜卦 14 火天大有
 九四、(六二を得ようと)其の墉[九三](カキ = 城の垣)に乘る。(六二とを隔てる九三を? 六二と正応の九五を?)攻むる克(アタ)はず。吉。
 象に曰く、(六二を得ようと)其の墉[九三]に乘るは、義として克はざる也。其の吉とは、則ち困(クル)しみて則に反れば也。
 
 彖辞「人と同じうするに野においてす。亨る。大川を渉るに利(ヨロ)し」と云うのだから、遠方や海外でも皆 被曝がある。この卦は公平を尊ぶ。
 続いて、象傳に「君子 以て族を類し物を弁ず」と云い、学者により同族を類集して異物を弁別するというのだけれど、これは被曝対策か治療の様か、具体的な何を言っているのか思い浮かばないが、そんなことがある。

 この占示は、外卦【乾】の“肺”に内卦【離】の“プルトニウム”がくっ付き、その接点が示されている。【乾】はまた“健全”だが、そこのDNAが損傷すると、損じて外卦【巽】となる。そして、卦は 37【風火家人】||||となり、体の内部に二〜四爻の互体【坎】の“癌”を抱えることになる。


結 果
 



工程表の子供だまし
2011/ 9/ 6
 9/ 5、東京電力が、福島第一原発の3号機で原子炉内の圧力容器下部の温度が96.9度(17:00 現在)になり、発災以来 初めて 100 度を下回った、と発表した。容器内の底部に注水する方法に加えて、今月から核燃料に上から直接シャワーのように水をかけているので、その効果が表れたのだろう、と。
 1号機は 7/19 に初めて 100 度を下回ったと公表済み。

 東電はこのインチキをいつまで続ける?! 1〜3号機は燃料棒がメルト スルーして圧力容器どころか格納容器もコンクリートの床面も貫通して地中に流れ落ちている蓋然性が高いのに、ほぼ空っぽだろう圧力容器の底部の温度が何だと? 肝心要の核物質がどこにどんな状態であるのか分からなくて、何が事故収束?
 事故収束に向けた工程表の「ステップ2」を、来年1月までに圧力容器底部の温度を概ね 100 度以下の冷温停止状態にするのを目標とする、などとしたままだから、このインチキを改めようとしない(原発周辺の空間線量が年間1mSv 以下に安定的に確保されることもまた冷温停止の条件としている)。
 東電は1号機は核燃料が圧力容器を抜けて格納容器に留まっているとの認識を示しただけで、バカげた見方を改めず、「安定的に冷却できている」「原子炉の状態は安定している」と繰り返す。USA西海岸でも問題化しつつあるぐらいの海洋汚染になっているのに、容器の配管に亀裂が出来た程度?
 放射性ヨウ素 134 の増加や半減期の短い放射性核種の存在からして地下でグツグツ再臨界が続いていると言うし、そのためか、原子炉の脇でそちこち地割れが出来てそこから水蒸気が上がっているとか、放射性核種の漏れは大気に海洋に止められないようだし、何が収束だ! 9月に緊急時避難準備区域を解除します、ハイ住民は戻って、保障も終わりです?(後記:9/ 8、日本原子力研究機構などのグループが 3/21〜4/30 に海に流出したヨウ素・セシウムの総量は 15,000 tera Bq だと発表。東電発表の約3倍)

 会見会場の記者クラブのメディアはなぜ問い質さない? NHKを含めて、どの記事を読んでもそんな様子がない。大手のメディアはジャンジャン東電・政府側の言いを垂れ流すばかり。狂っている。新聞もテレビも、無難の追求しかない。

 そして、ここまでの事態になっていて、半年も放置されたままで、日本人はあまりにおとなしい、行儀が良すぎる。これで暴動も起きない、そんなバカな国は日本だけだ。鳴き通しの猫の世話だのがなかったら、思いっきり行動したいところだ。



「中間貯蔵施設」という名の最終処分場?
2011/ 9/ 5、9/ 8、2013/ 4/29
 9/ 4、原発事故担当相・環境相の細野 豪志が汚染されたガレキ・土壌等の最終処分場は福島県外にしたいと就任会見で述べた。「福島の痛みを日本全体で分かち合うことが国としての配慮だ」などとキレイ事を言うが、何のことはない、福島県に中間貯蔵施設の建設を呑ませたいだけ。その先の具体性が何もない。あるわけがない。「中間貯蔵施設」という最終処分場にするつもりなのだから。一番には福島第一原発3km圏内の土地に埋めるつもりでいる。

 1995 年、フランスから戻って来た再処理済みの高レベル放射性廃棄物を青森県の六ヶ所村に突っ込むのに、当時の科学技術庁長官の田中 真紀子はカッコ好く言った。「六ヶ所村を最終処分場には致しません。お約束します」。
 この時のことをこちらはよく覚えている。この姑息な輩はそれっきり。こんな口だけの無能者を国会に出し続けている新潟県と何なんだ?

 こんなやられっ放しで情けない、双葉郡を故郷とする者はプライドにかけて仮埋めを許すべきではない。放射性廃棄物は東京電力の時価1兆円を超える不動産に集めて埋めて、全て東電が管理しろ!



占 題
 中間貯蔵施設は双葉郡内に作られるか(9/ 5)

三 遍 筮 法
得 卦

24 地雷復
伏卦 3 水雷屯
互卦 2 坤爲地
錯卦 44 天風姤
綜卦 23 山地剥
 六五、敦く復(カエ)る(= 終わりに漸くにして正道に復る)。悔 无(ナ)し。
 象に曰く、敦く復る、悔 无しとは、中にして以て自(ミズカ)ら考(ナ)せば也。
 
 作ることになるだろう。情けない。
 除染を進める → 野積みする → 放射性廃棄物を他に持って行けない → 放置できず、纏めて埋めるしかない。国に除染を求める限り、否が応でもそう迫られることになる。正しくは、政府は他へ持って行く努力をしないし、東京電力も同じ。六五には初期におけるそれらの問題の解決困難を示す3【水雷屯】||(← 左を上に。以下 同じ)が伏している。そして、県知事の佐藤 雄平には政治力らしきものは全く感じられない。「私に代われ」と言いたいぐらいだ。だから、得卦の通り、問題が双葉郡 自らに復って来る。放射性廃棄物は外に出せずに、戻る。象傳の「中 自ら考す」とは以上のことを云っている。
 観方を変えると、【水雷屯】は外卦【坎】の“放射性廃棄物”を内卦【震】で“掘り起こしたり運んだり“している画。そうして、【地雷復】は【坎】を【坤】として“貯蔵”した画。【坤】の“地”中に【震】の“放射性”廃棄物と観ても好い。

 さて、双葉郡内に埋められた放射性廃棄物はその後どうなるか。
 【地雷復】は彖 辞に「行く攸(トコロ)有るに利(ヨロ)し」とあって、 19【地澤臨】||→ 11【地天泰】|||と巡る消長卦だが、終に 43【澤天夬】|||||の関係が切れることとなるかね? そこまで併せては採らない。これは別に一筮を要す。
 まあ、しかし、事故担当大臣がこれまたAB型の細野 豪志だ。こうなると、口だけの無責任なことになるだろうことを予言しておく。


結 果
 政府は双葉・大熊・楢葉の3町を中間貯蔵施設建設の候補地にして、あとの2町で調査を進めており、30年後までには県外に最終処分する、としている。中間貯蔵施設についてはこれ以外の選択の話は何等 聞かれないから、これで決まりだろう。的占。



日本は放射能汚染の中 暮らして行くしかなくなった
2011/ 9/ 3
 福島県に居ると食べ物が怖い。内部被曝のあり様を知るようになってから、その意識が強くなった。
 スーパーに行くと、惣菜は多くが県内産だったり、製造元の本社の住所の表記しかなかったり。さすがに魚介類は売れ残りが目立つ。それは、魚はサンプリング検査が出来ないとの認識が拡がっているのではなくて、感覚的なものだろう。
 半年 経って、国の被曝予防の対応が殆ど出来ていない。牛肉は抜き取り検査をやれば決まって引っ掛かる、大甘の基準値に。殆ど報じられることがない豚肉や鶏肉も同じなのだ(後記:9/ 3、やっと先月から始まった厚生労働省による抜き打ち検査で、千葉県産として発売されていた茶葉から 2,720 Bq/kg が検出されたと報道)。ジュースや蜂蜜などは国の検査の対象外。検査の人手が足りないことは当初から分かっている。そして、主食の米はこれから収穫期。
 それなら、持ち帰り弁当のほっともっとはどんな対応を取っているのかと思って問い合わせた。以下、返信の全文。あちらの担当者名は伏せます。

 いつも弊社をご利用頂き、心より御礼申し上げます。株式会社プレナス ほっともっと いわき地区担当の○○○○と申します。放射能の影響に関する問い合わせについてのご返答をさせて頂きます。
 ほっともっとで使用する野菜の産地については、野菜の種類、時期により常に変動しております。現在プレナスでは、野菜の使用産地制限はしておりません。
  「危険」であると判断される野菜の産地については、「原子力災害特別措置法」に基づき出荷制限措置がとられるものと考え、市場に出回っている野菜については安全なものであると考えます。因みに、今日 福島県内の店舗で使用している野菜の産地はキャベツが北海道・岩手・宮城産、レタス(岩手)、玉葱・人参・大ねぎ(中国)、ピーマン・大根(岩手・青森)、水菜・きゅうり(宮城)、小ねぎ(千葉・宮城)、トマト(宮城・北海道)となっています。
 また、使用するお米について、国産の当年産(現在は22年産)を産地より直接 仕入れ、自社精米センター及び委託工場にて無洗米として精米し店舗にて炊飯・提供しております。産地については特定しておらず、国内産で常に変動するのが現状です。23年度産米については、農水省から発表された「米の放射性核種調査の基本的な考え方」についての動向を見ている状況で、暫定基準値を超えた米については「原子力災害特別措置法」に基づき出荷制限措置がとられるものと考え、市場に出回る米については安全なものであると考えます。
 弊社といたしましては、政府からの「原子力災害対策処置法」に基づく指針に従い風評被害を拡大させることのないように対応いたします。
 なお今後、弊社として安全なお米をご提供するための確認方法を模索中です。  食肉、海産物などの主な原産国については、弊社ホームページ上にて開示させていただいています。
 弊社ホームページの「メニューを見る」のページから、お客様がお住まいの都道府県を選択していただき、各メニューをクリックしていただくと、栄養成分、原産国の情報が表示されます。
 是非、ご参考にされてください。これからもお客様の満足を実現し続けることができるよう邁進してまいりますので、「ほっともっと」を宜しくお願いいたします。


 何だか気持ちの悪い責任回避の意識が目立つ。国が暫定基準値を定めているから市場に出回っている食材は安全と考えるって? セシウム 500 Bq/kg 以下ならパスって、そんなものは放射性廃棄物だ。先月、茨城県のひたちなか市ではビール・焼酎・麦茶の原料になる二条大麦(6/30 採取)から 460 Bq/kg が検出されたが、事なし。
 放射性核種の大量放出から半年、ほっともっとでは自主検査をしていないし、社内での規制値もまだ設けていない、と。外食産業では、米も小麦もミンチも、基準値の限界まで安い汚染ものを混ぜることは目に見えている。

 調べたら、暫定基準値の設定基準となる内部被曝の上限については 3/25 の第 373 回 食品安全委員会の僅かな議論で、厚生労働省の筋書きで決まっている。
 会議では、現状は食糧危機の状況だと勝手に認識。ヨウ素・セシウムの各年間被曝線量を5mSv と根拠らしい根拠もなく決めたものなら、全ての核種にこれを当て嵌めるようなデタラメをやっている。体内に取り込まれる全物質の総量が一生でまたは一年でどれだけになりそうだから、それならそれぞれの物質の基準値をどうすべきか、といった真っ当なアプローチがない。放射性核種が人体に蓄積してゆく認識があるのか?
 要するに、準備がないまま会議をやって、何もかもテキトーに決めている。

 水道水は、いわき市水道局のホームページには、クロム51、マンガン54、コバルト58、テツ59、コバルト60、ジルコニウム95、ニオブ95、 ルテニウム 106、セシウム 134・137、セリウム 144、ヨウ素 131・132 と13核種を列記して、どれも不検出[ND/概ね4Bq/kg 以下]だから「1歳未満の乳児を含めすべての方に飲んでいただいて問題ありません」と堂々と書いている。原子力安全委員会が決めた基準値はヨウ素 300 Bq/kg、セシウム 200 Bq/kg で、不検出でも、含有割合が僅かというだけで、それぞれが日々 体内に蓄積するのだ。水道水の成分分析は現在、地域の水道局ではなくて、原子力災害現地対策本部がやっている
 本当はウラン・プルトニウム・ストロンチウム・テルル・トリチウム等もしっかり検査をしているから「〜ヨウ素 132 など」と霞ヶ関作文をやっているワケで、県内のどこでも検出されている筈だが、福島第一原発の敷地外からプルトニウムがそれなりに見付かったとなれば海外の反応が怖いから発表しない。
 6月に大熊町内のそちこちの大気・土壌・清水から微量のプルトニウムが検出されたと報じられたことがあったが、立地町だしと、それっきり。どうせ、やがて、近隣諸国・環太平洋諸国からとてつもない額の海洋賠償を請求される。それが怖いから、トリチウムは福島第一原発から出ていないことになっている。民主党は何でも隠すのだ。
 水道水検査の実施主体は、地元の自治体ではなくて、国の原子力災害現地対策本部、別名「大本営」。国民の安全は二の次。検察の動きは未だ見えず。


 さて、先月下旬にいわき市中央台の仮設住宅に移った。足の踏み場もない家財道具を整理して体制を整えたい。
 その集会所の前に放射線量[γ線のみ]測定のモニターが立った。毎時 0.06 μSv? この福島県の浜通りで 0.10 μSv 以下の場所など聞いたことがない。このセンサーは地上 数十cmのところにある。福島県放射能測定マップでは、ここから近くの48km地点のいわき中央台南小学校で 0.20 μSv/h(9/ 2 12:20 計測、地面からの高さ不詳)。いわき市の中心部は低くても大体そんなところ。
 いわき市でも広野町でも、役所にある線量計は洗い流しの好いアスファルトの上に置いて近隣の数値の7掛けにしている。線量計によっては自然放射線の数値を差し引いて表示できるようだが、そもそもこれは放射線の大半を占めるβ線を除いているというインチキの上に、“行政の線量計は弄っている”という人がチラホラ。(後記:数値のおかしさを指摘したら、調整中として止まったまま)
 チラホラはただの想像とは言えない。今まで地元で噂になったことは決まって根拠があった。「福一原発の原子炉は津波の前にもうダメになっていた」という話も、地震の揺れで格納容器に繋がっている多くのパイプ類が壊れたことなのか、どういう理由かオペレーターが緊急冷却装置を3回 停止させたことなのか(これは事実)、直接 現場の証言を聞いてはいないが、ここには事故前からの東京電力関係者がたくさんいる。


メーカーは公共事業で食べている(株)キクテック

 国も県も今の事態をひたすら小さく見せようとしている。一に経済。福島県に居て、インターネットに接していなかったら、汚染問題などないかのようだ。メディア上、危険を喚起する者がいない。地元の 「SEA WAVE FM いわき」など毎日 行政側の安全メッセージを連呼。

 日本は向こう数十年か23世紀ぐらいまでか、放射能汚染と付き合って行くしかなくなった。食べものはどれも放射能まみれ。やりきれない。怒りがたぎる。まだ原発推進を言う者はまずこの福島で暮らせ!



6市町村で 148 万 Bq/m² 超え
2011/ 8/30(改 8/31)、9/ 3
 8/29、福島第一原発の爆発直後から汚染地域を走り回っていた文部科学省がやっと「そこには住めません」のデータを出して来た(文部科学省による放射線量等分布マップ(放射性セシウムの土壌濃度マップ)の作成について)。土壌汚染についての初めての調査マップ。
 6/ 6〜6/14、6/27〜7/ 8、福一原発から半径 約 100 km以内の土地を2km²メッシュ、つまり、2km²にごとに区切って約 2,200 ヵ所の土壌サンプルを採取。
 それで、1m²当たりの放射性セシウム 137 が 148 万 Bq を超える地点が、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町(以上、双葉郡)、飯舘村、南相馬市(以上、相馬郡)の6市町村で34ヵ所あった、と。この 148 万 Bq/m²以上とはチェルノブイリ原発事故で強制移住の基準となった汚染濃度。55.5万 Bq/m²以上の地域が移住をしなければならない対象となって、今に至っている。今回 最も数値の高かったのは大熊町内の 1,545 万 Bq/m²で、セシウム 134 と合わせると、約 2,946万 Bq/m²だと。おそらく飯舘村辺りにはそれ以上のエリアがあるだろう。



< チェルノブイリ原発事故での汚染区分 >
 ※ ロシア・ベラルーシ・ウクライナのチェルノブイリ被災者救済法に基づく。以下はセシウム 137 で見た基準で、他にストロンチウム 90、プルトニウムによる基準もあり。以下の区分の他に原発に隣接する区分あり。
●第一区分:
 居住禁止区域。直ちに強制避難。立入禁止。
 148 万 Bq/m²〜[40 Ci/km²〜]。計 115,900 km²。
●第二区分:
 特別放射線管理区域。義務的移住区域。農地利用禁止。
 55.5万〜148 万 Bq/m²未満[15〜40 Ci/km²未満](年間被曝線量5mSv 以上)。計 19,120 km²。
●第三区分:
 高汚染区域。移住の権利が認められる。
 18.5万〜55.5万 Bq/m²未満[5〜15 Ci/km²未満](年間被曝線量1〜5mSv)。計 7,200 km²。
●第四区分:
 汚染区域。不必要な被曝を防ぐため、定期的に放射線管理の要あり。
 3.7万〜 18.5万 Bq/m²未満[1〜5 Ci/km²未満](年間被曝線量0.5〜1mSv)。計 3,100 km²。

 隣の茨城県ではどうかと言えば、8/30 発表の航空機からの地上1mのセシウム 134・137 についてのモニタリング調査(7/26〜8/ 2)では、10万 Bq/m²を超えるポイントはない。

 尚、空間線量については 8/12 発表(8月2日公表の「文部科学省による放射線量等分布マップ(線量測定マップ)の作成について」の修正について)。

 また、食のこと。一つ前の稿の岡島 俊三 氏の報告書によれば、チェルノブイリ事故の汚染地域では、セシウム 137 が55.5万 Bq/m²を超える地区[第二区分]では、汚染されていない食品が販売され、その地域で生産された食品の消費が禁止されている、とのこと。

 さて、この土壌汚染の調査を纏めた原子力発電環境整備機構フェローの河田 東海夫 氏 曰く、「広域な汚染マップを作るとともに、住民が戻るための大規模な土壌修復計画が必要だ」
 愛想が尽きる。こんな結果を受けて、いつまでチマチマと戻る話ばかりしている! 福島県に居れば否応なく地場のものを口に入れる。除染は遠方避難をさせてからやれ!



 上の土壌汚染マップでは、広野町の実家の辺りはセシウム 137 が10万〜30万 Bq/m²のポイントになっている。チェルノブイリ事故での汚染区分で言うと第三区分(18.5万〜55.5万 Bq/m²未満)に重なる。
 沿岸地区の代替え地が提供されても復興住宅が建てられても、福一原発から20数kmばかりの広野町に住み続けることは出来ないが、移住の権利は認められるか。


占 題
 移住の権利が認められるか(9/ 3)

三 遍 筮 法
得 卦

53 風山漸
伏卦 20 風地觀
互卦 64 火水未濟
錯卦 54 雷澤歸妹
綜卦 54 雷澤歸妹
 九三、鴻(オオトリ)陸(クガ)に漸(スス)む。夫[九三](オット)征きて復らず、婦[六四](フ)孕(ハラ)みて育せず。凶。(九三は)寇[六四](アダ= 外敵)を禦(フセ)ぐに利(ヨロ)し。
 象に曰く、夫[九三]征きて復らずとは、羣醜[六二・初九](グンシュウ)を離るる也。婦[六四]孕みて育せずとは、其の道を失へば也。用て寇を禦ぐに利しとは、順にして相保てば也。
 
 爻辭をなぞれば、広野町にあっては、男は仲間を離れて出て行って戻らず、女は子供が育たないと嘆く、放射性核種を防ぐのが好い、皆と相 助け合って、と。即ち、自主避難の画。まあ、まともな人達の選択はそうだ。卦は、内卦【艮】の“門・家”に対して外卦【巽】の“命令”、【倒兌】の“説く”様だから、御上の指示による疎開の意も拾えなくはない。
 現状は錯卦 54【雷澤歸妹】|||(← 左を上に。以下 同じ)で、人々の被曝リスクと行政の避難措置との噛み合わぬ様。また、この卦は 12【天地否】|||の物ごとが通らないところから来ている。
 伏卦 20【風地觀】||は、そこに人々の居る意があり、また、住所が変わる意あり。また、【大艮】だが、【艮】は止(トド)まるだけでなくて、動きを孕み、“退く”の意あり。そうして【風山漸】、と。

 占的の権利問題はと言うと、この卦は漸々(ダンダン)に漸(スス)む。何かに止(トド)まりて巽(シタガ)ふの卦徳だから、いずれ保障はありそうに思える。内卦【艮】の以前の住所を持ったまま、外卦【巽】で動く・逃げる・伏すワケ。



チェルノブイリ30kmの4年後の空間線量は1μSv
2011/ 8/30
 チェルノブイリ原発事故から4年3ヵ月を経た 1990 年8月に、(財)笹川記念保健協力財団による視察調査団の一員としてチェルノブイリに赴き、原子炉を被う石棺の内部にも入った元長崎大学 医学部 教授の岡島 俊三 氏(放射線物理学 専攻)が「チェルノブイリ原発事故 医療協力プロジェクトに参加して」(← リンク訂正)とする一文でこう書いている。
 「大草原を走り、原発を中心とする30km汚染ゾーンの検問所に着く。ここで原発側用意の専用バスに乗り換える。サーベ メータの値はこのあたりでは1μSv/h 以下である。発電所に1km 程に近づいた地点で4μSv/h を示した。原発本部の玄関あたりでは 1μSv/h 以下であった」

 旧ソ連政府が強制避難をさせた半径30km圏の外から、数年して癌・白血病・心臓病・死産・奇形児・・・を見るのだが、除染する前、30km辺りの空間線量がどれだけなのかと思っていたら、広野町のレベルだ。
 頭のおかしい菅 内閣はすぐにでも緊急時避難準備区域の指定を解除すると言う。何かあれば隠蔽・ゴマカシで、国は住民には何の説明もしようとせず、どうして戻れますか? 「オタクの息子さんも広野町民になりますか?」



IPPNWが日本政府へ一層の避難を勧告
2011/ 8/29
 IPPNW[核戦争防止国際医師会議]は 1980 年 創立し、世界63ヵ国の医師団体と2万人を超える医師たちにより構成。冷戦中の 1985 年には、米・ソの医師達も協力し合い、特に核戦争や核実験の健康被害に重点を置き、人道的な立場から、核による人類の滅亡を防ぐために公衆の意識の向上に貢献したとして、ノーベル平和賞を受けた。
IPPNW日本支部 公式
 
 8/22、IPPNW[核戦争防止国際医師会議]が首相の菅 直人 宛に公開書簡を提出した。「原子力の安全性に責任を負う政府機関が公衆の健康より政治的・経済的利益を優先して来たのではないかとの疑問」を呈し、4月に日本政府が年間許容線量を20mSv に引き上げたことに対して「依然として深く懸念」と表明。「国際的に最善と言える水準の放射線防護策を実施するには、一層の避難が必要」と勧告した。

 内閣総理大臣 菅直人 閣下 拝啓

 IPPNW[核戦争防止国際医師会議]は3月11日の地震と津波の後、日本で起こった悲劇的な出来事を綿密に追って来ました。今回の大災害の犠牲者の皆さま、そして、全ての日本の皆さまに心からお見舞い申し上げます。毎年この時期、皆さまは広島と長崎への原爆投下を思い起こされています。そして、平和を祈念し、核兵器が二度と再び使われることのないようその廃絶を願うアピールを国として採択されています。しかし、今年は悲しいことに福島で起きた新たな核の災害から立ち直ろうとしている最中にそれらの日を迎えることとなりました。IPPNWの全員が皆さまと悲しみを分かち合いたいと思います。
 私達がこの数ヵ月間 特に懸念して来たのは、福島第一原発での事故について、そして、最も危険な地域に暮らす人々の放射線被曝の影響についてです。私達は危機の初期の頃から、事故を起こした原子炉から出る放射性核種の中身と規模について日本の公衆と国際社会に対して十分な情報提供がなされていない様子であり、これを遺憾に思うと申し上げて来ました。また、被害に遭われた住民の方々の被曝について適切な調査が行われていない可能性があること、原発周辺に住む方々の避難範囲が十分ではない可能性があること、そして、国際的に実践されて来た最善の放射線防護の基準からすれば、被曝の上限値は日本の人々、特に子供や妊婦など弱い人々を守るために必要なレベルに満たないものであるとも申し上げて来ました。
 最近の報道では、原子力の安全性に責任を負う政府機関が公衆の健康より政治的・経済的利益を優先して来たのではないか、との疑問が上がっており、私達はこれを心配しております。
 私達は、核兵器 並びに福島のような原発事故が健康と生存にもたらす脅威を何よりもまず懸念する国際的な医師の団体です。そのような立場から強く要請したいのは、この危機の対処策について総理が複雑 且つ困難な決定を下されるにあたって、日本の人々の健康と安全をもっと優先して頂きたいということです。なぜなら、核の事故による影響はあまりにも重大で長期的だからです。福島の放射性核種による汚染は国境を越えて世界中の大気や海へと拡がり、日本だけではなく世界中で健康に影響を与えるのです。
 総理も仰って来たように、状況はまだ安定していません。壊れた原子炉と使用済み燃料プールの構造的な健全性が回復し、安定的な冷却が持続し、冷温停止になるまでは、広範囲に渡って損壊した原発からより多くの放射性核種が放出される可能性がまだ残っています。特に余震が頻繁に起こり続けているという背景においてはその危険性があります。従って、その必要が生じた場合には福島第一原発から少なくとも80〜100 km圏内で迅速に大規模な避難を行えるように包括的な計画を立てておくことが必要不可欠であると、私達は考えております。
 たとえ放射性核種のさらなる大気中への放出がないとしても、以下の措置の中でまだ未着手のものは一刻も早く実行に移して下さい。そして、他の全ての利益よりも公衆の健康を明確に優先して下さるよう強く要請します。

1.一定以上汚染された地域の住民の放射線防護とケアのために緊急に必要なのは、包括的で一貫性があり、最善の方策を採るアプローチです。その基本的な要素には以下のものが含まれるべきです。
a)放射能汚染についての詳細な空間地図の作成。
b)福島第一原発からの単純な距離ではなく、実際の汚染レベルと予想される被曝の総量とに基づく管理体制。被曝の総量は、外部被曝と内部被曝の両方を含むこと。
c)陸 及び海の環境中 並びに食物、植物、動物、水の放射能汚染に関する長期的・継続的な調査。速やかに且つ完全に結果が公表されること。
d)一定以上 汚染された地域の住民と福島第一原発の全作業員の包括的な登録作業。そして、被曝の早期評価と長期的な(生涯にわたる)健康調査。日本政府と福島県は、放射線医学研究所、福島県立 医科大学、広島大学、長崎大学と共同で、福島に住む人々の包括的な健康調査を開始されたとのことですが、私達はこれを歓迎 致します。また、これらのデータはそれぞれの人に対して最適のケアを提供し、この災害の長期的な影響を理解 及び記録し、被害に遭われた住民の健康上の必要性に最も見合うサービスを計画しその目標を定めるにあたって重要となります。これらの計画と進展の詳細は、国際社会と共有されれば有益でしょう。包括的な住民登録に基づく健康調査は、長期的で独立したものでなければなりません。また、全ての過程・データ・結果は国際的な専門的評価に掛けられると共に、誰もがアクセス可能な形で速やかに公開されるべきです。チェルノブイリにおいては事故後にそのような厳密なプロセスが欠如していたため、大きな空白が出来てしまい、現在、例えば国際癌研究機関などがそれを埋めるべく取り組んでいるという状況です。内部被曝の継続的評価は住民の健康調査における重要な要素とされるべきです。
e)一般公衆の医療行為以外での付加的な被曝の許容線量は、全ての放射性核種に対する外部被曝と内部被曝の両方を含めて、合計年間1mSv に戻されるべきです。これは特に子供と妊婦にとって重要であり、一刻も早く実施されるべきです。
f)慢性的な低レベル電離放射線への被曝が健康にもたらすリスクに関する証拠の重みが増していることを踏まえ、また、世界各国の放射能汚染管理対策に合わせるならば、医療行為以外での回避可能な被曝は年間5mSv 以上 許容されるべきではありません。更に、事故発生から1年が経過した後は50歳以下の大人に対して年間1mSv を超える被曝を許容すべきではありません。

2.国際的に最善と言える水準の放射線防護策を実施するには、一層の避難が必要です。私達はそれ以外に方法はないと考えます。更なる回避可能な被曝を最小限にするために、避難計画が迅速に立案、実施されるべきです。環境中の放射能が高い時期に対応するために、余裕を見ても 2011 年末までには完了させるべきです。

3.今回の事故の結果、もし従来の居住地に留まるなら、年間1mSv 以上の付加的な被曝を受ける可能性のある人々については、その全員に対して、移住のための援助策が施されるべきです。その目的は、健康保持を促進し、既に多くを失った人々に対してこれ以上の金銭的・精神的な負担が掛かるのを避けることです。

4.去る4月、貴国政府は子供や妊婦を含む公衆に対して年間20mSv の放射線許容線量を設けましたが、このことについて私達は依然として深く懸念しています。自国の一般公衆に降り掛かる放射線に関連する健康上の危害をこれ程まで率先して受容した国は、残念ながらここ数十年間、世界中どこにもありません。このような基準は、受け入れ難い健康上のリスクを避けることが出来るにも拘わらず、もたらすものです。私達 医師にはこのことを指摘する倫理的責任があります。

5.市民が自身と家族の被曝をどのように減らすことがで出来るのかについて、権威ある情報が広く提供されるべきです。しかし、意味のある除染措置を特に農地などで大規模に行うためには、政府の資源を必要とするということもまた認識されなければなりません。

 福島第一原発による放射性降下物に晒された人々は勿論、リスクに晒されることになる未来の世代の健康を最大限 守っていくためにも、これらの方策が医学的に必要であることを私達は確信しています。そのような優先事項が明確に示され実行に移されれば、既得権益が人々の健康と安全を危うくしているわけではないとの信頼が国内外で長い時間をかけて回復していく筈です。総理がこうした視点を共有し、これらの方策を確実に実行すると約束をして下さることを切に願う次第です。

敬 具 IPPNW[核戦争防止国際医師会議]共同会長ヴァップ=タイパレ、共同会長セルゲイ=コレスニコフ、共同会長ロバート=ムトンガ

(翻 訳:田中 泉、乗松 聡子、川崎 哲)http://peaceandhealthblog.com/2011/08/23/ippnw-pm-kan-fukushima

 ※ リンク切れになる可能性があるため、転載します。



ヒューマンライツ・ナウ が日本政府と東電へ責任を果たせと勧告
2011/ 8/29
 法律家、研究者、ジャーナリスト、NGO関係者などが主体となって、世界で確立された人権水準を国内外で実現しようという趣旨で 2006 年に日本に設立。特定非営利活動法人。アジア地域を中心に活動。
ヒューマンライツ・ナウ 公式
 
 特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ
 福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康・環境・生活破壊に対して、国と東京電力がとるべき措置に関する意見書

 福島第一原発事故により、広島型原爆の20〜30個分に相当する放射性核種が漏出していると積算される状況下で、広範な地域に住む周辺住民、特に放射能被害を受ける危険性がある妊産婦、乳幼児、子供、そして、若い世代の健康は深刻な危険に晒されています。
 政府は、年間被曝線量20ミリ シーベルト(以下、mSv)を計画的避難の指示や特定避難勧奨地点の指定の際の基準として用い、これを上回る畏れのある地域・地点については、避難指示等の措置を講じるとし、それ以外の地域については何らの補償も避難の権利も認めず、放射線防護策や除染も国として十分に推進していません。
 HRNは、国際基準、チェルノブイリ事故の経験から自然放射線を除き1mSv/年を越える地域について、国が人々の健康の権利等を保護するための全ての措置、そして、補償等の措置を執るよう求めています。
 原発事故から5ヵ月が経過し、「暫定基準」などではなく恒久対策が求められている今、国際基準から著しく乖離した緩和された基準に基づき、住民の健康を危険に晒すことはこれ以上 許されない状況です。日本はチェルノブイリ事故後の旧ソ連の対応より著しく後退した対策しか取っていませんが、人権を尊重する国として恥ずかしくない対策を取る姿勢に直ちに転換すべきです。
 本提言書でHRNは以下のことを国と東京電力に求めています。
 日本政府 及び東京電力株式会社に対し、国 及び加害企業の責任として、少なくとも以下の責任を果たすよう求める。

1.国際基準 及びチェルノブイリ原発事故後の汚染区域の設定に基づき、自然放射線を除く年間被曝線量が1mSvを超える全ての地域について、住民の健康を保護し、住環境を取り戻すためのすべての必要な措置を執ること。

2.チェルノブイリ原発事故後、旧ソ連、ロシア共和国、ウクライナ共和国などにおいて、事故による年間被曝線量が5mSv を超える汚染地域が移住地域と指定され、年間被曝線量が1mSv を超える地域の住民が国の援助と補償に基づく避難を受ける権利を認められ、食糧、医療、生活手段の援助がなされたことを参考に、
自然放射線を除く年間被曝線量が1mSv を超える地域の住民に発生した損害に対し補償措置を行い、避難により生活基盤を奪われた人々に対し、包括的な生活再建を保障すること。
●自然放射線を除く年間被曝線量が1mSv を超える地域について、放射線汚染の恒常的モニタリングと住民への開示、一刻も早い除染による以前の状態への回復、放射線防護、食糧供給、内部被曝を含む長期的な健康影響調査・医療保障などの措置を講じ、人々を放射線被害から守ること。
汚染の実態に即した避難地域の再検討を行うこと。

 http://hrn.or.jp/activity/20110817houshasenn.pdf



帰宅可能の話をいつまで続ける
2011/ 8/28
 8/26、福島第一原発から半径3キロ圏内の双葉・大熊両町の住民が初めて一時帰宅。以来、5ヵ月半。双葉町が64世帯 117 人、大熊町は特別養護老人ホーム「サンライトおおくま」への入所者の家族28人だけが参加(後記:9/ 1、大熊町の町民が一時帰宅)。
 最大の空間放射線量は、双葉町が毎時 13.43 μSv、大熊町が毎時 72.42 μSv。個人の積算放射線量は、双葉町が3〜23μSv、大熊町が4〜25μSv。

 遠からず家に戻って生活できると思っている避難者はまだいる。なにせ福島県内に眼をやると、地方紙にもテレビにも被曝リスクについてのまともな情報がないし、避難者の多くはインターネットの環境にない。高齢者はどうしたって住み慣れた場所にいたい。
 福一原発から3kmのサンライトおおくま にはホームページが世に出回り始めた頃、営業に行っている。実は大熊町役場のホームページを立ち上げたのはこちらだし、双葉町役場のホームページも落札した。北隣の浪江町はこちらが育った町で、妹も祖母も皆が眠っている。請戸は本家、酒井は祖母の実家。富岡町は幼い頃に暮らした町だし、楢葉町には高校時代に少林寺拳法の稽古に通った。双葉郡はそこに当たり前にあった故郷。
 それから、実家の広野町の中央台の中央体育館が以前からこの一時帰宅の中継基地になっていて、広い駐車場には自衛隊の大きなテントが張ってある。国は広野町が空っぽのままでは困るのだ。


 8/27、政府と福島県との福島復興再生協議会の初会合に、菅 直人、復興担当相の平野 達男、原発事故担当相の細野 豪志らが来県。汚染された地域の内、年間被曝線量が 100 mSv と推量される地域は、政府が帰宅可能とする年間20mSv 以下になるのに10年以上、150 mSv の地域で20年以上、50mSv の地域で4年以上かかり、除染によって短くする努力はする・・・との試算を示した。菅は「原子力発電所そのものは段々 落ち着いて来ているが、早い段階で放出してしまった放射性核種の影響が色々な形で広がっている」と。
 また、菅は福島県知事の佐藤 雄平と会談し、汚染された土壌やガレキについて、中間貯蔵施設を福島県内に設置したい、最終処分場にすることは全く考えていない、と。具体的な場所や設置時期、期間は示さなかった。

 菅 内閣は、町民の家に戻りたい気持ちを利用して、遠方移住より除染 → 居住可能に持って行こうとしている。財務省 主導で、福島県民の健康・生命など二の次。
 チェルノブイリ原発事故では飛び地を含めて 10,300 km²もの土地(= 京都府 + 大阪府 + 福井県)が今も立入禁止となっている。それより大気・土壌の汚染度が高くて人口密度の高い福島市や郡山市が居住可能のまま済ませられるわけがない。
 よく移住による死亡のリスクが語られるが、その多くは事故直後の話、高齢者の話であって、医療の設備・スタッフや移動時間等の条件が正しく語られないと。個別の問題。移住生活のストレスを強調するなら、それなりの汚染地域に、色々 不十分となる中、居続けることのストレスはどうなんだ、と。
 中間貯蔵施設の設置の話。こんな話を呑んだら、恒久的にそのままにされる。菅は最終処分場を決めてから来い。


 ●緊急会見 −「マスコミも学会も機能不全」東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授/ゲンダイネット 8/23
 「マスコミの報道も大きな疑問です。これだけ福島県や関東各地で原発事故による異常な事態が進んでいるのに、全く住民本位の報道がなされていません」「妊婦や子供の安全を守り、国土をどこまできれいにするかという問題が、総理選びの基準になっていない。小沢派か仙谷派かなんて、どうでもいいことだと思います。政府だけでなく、学会やマスコミも機能不全を起こしています」
 「現在の原子力政策および、原子力災害に対する決定が殆ど原子炉関係者によって行われている。しかし、今までの失敗に責任を持つ人が、これからの政策を決めるのはやめて貰いたい」



セシウムは広島原爆の 168.5 個分が飛散
2011/ 8/28
 8/26、経済産業省 原子力安全・保安院が、福島第一原発1〜3号機の事故と広島への原爆投下と、それぞれ大気中に飛散した放射性核種の核種ごとの試算値を発表した(後記:メルト スルーが騒がれた 6/ 6 に資料の一部としてチョロッと発表されていた。「東京電力株式会社 福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、 2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」)。
 セシウム 137 の放出量を単純比較すると、福一原発からの放出量は広島原爆 168.5 個分に相当する、と。衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会からの請求に対してシブシブ出して来た。

 放射性核種の中、最も多くを占めるセシウム 137 (半減期30日):福一原発1〜3号機 15,000 tera Bq、広島原爆89 tera Bq。
 大量に飛散したヨウ素 131(半減期約八日):福島 160,000 tera Bq、広島 63,000 tera Bq で、広島原爆 約2.5個分。
 骨に溜まる有害なストロンチウム90(半減期28年):福島 140 tera Bq、広島58 tera Bq で、広島原爆 約2.4個分、だと言う。
 そこで、保安院は福島事故と広島原爆との比較自体には「原子爆弾は爆風、熱線、中性子線を放出し、大量の殺傷、破壊に至らしめるもの。放射性核種の放出量で単純に比較することは合理的ではない」と安全説に持って行く。

 以上、福一原発事故は今年6月にIAEA[国際原子力機関]閣僚会議に対する日本政府報告書を、広島原爆については「原子放射線の影響に関する国連科学委員会 2000 年報告」を基に試算。

 だが、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉 龍彦 教授は、広島原爆では半減期8日のヨウ素の割合が圧倒的に多かったが、今回は半減期30年のセシウム 137 が残り、毒性の残留期間が長い、と指摘。
 そもそも今回の数字にしても東京電力の伏魔殿の本店が保安院に対してどれだけ過小に伝えているものやら知れない。過去の電力業界の有り様を見よ。その上に、保安院が隠す・ゴマカす・嘘を吐く。多くのメディアのニュースとはそうやって出て来たゲテモノ。そして、何かの発表の裏には、必ず隠蔽しいることがある。



達成目標を年間1μSv 以下にするというゴマカシ
2011/ 8/28、8/31
 8/24、文部科学省が、学校での屋外活動の年間許容線量を20mSv(毎時3.8 μSv)未満とする基準を廃止して、達成目安を年間1mSv 以下とする、ということに改める、と発表した。
 その理由は、校庭などの除染作業が進んで、福島県内の全ての学校で毎時3.8μSv を下回ったからだ、と。

 民主党の政府には児童・生徒の健康・生命を守る意思が見えない。5ヵ月半 経っても。今度は「達成目安」などとニンジンをぶら下げるやり方に変えて、児童・生徒を被曝させるままに。福島県の教育現場はそこかしこで毎時3μSv を超えている。
 財政収支と、多くの国民の健康・生命と、一体どちらが大事なのか?
 前者を採るような国が文明国か? 去勢されて人民の暴動もなくなったような国は亡びる。
 文部科学相は高木 義明という箸にも棒にも引っ掛からない極めつけのバカ男。



 空気・土壌の汚染度の酷い福島市の住民がこのまま放置されて良いわけがない。従姉妹の家でも子供がいる。


占 題
 福島市では大規模に避難措置が執られるか(8/31)

三 遍 筮 法
得 卦

38 火澤睽
伏卦 41 山澤損
互卦 63 水火旣濟
錯卦 39 水山蹇
綜卦 37 風火家人
 九四、(六五・六三にはそれぞれ正応あり)睽(ソム)きて孤(ヒトリ)。元夫[初九](= 善良なる人、大なる人)[兀夫 = 処刑で片足を断られた人]に遇ひ、交(コモゴモ)孚(マコト)あり。q(アヤ)うけれども咎(トガ)无(ナ)し。
 象に曰く、交 孚あり咎 无しとは、志 行はるる也。
 
 この卦は包卦。即ち、【大乾】の“大きな都市”が三〜五爻【坎】の“毒”を宿している。その主爻を得た。
 爻辭「睽きて孤」とはまともな対応策から外れて孤立しているのであり、錯卦【水山蹇】||(← 左を上に。以下 同じ)で、避難が遅々として進まない現状がある。
 だが、この卦は「雜卦傳」に「外 也」とあり、占的からすれば、人々がそれなりに外部に出ることを云っている。爻辭は【坎】の“信念のある”人物が手を差し伸べる意だろうし、象傳にも「咎 无しとは、志 行わるる也」とある。
 避難措置の規模とすればどうかな・・・【山澤損】|||が伏しているから、内卦の上の爻が外に出たと観て、せいぜい1/3を採る。

 国は情報の小出し・遠回しで印象操作をやっているが、海外での報道、海外の政府・団体からの懸念・圧力に対応せざるを得なくなるかも知れない。



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